カテゴリー「社線連絡券」の24件の記事

2024年1月 1日 (月)

IRいしかわ鉄道車補

 新年あけましておめでとうございます。最近あまり更新しておりませんが、今年も御贔屓にしていただけると幸いです。

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今年3月に北陸新幹線が敦賀まで延伸開業し、北陸本線は、敦賀~金沢間がIRいしかわ鉄道と、ハピラインふくいに移管されます。移管前のきっぷ関係収集のため、昨年の10月末と11月中旬に、北陸へ行っていました。黒部峡谷トロッコ電車には乗りましたが、それ以外、いっさい観光せず、金沢駅は10回以上通過しましたが、駅の外にすら一歩も出ることなく、ひたすら乗ったり降りたり、きっぷを買ったり変更したりしていました。

 IRいしかわ鉄道と、あいの風とやま鉄道は、金沢~富山間で直通運転をしていて、車両も相互乗り入れです。乗務員も富山~金沢間通し乗務で、車両と乗務員の会社は基本的に一致しています。両社ともに、車掌がこまめに車内巡回をしていて、無札の客や、乗り越しの精算対応に当たっています。端末の配備はなく、いずれも補充券を切っています。あいの風とやま鉄道の補充券は、当初JRの出札補充券類似の様式でしたが開業から3年ほどで、自社様式に改められています。こちらは、駅名も手書きするものです。

 一方で、IRいしかわ鉄道の車補は、発着駅が予め印刷されていて、その中にない駅発着で発行するときは空欄に手書きする様式です。金沢以南の北陸本線が移管されると当然様式が変わるはずです。今は「JR北陸本線」として、松任や美川、小松の記載があります。

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 車内補充券なので、車掌乗務列車かつIR車両運用でなければ買えません。あいの風車の方が本数が多いです。津幡から乗って、津幡森本の乗車券を原券に、美川までの乗り越しを申し出ました。津幡森本間は駅間が長く、車内巡回をすることが多いそうです。

 私は金沢で途中下車しましたが、JR線内は、ワンマン列車であっても無人駅での集札や運賃収受はせず、全ドア開放をしているので、美川まで行っても普通に持ち帰れます。IRいしかわ鉄道をはじめとする第三セクターは運賃収受をしっかりやっている印象があるので、移管されても全ドア開放なのかは少し気になります。

 なお、IRいしかわ鉄道の延伸開業パンフレットをもらいましたが、それによると、現行のマルス設置駅には、マルスが残置するようです。新幹線駅併設でない松任も残ります。一方で、森本と東金沢は無人化の方針だそうです。

 

***2024年1月21日追記***
元旦に発生した能登地方地震の被害にあわれた方にお見舞い申し上げます。
このブログで発生した収益は当面の間、全額石川県能登地方に寄付する方針を決めました。

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2022年9月16日 (金)

肥薩おれんじ鉄道通過連絡

 肥薩おれんじ鉄道とJR九州の連絡運輸は、移管初期には、出水、新水俣接続が存在したものの、すぐに無くなり、長らく、八代、又は川内からその周辺の駅までの設定が続いていました。旧鹿児島本線ですが、通過連絡の設定はありませんでした。貨物列車以外の通過需要が殆ど無かったのが理由と考えられます。

 それが、観光特急「36ぷらす3」の運転開始とともに、八代川内間の通過連絡運輸が設定され、同時に連絡運輸範囲が九州管内各駅に拡大したとされています。されています、としたのは明確な根拠に基づいているわけではないからです。実際に連絡運輸取扱基準規程別表、いわゆる赤本を確認したわけではないので。

 おれんじ鉄道の通過連絡乗車券は、JR九州ネット予約で買うことができます。できはしますが、結構苦労します。「36ぷらす3」に乗るのであればすぐに出せますが、そうでないと、新八代から川内まで新幹線経由になります。

 そこでいろいろ試していましたが、結局は、経路検索の偶然の結果に頼るほかはないようです。とりあえず、新幹線利用のチェックは外します。それ以外の設定はできません。例えば、乗換駅指定で、八代を入れると、乗換駅指定をした時点で新幹線利用のチェックが自動で入ります。この2つは自動連動しているようで、新幹線利用のチェックを外した状態で乗換駅を指定することはできませんでした。

 では、熊本又は八代から南の区間で、利用列車指定、普通・快速列車、にすると、今度は経路なしになります。おれんじ鉄道の列車は、普通列車として認識されないようです。

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 別府から串木野までの乗車券を何気なく購入したように見えますが、上述の通り結構苦労しました。出発時刻次第で、博多経由が出たり、久大本線経由が出たりします。豊肥本線経由も出ます。どういうアルゴリズムが組まれているのか謎でした。乗りたい時間のソニックではどうしても出なかったので、1時間遅い列車を指定して、窓口で指定券の変更をして乗りました。

 そういうわけで、ほぼ奇跡的に出てきたきっぷで、実際に乗車してきました。博多新八代間は新幹線です。券面の表記は、「八代・おれんじ・川内」と会社名が入ります。

2022_08290028(東シナ海)
 おれんじ鉄道区間は、乗客こそ高校生ばかりなものの、八代海と東シナ海を望む景観は抜群に良いです。晴れていれば甑島列島まではっきり見えます。この景色が好きで個人的に年1回くらいは乗っています。季節は夏が良いです。


2022_08290123(甑大橋)
 完全に余談ですが、甑島列島の中甑島と下甑島を結ぶ甑大橋が2020年に開通し、海上大橋として、コバルトブルーの海と合わせてこれまた非常に綺麗な景観です。串木野新港、又は川内港からフェリーか高速船で1時間少しです。

 

 

2021年9月12日 (日)

4線連絡乗車券その2

ご無沙汰しております。夏季集中旅行期間が終わって暇になったので、ぼちぼち再開します。そもそも休止のお知らせはしていませんが。

以前東武鉄道線内から会津若松までの4線連絡乗車券を紹介していますが、同じく4線連絡のJR側からのきっぷもあります。この4線連絡乗車券とは、会津若松発着で、JR只見線、会津鉄道、野岩鉄道を経由して東武線内の主要駅(特急停車駅と言われています)までの普通乗車券のことです。

 「4線連絡」というのには理由があり、これは旅客連絡運輸規則にを根拠とする連絡乗車券ではありません。会津鉄道、野岩鉄道経由の連絡運輸は、会津若松周辺各駅から、新藤原まで3社連絡が設定されていますが、新藤原より先の東武線内への連絡運輸はありません。そもそも連絡運輸規則で4社連絡は想定されていないものと思われます。
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 しかしながら、会津若松発東武日光行きの快速列車が運転されているなど、直通需要はあります。そこで企画乗車券扱いで、「4線連絡乗車券」が発売されています。運賃は各会社線の運賃の単純な合計です。

 JR側からは会津若松駅のみでの発売で、大人券は企画券コードの入った、その名も「4線連絡乗車券」として発券されます。北千住の設定もありました。ワンタッチで登録されているようです。

 ここまではよく見る話で、すんなり発売されますが、東武線内は100kmを越えると学割の設定があります。野岩鉄道、会津鉄道はともに100kmに満たないため、学割はありません。では、東武線内に学割を適用したものは発売できるのでしょうか。旅客連絡運輸規則に基づく連絡運輸であれば、学割を発売することを前提とした条文が多数あるので、当然発売できます。しかし、4線連絡は旅客の便宜を図って発売しているもので、発売できない、と言われれば理論武装することはできません。4社間の協定かなにかはあるのでしょうが、旅客側では知る術がありません。丁度同行が学割を使えたので、とりあえず学割証を取ってきてもらいました。

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 会津若松駅の窓口は1窓に減らされているので、誰もいないときをねらって、学割の発売可否を訊ねてみました。着駅精算を勧められましたが、それだと学割は使えない、と言うと、少し時間かかりますが、と前置きをしたうえで、裏からすぐ補充券を取ってきて、過去実績をラミネートした駅手作りと思われるマニュアルを見ながら書いてくれました。着駅が浅草であれば、写すだけの簡単な作業のようです。

 結論として、補充券対応で発売はできます。ネット上で見た限りでは、発売できたりできなかったりするようですが、1窓しかない上、時間のかかるものですので、場合によっては断っているのでしょう。

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2020年6月 4日 (木)

会津野岩線3社連絡券

 首都圏から南会津方面へ行くには、東武鉄道→野岩鉄道→会津鉄道というルートがあります。郡山まで新幹線に乗って、会津若松を回るより、目的地によっては、こちらの方が速いです。会津若松から東武日光まで、快速「AIZUマウントエクスプレス」が直通運転していることもあり、会津若松駅では、東武線内の特急停車駅までの連絡乗車券を発売しています。このきっぷは、JR、会津鉄道、野岩鉄道、東武鉄道の4社連絡となるため、通常のマルス口座ではなく、特別企画乗車券の様式を流用したもので発売されます。以前、これの東武鉄道発売版を紹介したことがあります。

 今回は、この4社連絡ではありません。しかもマルス券でもありません。会津若松から、会津鉄道、野岩鉄道の3社連絡の乗車券は、マルスですと、金額入力操作の収受額入力で発券されます。この発券方法だと、経路は印字されません。会津鉄道、野岩鉄道経由以外はあり得ないため、特に追記されることなく渡されるようです。

 当初はこれを買おうと、会津若松駅の窓口に並びましたが、先客が出札補充券の乗車券を買おうとしていたので、止む無く諦め、券売機に行きました。どうやら障割の連絡券を買おうとしていたようでした。

 券売機で、野岩線連絡のボタンを押し、「新藤原」を選択しました。会津若松は、Suicaの仙台エリアに含まれていますので、Suica決済ができました。出てきたきっぷは、エド券で、金額は3190円と高額ですが、100km以内のため、途中下車はできません。

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 会津鉄道と野岩鉄道の接続駅、「会津高原尾瀬口」から野岩線内の運賃区間が表示されています。「会津鬼怒川線」というのは、野岩鉄道の路線名です。きっぷの券面に、「会津鉄道」の表記はありません。

 このきっぷを持って、春先の南会津を回ってきました。途中下車できないきっぷなのに「回ってきた」とは、つまり、会津鉄道の規定により、湯野上温泉と、塔のへつりでは、すべての乗車券に途中下車が認められているためです。

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(いずれも湯野上温泉にて)
 桜が満開の湯野上温泉駅で降り、誰もいない塔のへつりへ行き、温泉に浸かってきました。会津田島から接続の野岩線内の普通列車(毎時1本)が2本連続で間引かれていたのには面食らいましたが。野岩線は、定期利用者がほぼおらず、従って都道府県をまたぐ移動の「自粛」要請が出ていた今年のGW期間から、当面の間、乗客が見込めないということで一部列車を運休にしています。これは今でも続いています。新藤原からは、東武の株主優待券を併用して浅草まで行きました。このきっぷと株主優待券(金券ショップで550円でした…)を見せても、駅員氏は固まることなく、普通に無効印を捺しました。結構こういう旅客がいるんでしょうか。

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2020年5月 9日 (土)

前郷から秋田ゆき

2018_02180199 (前郷にて)
 由利高原鉄道は、旧国鉄矢島線を第三セクターに転換した鉄道で、「鳥海山ろく線」という愛称がついています。羽後本庄~矢島間23kmの路線です。列車は昼間に2時間ほど空く時間帯があるほかは、概ね1時間に1本の運転で、片道の所要時間は、約40分です。そうすると、途中駅で上下列車が交換しなければなりませんが、全線の丁度中間にあたる前郷駅で交換しています。

 由利高原鉄道は、自動化がなされておらず、前郷~矢島間がタブレット閉塞、前郷~羽後本荘間がスタフ閉塞です。よって、前郷駅では、いわゆる「タブレット交換」が見られます。

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 そういうわけで前郷駅は有人駅で、きっぷも販売しています。ちなみに、「前郷」は、「まえごう」と読みます。時折吹雪く2月の寒い日に、上り列車から降りて、駅舎の窓口で、「秋田ゆき」のJR連絡硬券を買いました。この列車に乗る前、矢島駅で、いろいろときっぷを買っていたら、駅員氏に「前郷でも買えるよ」と言われ、つい買ってしまった次第です。片道1150円もします。実際に使ったので、ハサミを入れてもらいました。「本当に入れていいの?」と聞かれました。列車から降りてきて、きっぷを買うのは明らかに収集目的ですので。。

 平日は高校生が乗っているのでしょうが、休日午後の列車に乗っている人は誰もいませんでした。途中の駅で1人か2人乗ってきたような気がしますが。

 

 

 

2020年5月 6日 (水)

伊豆急端末券

 伊豆急行線の特急停車駅にはマルス端末がありますが、それ以外の有人駅にも乗車券を発券する端末が設置されています。伊豆急は、特急停車駅発着の場合は、JR6社各駅との連絡運輸がなされている一方で、その他の駅は、JR東日本の千葉、高尾、取手、高崎、小山で囲まれた範囲と、JR東海の米原までの各駅、東京方面の新幹線停車駅、身延線、御殿場線と、割合狭い範囲でしか連絡運輸を行なっていません。

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2018_02140313 (片瀬白田駅)
 片瀬白田駅は、正月の快速「伊豆初日の出号」が長時間停車し、初日の出を拝むところですが、そこからもわかる通り、海に近い駅です。近くには、戸田市保養所の「白田の湯」という宿泊施設があったりします。1泊6500円程度(2食付き)という固定価格で、伊豆急の車内に広告を出しています。戸田市民以外でも利用できるので、少し気になっています。

 話が逸れました。伊豆急線内では、Suicaが使えることもあり、片瀬白田駅に券売機はありませんでした。きっぷを買う場合は、必然的に窓口になります。小田原までの新幹線経由で乗車券を買いました。ちゃんと上部に「(幹)」とあり、新幹線経由であることがわかります。

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2018_02140327 (リゾート21「金目鯛」伊豆高原にて)
 私はこのきっぷと別の多経路補充券を組み合わせて改札を通ったので、このきっぷが自動改札を通るかまではわかりません。およそ2年前の券ですが、「(海)品川」の無効印がかかっている部分の印字が薄くなっています。ですので、保存性は、券売機のエド券と同程度ではないかと思っています。ちなみに、これと補充券を両方見せた品川駅の駅員氏は、まずこのきっぷを見て固まり、次jに補充券を見て固まり、なかなか通してくれなかったのを覚えています。そんな組み合わせで乗る方も乗る方ですが。。

 

 

2020年4月29日 (水)

富士急端末券

 富士急行では、少し前まで車内補充券で、地図式の図補を売っていたりしましたが、今では携帯端末が導入されています。中央線で、臨時の特急「山かいじ」なる列車が走ったとき、早朝の大月から始発電車で都留文科大学前に降り立ちました。別に用事があるわけではありません。ただ、この日は休日、ということもあり、山梨県の山間部にある小さな駅から出る「中央特快 東京行き」というものを見てみたかっただけです。平日は快速になります。会社からの帰り、東京駅1808発の「通勤快速 河口湖行き」にはよく乗りますが、これで富士急行線内まで行ったことはないので。

 そういうわけで朝6時半の都留文科大学前駅です。当然人はほとんどいません。帰省の大学生が大きなスーツケースを抱えて駅に入って行きました。
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2018_08110016 (都留文科大学前駅)
 富士急ではICカードが使えますが、窓口できっぷを買いました。特急停車駅にはビジネスえきねっとがあり、大月からの特急券等を売っていますが、普通乗車券は富士急の端末から発券されました。磁気は入っていない感熱券です。
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2018_08110029 (富士急線内の中央特快)
 これを持って、中央特快に乗りました。東京都心部では10両編成満員で走っているこの電車が、くねくねした線路を走って、車内を車掌氏が「乗車券をお持ちでない方はお知らせください」などと言いながら歩いているのはなかなか新鮮でした。それでいて大月から中央線に入ると、前に6両増結して10両で堂々と走っていきます。立川から先は、山梨県内をのんびり走っていたことなど忘れて、主要駅以外には目もくれずに走ります。…とは言っても、私は、各駅停車区間の豊田で降りてしまうのですが。

 

 

2020年2月 2日 (日)

相鉄直通線その1

 昨年11月30日に、相鉄JR直通線が開業し、接続駅として、羽沢横浜国大駅が設置されました。相鉄本線の西谷~羽沢横浜国大~鶴見間の直通線を介して、相鉄本線の海老名から、埼京線方面へ相互直通運転が開始されました。東京都心への直通は相鉄の悲願とも言われており、JR線への直通を見据えて、JR東日本のE231系と全く同じ10000系や、E233系そのものの11000系を導入したりしていた相鉄ですが、漸く念願叶ったり、というところです。

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2020_01110037 (羽沢横浜国大)駅
 羽沢横浜国大駅は、東海道貨物線上の貨物駅、横浜羽沢駅に隣接して設置されており、営業キロも横浜羽沢駅のものを用いているようです。新線として建設されたのは、西谷~羽沢横浜国大~東海道貨物線との分岐点で、当該分岐点より都心方面は、東海道貨物線を通り、鶴見、いわゆる品鶴線を走り、新川崎(貨物線を通過)、武蔵小杉、あとは湘南新宿ラインと同様、西大井、蛇窪信号場、大崎、山手貨物線と走ります。

 相鉄車両が乗り入れるのは、新宿までで、新宿以北、大宮方面の直通電車はJRのE233系が運用に就いています。直通運転開始に伴い相鉄は、新車の12000系を導入しました。当初の開業予定は、今より早かったため、E233系そのものの11000系を直通させる予定でしたが、埼京線に新型保安装置のATACSが導入されたことで、同系列の直通は取りやめになり、12000系が投入された、という経緯だそうです。

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 今のところは、定期券の切り替え時期ではない、ということもあり、直通線の乗客は朝ラッシュ時でもまばらだそうです。本格的に旅客が流入してくるのは、4月以降でしょうか。昼間は30分間隔です。相鉄線内は、各駅停車と特急があります。E233系が、「特急」表示で走るのは中々新鮮です。

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 直通運転から1ヶ月ほど経った今年の1月三連休に乗りに行ってきました。新宿駅2番線で待っていると、入ってきたのは、ネイビーブルーの12000系です。車内はE235系に似ていますが、同社独自の雰囲気が入っています。

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 首都圏のJR通勤路線は、スタフを使っていませんが、この列車は、東海道貨物線を走るためか、紙の乗務員用時刻表を差し込んでいました。武蔵小杉までは通常の湘南新宿ラインと同様ですが、同駅を出てしばらくすると、右に分岐し、貨物線に入ります。新鶴見信号場の傍をかすめ、鶴見で東海道本線や京浜東北線を越えると、そのまま地下トンネルに入ります。これが東海道貨物線です。長いトンネルを抜けると、最徐行で横浜羽沢駅構内に入ります。スタフにも「横浜羽沢」の記載がありました。貨物駅を見ることなく、地下に入ると、羽沢横浜国大駅です。ここから先、東急直通線方面への工事中のトンネルを見ることができました。ちなみに、武蔵小杉~羽沢横浜国大間は16.6kmあります。E233系は100km/h以上でポイントばかりの貨物線を走り続けますが、15分ほどかかります。なお、異常時には、そのまま東海道貨物線を西に走り、30分以上無停車で藤沢まで行くことも検討されていると思われています。(今のところ実績はありません)

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2020_01110016 (相鉄12000系 新宿にて)
 羽沢横浜国大駅の周辺は、まだあまり開発されていない印象で、駅前にはコンビニすらありません。要は、「貨物駅」の雰囲気です。少し離れたところには住宅地が見えましたが。管理は相鉄が行なっています。入場券も買ってみましたが、相鉄のものでした。

 後続のE233系直通電車に乗って、西谷から相鉄二俣川方面に向かいました。

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 さて、きっぷの話です。羽沢横浜国大駅を接続駅とする相鉄連絡乗車券が発売されています。ただし、相鉄側では自動券売機での発売はありません。JR側の連絡運輸範囲は、首都圏一円、といったところです。

 相鉄線の運賃は、同一運賃帯の最遠となる駅のみマルスに登録されており、それ以外は金額入力操作が必要になります。豊田で購入した際、自動経路入力で、運賃が出てきたのをみた窓口氏は、iPadの連絡運輸別表を見て、発売可能範囲か確認したうえで、さっと発券してくれました。二俣川からのいずみ野線も連絡運輸範囲内です。接続駅では途中下車ができるので、下車印をもらいました。

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 普通に平和に使っている分には、ここまでで十分な情報ですが、ここから先は旅客営業規則(以下「規則」といいます)関連の話になります。まず、横浜羽沢国大駅は、横浜市内の駅に含まれました。電車特定区間にも含まれています、ところが、東京近郊区間を定めた規則156条1項2号イには、同駅が含まれていませんでした。少なくとも開業時には、含まれていませんでした。

 その一方で、JR東日本以外の一部旅客会社のHP、及びJR時刻表では、近郊区間に含まれる、とする図が掲載されていました。

 そうすると、羽沢横浜国大は、東京近郊区間に含まれるのか否か、というと、公告されている規則に明記されていない以上、含まれない、ということになります。これに気付いた規則に詳しい人たちの間でTwitterが賑やかになりました。

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2020_01110020 (相鉄12000系の表示)
 ちなみに、マルスは、近郊区間として運賃計算、及び効力の判定を行なっています。従って、例えば、横浜羽沢国大~新宿経由~大月まで(100kmを越える)は、近郊区間外、かつ100kmを越えるので経路通りの発売、かつ2日間有効、途中下車可能、ということに、規則上はなる一方で、マルスは、最短経路となる南武線経由、近郊区間内で1日間有効、途中下車不可、と回答します。さて、どちらが正しいのでしょうか、という問題が発生していました。

 個人的には、マルスがどう回答しようが、規則は規則(ただし解釈は可)なので、マルスが間違っているものと思います。誰かがJR東日本公式に問い合わせたところ、「羽沢横浜国大は、貨物駅の横浜羽沢駅と同一視しており、東海道貨物線上にある。同線は、東海道本線と同一視していることから、同駅は、規則156条1項2号イにいう、『東海道本線 東京・熱海間』に包含されると解釈され、従って、東京近郊区間に含まれる」との回答が返ってきたようです。

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 この解釈は無理があるようにも思いますが、一方で東海道貨物線を走る「湘南ライナー」は、間違いなく近郊区間を走っているので、藤沢~横浜羽沢間の扱いも考えると、合理的な解釈でもあるような気がします。

 この方が問い合わせたからか、JR各社に通達されたようで、実際、規則に詳しいJR東海の東京駅でも同様の回答が返ってきました。

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 さて、問題はこれで鎮静化するようにも思われましたが、今日新たな動きがありました。旅客会社各社が、1月23日付で旅客営業規則を改定し、当該改定を公告しました。内容は、持ち込み禁止の危険物を定めた規則別表の改定で、特段大した改定ではありません。しかし、JR東日本の旅客営業規則のページを見てみると、羽沢横浜国大が、156条1項2号イにしれっと追加されていました。他社の規則には入っていません。

2020_01110018 (12000系車内)
 憶測ですが、JR東日本が、他社と調整をせずに、自社だけでしれっと同駅を追加したのではないかと思います。これで、近郊区間に同駅を追加し忘れていただけ、ということが判明しました。しかし、改定時に誰も気付かなかったんですかね。

 現状、156条2項イ号に関しては、JR東日本とそれ以外で内容が異なっていることになります

。運送条件を定めた規則を改定の公告もせずに、しかも他社とも協議することなく、勝手に直すのはどうなのか、と思いますが。3月改正に合わせて公告される、とかですかね。

 それはともかく、ある旅客会社に属する路線に関する規則は、当該旅客会社の規則による、という規定がありますので、これで規則上の疑義はなくなりました。にしても、東大法学部出のわが先輩らが多くいるであろうJR東日本の旅客営業規則所管部署はどうなってるんですかね。

*2022年1月2日追記*
JR他社の旅客営業規則156条2項イ号についても、2020年3月14日以降乗車分から施行とする改正旅客営業規則において、「・羽沢横浜国大」が追加され、本件は決着がつきました。また、この部分にかかる改正については、「第156条の羽沢横浜国大駅に係る改正は令和元年11月30日から施行」の附則が付いており、相鉄直通線開業時に遡及することが明記されました。JR東日本本社は無理な解釈をしていましたが、要するに改正漏れだったことになります。

 

2019年12月 5日 (木)

増税関連その1

 10月1日の消費税増税に伴って、JRの運賃料金も変更になりました。JRの場合は、1ヶ月先の乗車券類を購入でき、しかも、乗変もできることから、増税前に購入し、又は当該乗車券類を原券として、乗車変更の取扱いを受けた場合には、増税前の運賃を適用することとしています。この「乗車変更」には、旅客営業規則249条にいう「区間変更」も含まれます。

 先ほど、JRの場合は、と書いたのは、私鉄の場合は各社で取り扱いが異なるためです。詳しくは、次の記事で述べます。

 上記の取扱いが定められたことにより、乗車変更の場合は、原券を9月30日以前、すなわち増税前に購入したのか否かを券面上で区別する必要が出てきます。そこで、マルス端末のプログラム変更により、乗車変更の日付を明記することとなりました。

 具体的には、乗車変更を取り扱う際に、原券の購入日を手動で入力することになります。ここで入力を誤ると、増税後の運賃で発売されることもあります。

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 増税前に購入した原券を乗変した場合、通常の「乗変」の記載ではなく、「乗変0930」のように、原券の購入日が明記されます。(この場合は、9月30日に原券購入)

 9月30日に、、東京→神田の乗車券を10月30日付で大量購入し、早速乗変してきました。まずは、金額入力で京王連絡券を買いました。窓口氏は、特に渋ることもなく、iPadで運賃を調べ、マルスを両手で叩いていました。こんな人は初めてです。しかし、出てきたきっぷを見ると、10円違っていました。間違えて増税後の運賃表を見ていたようです。もう一度やり直して、新宿接続、平山城址公園までのきっぷが出来上がりました。

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 それを持って、新宿で途中下車しようとすると、改札係員氏は、「ここでもう降りますか?」と聞きました。京王連絡の旨を伝えると、ハイどうぞ、とすんなり通れました。次、京王の改札にいた若い係員氏は「これはJRのきっぷなので通れません」と言いました。「平山城址公園」の文字を指差しても、「JRのきっぷです」ここも、連絡券だと伝えると、納得した様子でした。

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Img_5225(高幡不動にて)

 2000発の京王ライナーに乗ります。運行開始してからもう大分経ちますが、地味に初めて乗りました。京王ライナーは高幡不動で降り、各停で平山城址公園へ行きます。

2019_11040085_20191205220601(平山城址公園駅)
 無効印を捺してください、と言うと、若い係員氏は、ほお、とか言いながら、どこに押しましょうか、と、興味津々な顔でした。連絡券を持った客がここで降りることはそうないと思いますので。

 浅川の橋を渡って、家に帰りました。歩くと30分以上かかります、、、

 

2019年9月20日 (金)

福岡市営地下鉄 連絡券その3(新在往復補充券)

 福岡市営地下鉄空港線の博多~姪浜間通過連絡については、水城駅で筑前前原まで購入したものを以前記事にしていますが、今回はその応用編です。
 その1→福岡市営地下鉄 連絡券その1(通過連絡)
 その2→福岡市営地下鉄 連絡券その2(POS券)

 筑肥線の博多~姪浜間を廃止にして地下鉄直通運転を開始したという経緯から、博多~姪浜間の通過連絡を介して、筑肥線の西唐津方面へ行く場合は、広範な連絡範囲が設定されています。古くは、JR東日本管内にも設定があったようですが、さすがに今では無くなっています。現在の設定範囲は、JR東海、西日本、四国、及び九州管内の各駅とされています。

2019_04280156 (筑前前原にて)
 JR東海管内が連絡範囲に含まれているので、東海道新幹線の熱海以東、小田原、新横浜、東京の各駅も飛び地で設定範囲に入ります。新横浜と東京が連絡範囲に入っているので、旅客連絡運輸取扱基準規程に基づき、横浜市内、及び東京都区内の各駅も連絡運輸の範囲内となります。ただし、JR東日本との連絡運輸の設定はありませんので、当該会社での発券はできません。

 連絡運輸から少し離れて、博多~新下関間を往復する場合(いわゆる「新在往復」)、新幹線はJR西日本、在来線(博多~下関)はJR九州となり、往路と復路で異なる経路を取った場合、運賃が異なります。この場合は、往復きっぷの購入ができますが、往路と復路で運賃が異なります。600km以上の往復割引も適用可能ですが、これまた、往路と復路で運賃が異なります。そのため、通常の往復きっぷとは異なり、ゆき券、かえり券ともに、券面には、他方の券面の金額が記載されます。

 では福岡市営地下鉄の通過連絡と、この新在往復とを組み合わせると、どうなるのでしょうか。結論から言うと、マルスでは発券できず、補充券となります。おそらく、福岡市営地下鉄に限ったものではなく、通過連絡と新在往復を組み合わせるとエラーが出るのだと思います。やったことはありませんが。

 東京駅のJR東海きっぷうりばへ向かい、筑前前原まで、往復で、行きは新幹線、帰りは在来線で、と頼みました。係員氏はマルスを叩きましたが、ダメで、あ、これか、とか言いながら、ファイルを探し始めました。補充券になる場合と、当該きっぷの書き方がまとめられたファイルのようです。それを見ながら、すぐに出札補充券を取り出し、書き始めました。10分ほどで出来上がったので、やはり東海は優秀です。。

 あとでよく見ると、ゆき券もかえり券も事由欄が「新在往」となっていましたが。本来であれば、かえり券は「新在復」になります。まあ実使用に問題はないので、そのまま使います。
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 10連休前の金曜日、仕事終わりに東京駅へ直行しました。定時で出てきたので、そこまで混雑しておらず、「のぞみ」の自由席で新大阪へ向かいました。翌日、新神戸から再使用を開始し、そのまま博多へ行き、また途中下車しました。西鉄のレストラン列車に乗ったり、玉名の親戚を訪ねたりして、その日は博多泊。翌日、海の中道へ行き、都市高を走る西鉄バスで天神へ戻ってきました。「令和」ゆかりの坂本八幡宮へ行ったりしていました。そのあと、地下鉄の天神駅中央改札できっぷを見せて、糸島高校前まで行きます。回収対策として、ここから筑前前原までは放棄しました。
2019_04280001 (天神)
 晴れていれば糸島を巡ろうと思っていましたが、あいにくの天気だったので、筑肥線のPOS駅を回って、筑前前原からかえり券を使用します。
2019_04280158 (博多駅)
 地下鉄はまた天神で降りました。降りるときに、「もう地下鉄は乗りませんか」と聞かれました。地下鉄線内は、連絡乗車券であっても、途中下車禁止のようです。100円バスで博多駅に向かい、特急「ソニック」で小倉へ行き、また実家に戻ります。

 10連休を満喫して東京行きの新幹線に乗り、東京駅の改札で無効印を捺してもらいました。