平成30年3月17日のダイヤ改正では、中央東線の振り子式特急電車E351系が引退しました。E351系は、中央東線の高速化のため、1995(平成5)年に登場した車両で、特急「スーパーあずさ」として運用を開始しました。
(新宿にて)
当時の中央東線特急は、「あずさ」に、まだ183系が用いられていた頃で、同車がE257系に置き換えられても、E351系は「スーパーあずさ」専用車両として、運用を続けていましたが、車両の老朽化、また、振り子式を採用していたため、保守の手間が大きいこと等を理由に、後継車両の開発が進められていました。後継のE353系は平成27年に登場しました。
E353系は、振り子式ではなく、最近流行りの車体傾斜式を採用し、JR東日本では同方式の車両を保有するのは初めてのため、入念な試運転がなされていました。登場から約3年経ち、平成29年12月から運用開始しており、今回の改正で、特急「スーパーあずさ」を全て置き換えました。
それに伴って、余剰となったE351系は、波動用として残ることもなく、全車廃車が決定しました。振り子式という特殊な構造を有していたことが原因と考えられます。
(新宿にて)
さて、ダイヤ改正前日の3月16日、E351系最後の営業運転が行われました。下り最終列車は、新宿2000発の特急「スーパーあずさ33号」松本行きです。ラストランの団体列車を除いて、E351系の営業運転は同列車をもって、全て終了したと思われましたが、この列車は実は最終列車ではありませんでした。
中央快速線では、夕方の通勤列車混雑を避けて、着席サービスを提供する「中央ライナー」「青梅ライナー」が走っています。中央・青梅ライナーは、ほとんどの列車がE257系での運転ですが、1本だけE351系12両編成の列車がありました。東京2230発(新宿2245発)の「中央ライナー7号」がそれに当たります。
(「中央ライナー7号」八王子行き)
普段、ライナーを頻繁に使っているため、「中央ライナー7号」がE351系使用だということは知っていました。しかしながら、ダイヤ改正前日ということ、また、「スーパーあずさ33号」が最終営業運転である、と盛んに宣伝されていたことから、3月16日の「中央ライナー7号」は、もしかするとE257系に運用変更がかかる可能性は十分にあり得ると思いました。
「スーパーあずさ33号」には人が殺到するであろうことから、同列車は避けて、深夜帯を走る「中央ライナー7号」に乗ろうと思い、当日の仕事帰り、2220頃に新宿駅9、10番線特急ホームに行きました。それで、ライナー券を購入しました。この時点で12号車が出てくれば、E351系確定だと思ったのですが、あいにく8号車であったため、よくわかりませんでした。
しかしながら、駅の放送で、E351系最後の営業運転です、と言っていたことから、最後の営業運転はやはりこの列車でした。
(車内)
「中央ライナー」の表示を掲げた列車が2243に9番線に入線して来ました。この時間帯にもなると、マニアの数も少なく、警備にあたる駅員の数が過剰な気もするほどでした。普段、この列車が満席になることなどあり得ないのですが、この日は2230頃に早々と売り切れていました。東京及び新宿からの乗客は、(いつもの通勤客):(マニア)が3:7くらいの割合でした。全車指定席のライナーであることから、いつも通りデッキに若干の立ち客がいるくらいで、至って穏やかな雰囲気でした。25分乗って、私は、いつも通り立川で降りました。列車は八王子行きです。八王子到着が2321と、沿線住民でなければ終電の時間もあり、乗れない列車であったことから、大体の乗客は中央線の沿線住民のようでした。
(立川を発車)
これをもって、25年間走り続けたE351系は営業運転を終えました。新形のE353系は最新設備を整えた車両で普段使いするには快適です。
最近のコメント