カテゴリー「企画切符」の41件の記事

2022年12月31日 (土)

Sきっぷ(札幌留萌間)

 今年もあと数時間で終わりの大晦日です。

 個人的に年末のこの忙しい感じと、年始の雰囲気が好きなのですが、まあそれはいいです。

 さて今日は、来年3月末で廃止になる留萌本線のきっぷです。札幌留萌間は、函館本線の特急と留萌線の普通列車を乗り継いで、2時間ほどです。留萌線の本数が減っているのがネックですが、札幌方面からの特急列車とは深川でうまく接続しています。

 同区間には、北海道中央バスの都市間バス「高速るもい号」と、沿岸バスの都市間バス「特急はぼろ号」、「特急ましけ号」が走っています。こちらの所要時間はおよそ3時間ほどです。特急はぼろ号は予約制で、留萌より先の羽幌、遠別、天塩、幌延方面が主ではありますが、留萌市内にもいくつか停留所があります。深川留萌道経由ですが、札幌市内の次は留萌市内まで停まりません。留萌市内までの運賃は2410円です。

 高速るもい号は、非予約制で、深川経由便と滝川経由便の2つがあります。滝川経由が3本、深川経由が4本で、運賃は2650円です。深川市内と滝川市内でそれぞれ乗降を取り扱います。

 都市間バスの運賃料金をみたところで、JRの運賃を見てみます。こちらは自由席特急料金を含めて、札幌留萌間5460円です。これは片道の運賃料金です。乗車券だけでも3630円します。

 JRの特急は確かに速いですが、都市間バス往復運賃より高いとなっては、これでは勝負になりません。しかも深川で乗換があり、当たり前ですが、留萌市内は、駅までしか行きません。都市間バスは、十字街やらの市内各所にいくつか停まります。

 そこで、札幌留萌間には、自由席往復きっぷ(Sきっぷ)が設定されています。往復で5750円です。片道にすると、2870円です。これならバスと互角に戦えます。割引率は、48%とほぼ半額です。Sきっぷの設定区間は、特急1本で行ける区間ばかりですが、留萌だけは普通列車に乗り継ぐのが前提になっています。

 留萌線がなくなる前に、普通列車しか走っていない線区のSきっぷを使っておこうと思い、去年の1月に一度買っていました。しかし、この時は札幌圏の豪雪により、留萌線どころか、函館線の特急も、駅員氏曰く「岩見沢ですらまともに走ってないから、バス乗ってください」というほどで、結局留萌まで、高速るもい号に乗って行きました。初山別まで行って1泊し、翌日の留萌線も、もちろん運休していたので、深川まで沿岸バスの留萌旭川線に乗りました。1日5往復、留萌深川間の運賃は1100円です。留萌線廃止後の主な代替交通機関となる予定です。

 そういうわけでSきっぷは、まったく使えなかったので、払戻しました。

 先々週、今度こそは、と1か月前に北見でSきっぷと指定料金券を仕込みました。指定席券売機でSきっぷを買うと、そのまま指定席を予約しますか?という画面に変わり、指定料金券を買うことができます。

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 吹雪く予報でしたが、滝川駅構内でポイント不転換があって深川に20分遅れで着き、留萌線は接続待ちをしていたので、留萌にはおそらく20分延着したくらいで、行きはちゃんと留萌まで使えました。
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 窓口で帰り分の指定料金券を買いました。指定券発行印に、「留萌」と入っているのがいいです。こういうハンコ類もお蔵入りしますから、できるだけ集めておきたいですが、そもそもどういうハンコがあるのかよくわからないのが実情です。

 レンタカーを借りて初山別村の温泉に2泊していました。中日は晴れていましたが、行きも帰りも吹雪いていて、特に帰りは、羽幌苫前間で完全にホワイトアウトしてしまうなど、冬の留萌管内の洗礼を浴びてきました。

 なんとか留萌市内まで戻ってきて、駅に行くと、列車はいましたが、1617発の深川行きは運休だということでした。その足で、中央バスの留萌ターミナルに行き、1600発の滝川経由便に乗車します。こちらも道央道が吹雪で通行止めで、札幌にはおそらく1時間は遅れる、と最初に説明がありました。滝川は国道経由なので遅れない、とも言っていました。

 滝川駅前でバスを降りて、札幌行きの特急ライラックに5分乗継です。こちらは数分遅れで走っていました。

 そういうわけで、Sきっぷは復路の留萌滝川間が使えていませんが、まあ冬の留萌線なので、上々の結果です。廃線は3月末で、これから冬本番を迎え、一度ドカ雪が来ると1週間は運休になる路線ですので、行ったけど乗れなかった、という事態は普通に想定されます。先述した通り留萌は代替となるバスが結構充実していますので、旅程崩壊は免れられます。時間はかかってもバスの運休は鉄道より少ないです。何度も書いているところですが、もはや留萌線の存在意義はほとんどありません。

 廃止前にもう一度行こうとしていますが、臨時列車の運転とかはあるんですかね。今のところ何も発表されてませんが。

 

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 さて、2022(令和4)年も終わりです。今年もお読みいただきありがとうございました。謎の連載企画をしていますが、これはそれなりの成果が出ているものですので、また追々発表しようと思います。

 今年は、プライベート以外では、出向期間が終わり、芝公園のビルに勤務地と業務が変わるなどしましたが、生活の根本はほとんど変わっていません。旅行関係では、北海道滞在期間が42日と過去最高を一気に更新(どう考えても行きすぎです)し、SFC修行をしたおかげで来年はANAのプラチナステータスになります。

 来年の予定は、今のところ冬にまた集中渡道期間が決定しているくらいで、そのあと暫く静かになりますが、今後もお付き合いくだされば幸いです。

 それではみなさま、よいお年を!

 

 

2021年12月14日 (火)

城崎温泉・天橋立片道きっぷ

北近畿タンゴ鉄道が、京都丹後鉄道と名前を変えてから、随分と経ちます。6年だそうですが、略称のKTRも「丹鉄」となりました。北近畿タンゴ鉄道は、線路保有の第三種鉄道事業者として今も残っています。丹鉄は、運営母体が高速バス会社の「WILLER」であることもあり、企画きっぷの予約がネットで決済まで完結したり、新型普通列車車両の座席にコンセントを設置したり、と利用者目線で便利な取組みを進めている印象です。

それはともかくとして、先日、倉吉に行ってきました。倉吉市のキャンペーンに乗っかったのですが、初めて行った倉吉市内の赤瓦・白壁土蔵群を見てきました。倉吉まで行ったので、実家に帰ることにしましたが、その帰りに、前から気になっていたきっぷを使ってきました。

そのきっぷは、「城崎温泉・天橋立片道きっぷ」です。名前の通り、城崎温泉から天橋立まで、又はその逆の片道利用できる企画きっぷです。途中下車はできませんが、JR山陰本線内の城崎温泉~豊岡間を含めて、特急列車自由席が利用できます。

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途中下車はできないので、途中で観光をするには不向きですが、この区間の全区間で特急自由席を利用すると、3060円かかります。普通列車だけで行っても1400円です。

この切符の発売価格は、1280円ですので、普通列車だけで行っても元が取れます。城崎温泉に宿泊して天橋立を観光、又はその逆の行程というのは北近畿旅行の定番ルートですので、そういう利用を想定しているのだと思います。

発売は、丹鉄の天橋立駅と、城崎温泉駅前の全但バス案内所「SOZORO」、丹鉄のホームページです。ネット予約の場合は、引き換え場所、利用日時を指定の上、いずれかの場所できっぷに引き換える必要があります。ちなみに、JR西日本の「JRおでかけネット」のトクトクきっぷ検索では出てきません。

私は丹鉄のホームページから予約しました。予約すると、予約確認書というメールが送られてくるので、これを提示しました。特に印刷の必要はありません。

引き換えたきっぷは、地紋はないですが、細かいイラストが入った横長のものです。測ってみると幅は17cmもありました。

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2021_12110111(豊岡にて)
兵庫県民の旅行需要喚起策のおかげで、福知山線の特急「こうのとり」は7両編成がほぼ満席、城崎の温泉街は人で溢れていました。京都行きの特急「きのさき」に乗り、豊岡からは、KTR8000系「丹後の海」の特急「はしだて」に乗り継ぎ、真っ暗になった天橋立は素通りして、宮津まで乗り越しました。
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ちなみに乗り越しの特急券は、出札補充券様式のものでした。事由に自特がありますが、なぜか手書きされています。この様式で特急券を実際に出すのは初めて手にしました。JRでも規則上は出せますが、手持ちにはないです。松本の精算所発行のものを見たことはありますが。

***2022年6月19日追記***
前途の列車に対する特急券等を発売する場合は、事由の空欄に手書きするのが正しいのだそうです。事由に丸を付けるのは、現在乗車中の列車に対するもののときらしいです。なお、丹鉄には今年の4月から車発機が導入されており、車内での補充券発行は終了しているものと思われます。

 

 

2021年10月10日 (日)

美作国やまもりきっぷ

 7月の4連休に実家で何気なく新聞を見ていると、阪急交通社の広告に、「企画列車」という文字があるのを見つけました。旅行会社主催の団臨だと、専用列車とか貸切列車、とか書かれますが、この「企画列車」というのはあまり見ません。気になったので調べてみると、どうやら津山線で運行される「美作国やまもり号」という列車で、食事付きらしいということがわかりました。もう少し調べると、JR西日本おでかけねっとで、「美作国やまもりきっぷ」なるきっぷが発売されていることがわかりました。この列車に乗車するには、このきっぷを購入することが必須で、乗車券、指定席券、食事料金がセットになって発売されており、ほかの乗車券類では乗車できないが、一般にも開放されているようです。

2021_09180035(亀甲にて)
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2021_09180012(岡山にて)

 列車の運転は、7月から9月までの隔週の土曜日で、車両は、キハ47系の「ノスタルジー」車両だそうです。しかも、「美作国やまもりきっぷ」は、JR西日本のトクトクきっぷ専用予約ダイヤルでのみ発売(JWESTカード会員は、会員専用ダイヤル)で、窓口や券売機、ネットでは一切発売していませんでした。

 

 とても面白そうなので、乗ってみることにし、1か月前10時に会員専用ダイヤルに電話をしてきっぷを予約しました。きっぷは、企画券本体と指のみ券、食事予約券の最低3枚になると予想しましたが、三ノ宮駅で受け取ってみると、本体と指のみ券の2枚だけで少し面食らいました。この列車に乗車するための専用きっぷなので、必ず食事料金が含まれているから食事券は不要ということなのだと思います。価格は6000円です。
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 当日岡山から列車に乗り込むと、ボックスシートには、ホームセンターで買ってきたと思しき折り畳み式のテーブルが設置してありました。車内はほぼ満席です。食事として提供されるのは、岡山の郷土料理、「かえし寿司」で、要するにばら寿司ですが、岡山藩主の倹約令に反発した庶民が、鮓飯の下に具材を隠して、ひっくり返して食べていたのが由来だそうです。

2021_09180025(座席)
2021_09180020(かえし寿司)
 津山線は車窓としてはごく平凡ですが、途中の亀甲駅で長時間停車します。駅舎が亀の形をしているので有名です。ここで地元のおもてなしがあり、駅前の商工会議所で、たまごかけご飯の振る舞いがあります。地元の玉子を使っていて、黄身が赤く、おいしかったです。商工会議所の中の研修室に机と椅子が並べられていて、そこで食べます。出るときに「おかわりありますよ」と言われましたが、もうお腹一杯でした。おいしいので、もう1杯ほしいところでしたが…

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2021_09180032(亀甲駅とたまごかけご飯)
 津山に着いてからは観光周遊バスに連絡しており、ツアー客はそちらに乗り継いでいました。この列車は津山線の新しい観光列車で、どういう企画をするかを考えるための試験だと思います。先日観光列車の名称が発表され、「SAKU美SAKU楽」(さくびさくら)と決まりました。定期的に運行される列車の前段階として運転された列車に乗るのは久しぶりです。「リゾートビュー星空」に乗ったときは、野辺山駅からバスでホテルに送迎され、指定券だけで乗車してきた人にもポトフがふるまわれ、ホテルの芝生で星空観察会があるなどしていましたが、「HIGHRAIL星空」では駅前で星空観察で、送迎もポトフもありません。津山線も、商工会議所の研修室でたまごかけご飯は食べられないと思いますが、たまごかけご飯はおいしかったので、これは取り入れてもらいたいです。

 

 

2021年9月15日 (水)

JR・おれんじぐるりんきっぷ

 JR九州と肥薩おれんじ鉄道では、「JR・おれんじぐるりんきっぷ」という周遊券タイプの企画券を発売しています。このきっぷは、「福岡ワイド版」「熊本エリア版」「鹿児島エリア版」「熊本・鹿児島ワイド版」の4種類が発売されており、発駅と、フリー区間がそれぞれ異なります。

 まず、「福岡ワイド版」と「熊本・鹿児島ワイド版」の2種類は、フリー区間が、八代~川内間のおれんじ鉄道線全線です。一方で、「熊本エリア版」は、八代~水俣間、「鹿児島エリア版」は、出水~川内間のみがフリー区間です。フリー区間に加え、九州新幹線利用区間が、「福岡ワイド版」「熊本・鹿児島ワイド版」は、博多又は熊本~鹿児島中央間の片道、鹿児島中央~川内間の折返し乗車、及び八代(新八代)~熊本又は博多間の片道、「熊本エリア版」は、熊本~新水俣間、及び八代(新八代)~熊本間の片道、「鹿児島エリア版」は、鹿児島中央~出水間、及び川内~鹿児島中央間の片道が利用できます。なお、九州新幹線は、フリー区間ではなく、いずれかの方向に片道ずつしか利用できません。ちなみに、並行在来線にも乗れます(差額は返金されません)。

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(きっぷ本券)
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 要するに、例えば博多から新幹線で鹿児島中央へ行き、復路は、川内まで新幹線に乗って、おれんじ鉄道のフリー区間、八代からはまた新幹線で戻る、もしくはその逆、という使い方ができる(それしかできない)ということです。おれんじ鉄道を利用しない方の片道乗車区間は途中下車禁止です。

 まとめると次の表のようになります。(発売価格は令和3年9月現在)


 


往路


復路


発売価格


福岡ワイド版


新幹線(博多~鹿児島中央間)


・新幹線(鹿児島中央→川内間)
・肥薩おれんじ鉄道全線フリー区間

・新幹線・鹿児島本線(八代→博多間)


14980円


熊本・鹿児島ワイド版


新幹線(熊本→鹿児島中央間)


・新幹線(鹿児島中央→川内間)
・肥薩おれんじ鉄道全線フリー区間

・新幹線・鹿児島本線(八代→熊本間)


8380円


熊本エリア版


新幹線(熊本~新水俣間)


・肥薩おれんじ鉄(水俣~八代間)フリー区間

・新幹線・鹿児島本線(八代→熊本間)


5240円


鹿児島エリア版


新幹線(鹿児島中央~出水間)


・肥薩おれんじ鉄道(出水~川内間)
フリー区間

・新幹線(川内→鹿児島中央間)


4200円

なお、上述した通り、往路復路は逆順も可能で、新幹線と鹿児島本線が並行する区間では、在来線の利用もできます。

 

 このきっぷの福岡ワイド版を使って、観光特急「36ぷらす3」の木曜日コースに乗ろうかと思いましたが、そこは上手くできていて、「特急『36ぷらす3』には乗車できません」と書かれていました。

 大分駅でこのきっぷを買う時、熊本までの乗車券提示を求められ、おれんじ鉄道に乗るのは往路か復路か聞かれました。窓口氏は分厚いタリフを読みながら質問をし、発券作業をしていました。それによると、おれんじ鉄道を往路復路いずれに利用するかで企画券コードが別のようです。

2021_08300215(出水にて)
2021_08300146(おれんじ鉄道車窓より)
 新幹線で一気にフリー区間の端まで行って、帰りはのんびり途中下車しながら2日間観光をするにはもってこいのきっぷだと思いました。使い方が少しややこしいとは思いますが。きっぷは自動改札に通らない120mm券で、券面にフリー区間と注意事項が書かれています。新幹線利用は自由席利用とされていますが、指定料金券、グリーン料金券と併用ができます。

2021_08300167(長島の東シナ海)
2021_08300205(不知火海。針尾展望台より)

  私は「熊本・鹿児島ワイド版」を購入して、川内で折り返しました。夏の東シナ海を眺めながら出水まで引き返し、そこでレンタカーを借りました。鹿児島県の長島に行きたかったからです。2回ほど行っていますが、この島から見る東シナ海はエメラルドグリーンで、遠くに甑島列島を望み、反対側の不知火海は、天草に続く静かな多島美を望めます。この日は日奈久温泉に泊まりました。

翌日八代まで少しフリー区間を使いました。

 

 

2021年6月15日 (火)

ふらの・びえいフリーきっぷ

 「ふらの・びえいフリーきっぷ」は、札幌からの往復特急自由席と、富良野・美瑛のフリー区間が付いた観光用のきっぷです。フリー区間は、函館本線の滝川~旭川間、根室本線の滝川~幾寅間と富良野線全線で、区間内は、普通列車の自由席が乗り放題です。札幌から旭川、又は富良野までは、特急列車の自由席で往復できます。なお、札幌から旭川、富良野まで200km以内に収まっているせいか、発着駅は札幌の単駅限定で、札幌市内にはならず、千歳や小樽など他駅発の設定もありません。ちなみに、フリー区間だけの「ラベンダーフリーパス」(2800円)もあります。いずれも利用当日まで購入できます。
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 往復の特急は、自由席なら追加料金不要で乗れますが、指定席、又はグリーン席を利用する場合は、それぞれ指定料金券、又はグリーン料金券を購入すれば併用できます。

 発売額は7400円です。札幌~旭川間の往復だけで、普通運賃なら9380円、えきねっとトクだ値でも5720円しますので、少しフリー区間を利用すれば十分に元が取れますし、普通運賃基準なら、一切フリー区間を使わず、旭川を往復するだけで元が取れます。もっとも、単純往復だけならSきっぷ(5550円)の方がお得ですが。

 先週連休を取って、5日間、また北海道に行っていました。今度は道北方面です。当初の予定では、宗谷本線の観光列車、急行「花たび そうや号」に乗る予定でした(そのうち記事にはします)が、5月16日から、鈴木北海道知事や札幌市長が、札幌市、旭川市、小樽市、及び石狩管内のまん延防止等重点措置で十分だ、北海道は広すぎるから全道での緊急事態宣言は実態にそぐわない、と反対していたにも関わらず、政府の分科会が「メッセージ性がある」と言い、ただそれだけの理由で北海道全域に緊急事態宣言が発出されたため、5月15日の運転開始を数時間後に控えた、14日(金)の20時ごろ、全列車の運休が決まってしまったため、行程を変更して行っていました。

 北海道内は、AIRDOANAと共同企画のフリーパスが発売されてからは、こればかり使っていて、このきっぷのような地域限定のフリーきっぷを買う機会はなかなかありませんが、今回は、道北方面へ行くと言っても、オロロンライン沿いを観光することが主目的だったので、「きた北海道フリーパス」を買うほど乗りませんでした。木曜日の夜便で千歳へ飛び、千歳市街で1泊ののち、2日目は美瑛を観光しようと思って、このきっぷを買いました。ただし、雨予報だったので、雨なら、石狩沼田と奈井江へきっぷ収集に行くつもりでした。

 当日の朝起きると、街路樹が強風で靡き、道行く人の傘がひっくり返っていました。時刻通り来た快速エアポートで札幌へ行き、「ライラック」に乗り換えると、江別~豊幌間の夕張川橋梁で徐行運転をするため遅れる、と車内放送で告げられました。よって、前日からほぼそのつもりでしたが、きっぷ収集に行程変更決定です。ちなみに、過去5、6回富良野美瑛には行っていますが、全部雨です。美瑛に行こうとすると必ず雨が降ります。どうしてなんでしょうね?

 「ライラック」を深川で降り、留萌線に乗り換え、石狩沼田で降りました。ちなみに、明日も乗ります。沼田の町を散策でもしようかと思いましたが、千歳駅へ向かう途中で折り畳み傘が曲がってしまっていて、駅舎の写真だけ撮ってすぐ諦めました。次、奈井江へ行き、ここも暴風が吹き荒れていて外へ出るのは止めました。なお、函館本線は、江別~幌向間で強風のため、運転見合わせ、となっていたので、特急列車は運休が多発、走っていても30分から1時間程度遅れていました。普通列車はほぼ時刻通り動いていたので、私の予定は崩れることなく、宿泊地の旭川に10分遅れで着きました。道北の遅い日没(1915頃)になると晴れ間が出てきて、翌日からは快晴の旅路となりました。

 よって、「ふらの・びえいフリーきっぷ」という名称ながら、富良野にも美瑛にも行っていません。それでも十分元が取れているのでよいです。有効期間4日間というのも丁度良かったです。

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 指定料金券を買うと、新千歳空港駅のベテラン窓口氏は、「指定券発行の列車に限り有効」という印を捺しました(これは初めて見ました)が、乗り遅れは自由席利用になるので、誤解を招くような気もします。まあそこはどちらでもいいです。復路の指定料金券を留萌駅で買うと、こんなきっぷを留萌で提示する人はいないのか、タリフを調べて発券してくれました。こちらは普通の「指定券発行」印でした。

 

2021年2月21日 (日)

AIRDOひがし北海道フリーパスSP

 JR北海道では、北海道の翼AIRDOと共同で道北方面、及び道東方面のフリーきっぷを発売しています。ただし発売条件があり、エリア内の空港までAIRDO便に搭乗し、当該便の搭乗案内券を指定の発売箇所で提示することが必要となります。AIRDOとANAはコードシェアをしていますが、ANA便名で搭乗した場合は対象外です。

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 このフリーきっぷ自体は2018年下期から発売されています(以前の記事)が、今年は新型コロナの影響による需要減退のため、「AIRDOきた/ひがし北海道フリーパスSP」として、25歳以下でも誰でも9800円という「スペシャル」版が発売されています。発売期間は、とりあえず今年の3月末までとされていますが、個人的には延長されると読んでいます。

 先週、新千歳空港にAIRDO便で降り立った私は、「AIRDOひがし北海道フリーパスSP」を買いました。道東方面の特急列車自由席に5日間乗り放題で9800円というのは破格です。きっぷの券面としては、「AIRDO」の文字が全角になっていて読みやすくなったかな、という感じです。

 道内の観光客は以前の絶望的な閑散ぶりから少しはましになってはいますが、全く戻っておらず、正確には旅行客の大半が、普段から旅行しているような人、という印象で、釧路から帯広まで乗った特急おおぞらの自由席はほぼ全員フリーパスの一人客でした。

2021_02140078 (「流氷物語号」北浜にて)
 流氷観光を主目的にしていた私は、釧網線の「流氷物語号」に乗り、そのまま根室に行って、レンタカーを借りました。標津町に2泊して、知床羅臼に行ったり、凍てついた道東の町(個人的には、最高気温が氷点下で、快晴の夕方のなんとも言えない空気が好きです)を歩いたりしていました。流氷はまだ羅臼まで来ておらず、知床ネイチャークルーズという観光船に乗って、シャチやらオジロワシやらの北の生き物を見て、ひたすら観光していました。

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2021_02140333 (羅臼沖にて)
2021_02140427 (標津町。奥に見えるのは国後島)
 年末年始にかけて大寒波が来ていて、今年はオホーツク海もびっしり凍るかと思いきや、2月中旬になって暖かくなり、このときも根室の昼で2℃、帯広に至っては6℃まで上がるなど異常な温かさになってしまいました。また再来週、今度は紋別、網走と観光船に乗るつもりですが、海上保安庁の海氷速報を見る限り、流氷ははるか沖に流されてしまっているようで、どうなることやら。

 

 

2021年1月31日 (日)

みんなの九州きっぷ

 JR九州では、昨年7月11日から、連続する土休日2日間、北部九州(豊肥本線、三角線以北)、又は九州全線が乗り放題となる「みんなの九州きっぷ」を発売しています。発売は、ネット限定で、3日前までに予約をする必要があります。当初は9月末まででしたが、12月までに延長されました。12月で終わりかと思いきや、12月17日になって、1月以降も発売されることが告知されました。ただし、1月以降の発売分は、価格が若干上がっています。価格が上がったとはいえ、元々、北部九州は5000円、九州全線は10000円の破格で、それが6000円、12000円と、1割の値上げに留まっています。どう考えても採算度外視の破格です。

 しかもこの値段で、特急自由席はもちろん、新幹線を含めた指定席を6回まで無料で利用できます。参考までに、ネット早特系の値段を見てみると、博多~熊本間で2500円、博多~鹿児島中央間が7500円(JQ限定早特)ほどですので、いかに安いきっぷかがわかります。

 さらにきっぷ利用者の特典があります。私は8月と、先日の2回北部九州版を使いましたが、8月のときと1月とでは特典が若干変わっていました。8月は、アミュプラザ博多で500円分の金券に引き換えられたので、また引き換えて「通りもん」を買おうとしたら、特典の内容が変わったんですよ、と言われました。いつの時点で変わったのかはよくわかりませんが、おそらく値上げとともに見直されたのだと思います。

31100020 (昨年のもの)
311000211 (今年のもの)
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 指定席が6回まで使えるのですが、そこまで使いませんでした。ちなみに指定席の予約はネットではできず、窓口か券売機で取る必要があります。指定券の発券は、JR九州管内は、窓口と券売機、JR西日本管内でもできますが、こちらは券売機限定です。発券すると、★が付きます。JR九州ネット予約は、えきねっとのように、指のみ発券機能が無いので、指定だけ押さえておく、といった使い方もできません。

 8月は、大村→佐世保→博多→熊本→阿蘇→荒尾、1月は、佐世保→佐賀、三角→博多と使いました。1月はこれでも元が取れたはずです。

 昨今の需要減退で、JR各社はあれやこれやの企画きっぷを出していますが、個人的に今のところ最強のきっぷだと思っています。九州全線版を使う機会がないのですが、、、

 

 

2020年12月31日 (木)

山陽新幹線 直前割50

 山陽新幹線の一部区間に、9月末から設定された「山陽新幹線 直前割50」は、その名の通り、所定の乗車券・指定席特急券の半額で、「こだま」と一部「ひかり」の指定列車指定席に乗れるきっぷです。金土、休日にのみ利用可能で、発売は、3日前~前日まで、列車指定ですが、乗り遅れ時の救済はあります。

 9月末から発売開始でしたが、発売の発表がなされたのは、直前でした。商品名からもわかる通り、あまりに乗客が減ってどうしようもないから、急に決めて、急造成したのでしょう。当初は、9月いっぱいまでしか発売期間は明示されていませんんでしたが、その後、年内に延長され、先日、3月28日まで再度延長されました。1月以降は、福山発着など、設定区間が増えています。

 新大阪岡山、広島間などは、日本旅行の旅行商品(バリ得など)で、往復こだま指定席のプランが発売されており、新神戸岡山間であれば、4600円ほど(発売会社により若干異なる)なので、往復するのであれば、こちらの方がお得です。

 2週間前の週末、高知へ行ったとき、神戸の実家へ寄り道をするため、岡山→新神戸で、直前割50を使おうと思っていました。予約は3日前からですが、すっかり忘れていて、e5489を開いたのは、3日前の夜でした。乗車予定の岡山1957発の直前割は満席表示で取れず、やむなく次の1時間後のにしました。本当に満席(発売枚数に達していた)だったのか、時間が良いから設定がないのかはわかりません。

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 岡山駅できっぷを受け取って、構内の駅そばをすすって、新幹線ホームにあがり、東京行き最終ののぞみ64号が、がら空きで発車していくのを見ていました。11月末から、また旅行客は激減しています。

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 700系が来るとばかり思っていましたが、500系でした。車内に入って、何気なく券面を眺めていると、「が必要です(自由席の乗車はできません)」という意味不明な文言が目に付きました。恐らく指定列車乗り遅れ時の注意書きなのでしょうが、これではさっぱりわかりません。JR西日本のおでかけネットを見てみると、次のように記載されています。

「【指定列車に乗り遅れた場合】

別途乗車区間に対する指定席特急券等の購入が必要です(自由席の乗車はできません)。

自由席に乗車される場合でも、自由席特急券の購入が必要です。」

 自由席の乗車はできない、としておきながら、自由席特急券を購入すれば、自由席に乗車できるようです。これも意味不明です。要するに、指定列車以外を利用する場合は、別途特急券が必要、ということなのでしょうが。ちなみに、指定列車の発車時刻より前の列車に乗車する場合も同様の注意書きがあります。

 このあたりから察するに、指定列車に乗り遅れ時は、指定席特急券「が必要です」と記載するつもりだったのだと思います。

 この消された文言があったと思われる場所には、赤文字で、指定券発行済みの表記があり、被る部分の記載を消したのだと推測できます。実際、9月発売分は、きちんと文言が記載されていたそうです。

 1月以降は、3駅以内かつ120km以内の区間相互間で自由席に乗車できる「新幹線 近トク1・2・3」が発売開始されます。のぞみ号も利用できるので、区間によって使い分けようと思っています。

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 大晦日になりました。今年は新型コロナに翻弄された世相でしたが、GoToトラベル事業等の恩恵を受け、北海道滞在計23日間(計7回)、九州3回、新潟庄内4回、ANA搭乗回数23回(内1回はJAL振替)など、例年になく、動き回った年になりました。観光運輸業界が大きな打撃を受けているのは非常に悲しいことですが。

 今は紅白を見ながらこの記事を書いていますが、来年は平和な年であってほしいものです。

 今年もお付き合いいただき有難うございました。それではよいお年を。

 

 

2020年12月20日 (日)

JR四国 地域共通クーポンきっぷ

 JR各社で、GoToトラベル事業の地域共通クーポンで購入できる商品が発売されていますが、大半は、フリーきっぷです。その中で、JR四国は、フリーきっぷはなく、普通乗車券、特急券などを4割引にした企画乗車券類を発売しています。

 乗車券は、片道、往復、連続の全てで、料金券もグリーン料金を含め、全て割引(ただし寝台券を除く)になります。なお、乗り継ぎ割引等、他の割引を適用した乗車券類との併用、並びに、定期券などとの併用はできず、購入後の払戻は不可です。変更不可とは書かれていないので、乗車変更は可能かもしれません。しかし、利用可能エリアかどうかは、購入時にしか判断できないので、趣旨を逸脱した利用ができてしまうことになりますので、そもそも変更は不可なのかもしれません。

 発売範囲は、JR四国管内全線と土佐くろしお鉄道連絡ですが、地域共通クーポンの利用可能エリア内になります。徳島県、愛媛県は、他の四国3県全てと隣接しているので、これらの県を目的地とした旅行の場合は、利用範囲の制限はなくなります。

 購入の際は、1枚以上の地域共通クーポンが必要です。ただし、例によって、紙クーポンのみです。額面以上のクーポンは使えず、併用できるのは現金のみです。

 先週の金曜日に羽田発高知行きのJAL便で飛び、高知市内に宿泊しました。旅行自体は、ANAのパックで予約していたので、地域共通クーポン5000円を宿で受け取ります。(ANA便が計画欠航したので、JALに振替ました。。。)ちなみに、高知県では、「高知観光リカバリーキャンペーン」を実施していて、指定の宿泊施設に宿泊すると、5000円を上限に、交通費の助成金を受け取ることができます。

 翌朝、高知駅のみどりの窓口で、地域共通クーポンを行使してきました。乗車券は、「高知→窪川」と「窪川→坪尻」の連続券で、料金券は、「窪川→阿波池田」の高知乗継指定席特急券です。

 高知県を目的地とした場合、香川県とは残念ながら隣接しておらず、徳島県の坪尻までが限界でした。坪尻から岡山まで別途購入して、そのまま多度津まで乗り通しています。

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 券面は、レール&レンタカーきっぷによく似ていて、「(企)571」の表記と、「払戻しできません(地域クーポン取扱)」の記載があります。後者の文言は、発売開始当初は、払戻しには制限がある旨の記載で、制限があるだけで払戻しができるかのような記載だったようです。高知乗継の指定席特急券には、この文言がありません。調べたところ、普通の特急券には記載があるようですので、単にスペースの問題だと思います。
2020_12120109 (「あしずり」窪川にて)
2020_12120111 (「しまんと」高知にて)
 4割も割り引いて大丈夫かな、と思わなくはないですが、鉄道は、乗客がいてもいなくてもどうせ走らせているので、割引きっぷだろうが、フリーきっぷだろうが乗ってくれれば、それだけでありがたい、という話をどこかで読みました。帰りに高知から乗った「しまんと6号」は、1両に5人ほどしか乗っていませんでした。もともと高松行きの「しまんと」は空いている印象ではありますが。

 

 

2020年11月23日 (月)

五能線フリーパス(地域共通クーポン取扱)

 前々回は、地域共通クーポンが使えるJR北海道の企画きっぷを紹介しましたが、JR東日本管内では、一部の既存フリーパスが買えるようになっています。北から順に購入可能商品を列挙すると、次のようになります。

盛岡支社管内:あおもりホリデーパス
       津軽フリーパス
       五能線フリーパス
       いわてホリデーパス

仙台支社管内:小さな旅ホリデー・パス
       仙台まるごとパス

秋田支社管内:津軽フリーパス
       五能線フリーパス

新潟支社管内:えちごワンデーパス
       えちごツーデーパス
       きらきら日本海パス

長野支社管内:信州ワンデーパス

水戸支社管内:ときわ路パス

東京支社管内:都区内パス
       東京フリーきっぷ

千葉支社管内:なし

横浜支社管内:なし

 地域共通クーポンの検索サイトで、1つ1つ洗い出していったので、漏れいているものもあるかもしれませんが、利用エリア内、かつ利用期間内で完結する商品のみに利用可能、という地域共通クーポンの利用要件に合致する、エリア内フリーパスに使える、という印象です。いずれも、紙クーポンのみ利用可能で、みどりの窓口のある駅であれば使えるようになっています。地域共通クーポン自体の発行、及び利用は10月1日からでしたが、JR東日本で使えるようになったのは、10月9日以降です。
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 また、地域共通クーポンの趣旨からして、「きらきら日本海パス」のように、新潟、山形両県にまたがる場合、新潟県のみが利用エリアに入っているクーポンでは、当該きっぷは買えないものと思われます。直接聞いたわけではないのですが。

 ちなみに、併用できるのは現金のみです。カードは駄目と言われました。額面以上のクーポンを利用できるかは不明です。地域共通クーポン自体は、「お釣りは出ません」としているだけなのですが、額面以上不可、としているところは結構あります。

 青森駅で、「五能線フリーパス」を購入すると、券面に駅名小印を捺されました。どうやら、この駅名小印の押印を以って、地域共通クーポンで購入した旨の表示にしているようです。地域共通クーポンで購入したきっぷは、払戻、及び変更のいずれも不可となります。本来、駅名小印は、券面の訂正等の際に用いるものなのですが、特に何らの記載を訂正することなく、押印しているので、他の使い方と見分けがつく、ということなのでしょう。

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2020_11080189 (五能線キハ40)
 不老ふ死温泉に行って、帰りは置き換え間近のキハ40系に乗ってきました。北海道を思わせる荒涼とした五能線沿線から乗ってくる人はおらず、鰺ヶ沢まで貸切でした。