カテゴリー「グリーン券」の15件の記事

2022年9月22日 (木)

在来線特急「かもめ」号グリーン車

 先ほど、長崎発着、最終の在来線特急「かもめ」号が、博多、長崎両駅を発車しました。運転時刻は次の通りです。

           博多        長崎
かもめ45号  2210 → 2400 
かもめ48号  2344 ← 2137

 博多発の「かもめ」号は、佐賀行きの101号がまだ残っているので、正確には、かもめ号の最終列車ではありませんが、長崎行きとしては最後です。下り長崎行き45号は、5分延で博多を出たそうです。

2022_08290426(長崎駅停車中の787系)
 散々書いてきたので、もう書きませんが、明日から新幹線「かもめ」号になります。先月乗り納めをしたとき、長崎行きは、885系の普通車に乗りましたが、せっかくなので、帰りは、787系のグリーン車にしてみました。肥前鹿島から用務客と思しき人が1人乗ってきたほかは、長崎から博多まで乗りとおしたオタクばかりで、DXグリーンと個室も埋まっていました。

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2022_08290431(長崎駅あれこれ)
2022_08290437(「特急かもめ」の表示)
 往路で眺めた有明海を再度眺め、肥前山口は通過して、博多に向かいました。ラストランの様子をTwitterで見ている限り、博多長崎両駅とも、予想していたほどの人出ではなかったような気もします。終着駅に着くのは、30分から1時間後ですが、最後まで何事もなく、走ってほしいものです。
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 ラストランと一番列車は単純に混んでいるので、避けているため、今日と明日は普通に家にいますが、来月末に、開業後の西九州新幹線に乗りたいと思っています。

 

 

 

2021年7月 5日 (月)

ムーン・ライト高知


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 2009(平成21)年まで、京都~高知間で快速「ムーン・ライト高知」が運転されていました。定期運転ではなく臨時列車で、お盆年末等の繁忙期にのみ設定されていました。運行開始は1989(平成元)年で、当初はもう少し運転日が多かったようです。

 列車は12系改造のグリーン車2両(座席車1両、カーペット車1両)と14系普通車1両の計3両で、多度津まで「ムーン・ライト松山」を併結して走っていました。松山の方も3両編成です。私が乗ったときはこの6両編成でしたが、更に前の2005年までは、下関行きの「ムーンライト山陽」も併結して岡山で分割していたそうです。列車の運転終了後、「ムーン・ライト高知」用の車両は、グリーン車の一部が若桜鉄道に譲渡され、隼駅に留置されているほか、座席車の14系は、東武鉄道へ行き、「SL大樹」として今も走っています。

2008_0815110001 (三ノ宮駅)
 深夜の三ノ宮からカーペット車両に乗り込み、寝ている間に瀬戸大橋を渡って、多度津の分割も知らないまま、目覚めると、大歩危小歩危の渓谷をゆっくり走っていました。夏の高知は快晴で、高架化されたホームに朝7時過ぎに着いて、とさでんに乗った記憶がありますが、保存しているきっぷによると、特急「しまんと1号」に乗り継いで、窪川から予土線へ向かったようです。

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2008_0815110003 (高知にて)
 車内の写真は、高知に着いて、窓越しに外から撮った1枚しかなく、今なら降車前に撮っておくのになあ、と惜しい気がします。

私が中高生だったころは、まだ客車列車の夜行快速が高知、松山、博多と走っていて、寝台列車も多くありました。京都向日町運転所の横を新快速で走ると、雑多な客車やジョイフルトレインが休んでいて、通るたびに目を凝らしていました。今では223系や221系、それに編成の整った特急車両ばかりになり、当時の楽しみは無くなってしまいました。

 

 

2021年2月 7日 (日)

普通列車用グリーン券で乗る特急「みどり」号

 平成30年3月のダイヤ改正時から、特急「みどり」の早岐佐世保間は、乗車券のみで自由席に乗れるようになりました。これは佐世保線の普通列車を早岐発着にした救済措置と思われます。特急列車の自由席に乗車券のみで乗車できる区間は、北海道内の石勝線、新夕張新得間、奥羽本線の新青森青森間などが既にあるりますが、これらの区間とは少し様相が異なります。これらの区間では、あくまでも乗車できるのは普通車の自由席のみで、指定席やグリーン車に乗車する場合は、運賃のほかに、特急券も必要です。

 その一方で、早岐佐世保間は、指定席に乗車する場合は、520円、グリーン車は770円(いずれも当時の価格)を別途支払えば、特急料金を収受されることなく乗車できます。これはJR九州のダイヤ改正告知時のPDFに明記してありました。

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 価格からしてこれは、指定席券、普通列車用グリーン券(Bグリーン券)の価格です。以前から気になってはいましたが、先日佐世保へ行った際、実際に試してみることにしました。上が実際のきっぷ券面です。

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 まず、JR九州ネット予約では、早岐佐世保間のみの予約はできませんでした。次に、えきねっとで試してみました。すると、普通に表示され、予約までできました。ちなみに、自由席は「あり」となっていますが、このまま予約を進めようとすると、エラーになり、「列車をご確認ください。」と表示されました。

2021_01240032(佐世保にて)
 結果として、普通列車用グリーン券をえきねっと発券し、佐世保から早岐まで、9分間のグリーン車を堪能してきました。早岐から先は、「みんなの九州きっぷ」の指定席利用でしたので、方向転換の停車時間の間に、普通車指定席へ移動しました。ちなみに、「みどり」は、783系専用編成の印象が強いですが、通勤通学輸送のためか、この「みどり6号」は、787系7両編成の輸送力列車でした。次の8号も783系8両編成のようでした。

 ここからは規則関係の話になります。早岐佐世保間、自由席は乗車券のみで、指定席、グリーン車はそれぞれ、指定席券、又はBグリーン券で乗車できる根拠はどこにあるのか旅客営業規則を参照してみました。

 すると、57条(急行券の発売)9項が該当でした。当該条項は、「急行列車と普通列車とが直通して運転する列車又は次の各号に掲げる一部区間を普通列車として運転する急行列車の指定席に、急行列車と普通列車を相互に連続して乗車する場合は、1個の列車とみなして、1枚の急行券を発売することがある。」との条文で、要するに、急行列車(特急列車)が、途中から普通列車として運転する場合、普通列車区間の指定席料金、グリーン料金は収受しない旨を定めたものです。

 本項4号において、特急「みどり」号が言及されています。引用すると、

 「早岐・佐世保間を普通列車として運転する特別急行列車みどり号。」

 と規定されています。

 ここまで条文を見たところで、今度は時刻表を開いてみます。交通新聞社のJR時刻表によると、特急「みどり」号は全て、早岐佐世保間も赤字、つまり特急列車として掲載されています。上の条文は、あくまでも、当該区間を「普通列車」として運転する特急「みどり」号についての規定ですので、時刻表上、早岐佐世保間を普通列車として運転する特別急行列車みどり号、というものは存在しないことになります。なお、この規定をもって、当該区間の特急「みどり」号が全て普通列車である、という命題は真にはなりえません。

 ちなみに、他号規定の、例えば、吉松人吉間「いさぶろう・しんぺい」号、博多吉塚間「かもめ」号は、、いずれも時刻表上においても、普通列車として掲載されています。「みどり」号と、宮崎宮崎空港間の「にちりん」号等が、よくわからない状態になっています。

 旅客の見られない内規で、当該区間を走行するこれらの特急列車は普通列車とみなす、という規定があるのだと思っていますので、この部分についての考察はここまでにしておきます。要するに、早岐佐世保間の特急「みどり」号は、普通列車扱いですので、指定席、グリーン車に乗車する場合は、指定席券、Bグリーン券が必要、ということです。   

 

 もう1つ、787系には、DXグリーンと、グリーン個室があります。グリーン車に乗れるのであれば、DXグリーンに乗りたくなりました。そこで規定類をもう一度見てみます。

 仮に乗れるとすれば、普通列車グリーン券でDXグリーンに乗れるのか、ということになりますが、グリーン車とDXグリーンは、料金が異なります。さて、どうなるのか。

 この論点は案外簡単に解決しました。結論から言うと、乗れません。理由は、普通列車のDXグリーン料金、という概念が存在しないからです。

 普通列車用グリーン料金(Bグリーン料金)は、130条2項に定められています。同条は、グリーン「料金」に関する規定ですが、急行列車の場合は、Aグリーン料金、普通列車はBグリーン料金が必要とする旨は、別途58条に規定があります。ここで重要なのは、Aグリーン料金は、急行列車にのみ通用するグリーン料金である、という点です。

 DXグリーン料金は、130条1項のAグリーン料金の中の1つとして定められています。具体的には、ニ号の「c DXグリーンに対して適用する特別車両料金(A)」として規定されています。同条2項のBグリーン券規定に、例えば、「DXグリーンに対して適用する特別車両料金(B)」というようなものはありません。

 つまり、DXグリーン料金は、Aグリーン料金しかありません。よって、急行列車に乗車する場合にしか適用できない料金で、普通列車のDXグリーン料金という概念は存在しないことが立証できました。

 ちなみに、グリーン個室も同様です。

 よって、早岐佐世保間を普通列車として運転する特別急行列車「みどり」号のDXグリーンには乗れないことになります。では、特急料金を払えば乗れるのか、とも思いましたが、当該区間はあくまで普通列車ですので、これまた特急料金という概念が存在しません。ですので、どうがんばっても早岐佐世保間のみで、DXグリーンには乗れませんでした。

 

 

2021年1月17日 (日)

時代の夜明けものがたり 立志の抄

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 JR四国の観光列車「志国高知 時代の夜明けものがたり」は、去年の7月4日から、高知~窪川間で運行されています。坂本龍馬が土佐を脱藩したルートを走ることから、こう命名されたそうです。当初予定では、4月運行開始でしたが、緊急事態宣言の発出等による旅客減少が見込まれたこと等から、7月まで運休とされていました。

 車両はキハ185系2両編成で、2両ともグリーン車指定席扱いです。窪川方の1号車は「KUROHUNE」の愛称が付けられ、青を基調としたデザイン、2号車「SORAHUNE」は、白を基調としたデザインです。1号車の車両も内装は、幕末の蒸気船、2号車は、宇宙船をイメージしたものとなっています。窪川行きは、「立志の抄」、高知行きは、「開花の抄」という列車名です。

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 JR四国の他の観光列車同様、車内で食事をいただくことができます。窪川行きは、高知県の皿鉢料理をイメージし、高知行きは、木箱のお弁当です。

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 昨年12月に窪川行きに乗りました。指定券は、ネット予約非対応だったので、また実家の母に頼んで、10時打ちに参戦してもらいました。すぐに満席になったそうです。食事予約券は、東日本の窓口で買いました。イベント券扱いのようです。窓口氏が、2人で珍しそうに発券してくれました。

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2020_12120075 (2号車車内)
 食事を楽しむことが主目的の1つの列車ですので、高知の発車は、1204と遅めです。朝起きて、暇だったので、とさでんで伊野に行ったりしていました。
2020_12120072 (仁淀川)
 昨今の状勢を受けて、乗車前に検温と消毒をしてから車内に入ります。私の席は2号車です。車内のイメージ画像を見たとき、2号車の方が好みだな、と思っていました。席は窓向きに固定されています。構造を見た限り、テーブルを中央に寄せて、対面にもできそうです。席は山側でしたが、土讃線のこの区間は、須崎と安和駅付近の一部を除いて海は見えないので、どちらでもいいです。

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2020_12120060 (皿鉢料理)
 発車してしばらくすると、食事予約券を回収され、ほどなく、皿鉢料理が届きました。5000円と少しお高い気もしますが、内容は満足です。フォカッチャと珈琲が付いています。

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2020_12120087 (安和にて)
 伊野など、交換待ちやらで結構な数の運転停車がありますが、ドアは開きません。地元の方が出迎えに来てくれていたりするので、ドアを開けて物産展でもやればいいのに、と思っていました太平洋に近い安和駅ではドアが開き、駅前の広場で物産展をやっています。スタンプもありました。

 列車は土佐久礼と窪川でのみ降車できます。私は窪川まで行きました

 

 

 

2021年1月13日 (水)

アンパンマントロッコ四国一周 高松・観音寺

2020_09280056 (伊予土居にて)
 アンパンマンの原作者が高知県出身であることにちなみ、JR四国各線にアンパンマン列車が走っていますが、2000年に登場して以来、昨年で20周年だったそうです。最初に登場したのは、土讃線の2000系気動車で、特急「南風」等で運用されていました。その後、8000系の「しおかぜ」、キクハ32形の「アンパンマントロッコ」などが登場し、今に至っています。

 20周年を記念して、普段は、瀬戸大橋を往復している「アンパンマントロッコ」が、四国をぐるりと一周する企画が実施されました。昨年の9月28日からおよそ1週間かけて、高松→松山→宇和島→高知→阿波池田→徳島→鳴門→阿南→徳島→高松、とほぼ四国全線を走りました。

 驚いたことに、旅行商品だけでなく、一般発売がされました。ただし、運転区間が細切れに設定されており、例えば、予土線区間だけでも、宇和島、松丸、江川崎、窪川で区切られ、都合3列車の扱いになっています。通しにすると、全区間で指定を取られ、乗車できる人数が結果として減ってしまうためだと思われます。それに、アンパンマン列車は、小学生以下(かどうかは知りませんが。)の小さな子供を対象にした列車(←ここ重要です)ですので、そんなに長時間乗ってられない、ということも理由だと思います。

 昨年の9月末から10月初旬にかけて、長期休暇で実家に帰っていた私は、ふと時刻表を見ていて、この一連の列車の運転を知りました。平日が多いですが、休みなので、あまり関係ありません。あまり深入りすると、神戸から日帰りできなくなるので、香川県、愛媛県内の手頃な区間で乗ることにしました。問題は指定が取れるかどうかでしたが、インターネット予約非対応だったため、とりあえず激戦が予想された高松→観音寺は避けて、次の、観音寺→新居浜で、JR西日本の電話予約センターに聞いてみました。すると、どこがいいですか?などと言っていて、楽に取れました。

 そうすると、高松から乗りたくなったので、豊田駅の窓口へ行き、空席を照会してみると、これまた窓側通路側どこがいいですか、とマルス画面をこちらに向けてくれました。ボックス1つ空いているところがあったので、そこにしました。今出川さん によると 、高松発は、発売後瞬殺されたようですが、直前のこの日に見た限り、10席ほど空いてました。ツアーの戻しかもしれません。

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2020_09280013 (高松にて)
 当日、快速マリンライナーで瀬戸大橋を渡り、高松に来ました。「アンパンマントロッコ」のキクハ32形、キハ185系の2両に加え、通常四国色のキハ185系が空転防止兼職員控車両として増結され、計3両編成で入線してきました。ヘッドマークも「四国一周号」専用mのものが用意されています。

 JR四国の職員も横断幕を持ってホームに登場し、テレビカメラも入っています。…ところが、肝心のお子様が全くいません。いるのは、大きなカメラを持ったマニアばかりです。テレビ局も職員も手持ち無沙汰にしていました。。。そんな中、1組だけ、子供を連れたご夫婦が来ました。横断幕を持って駆け寄り、テレビカメラとリポーターが必死に取材交渉をしています。OKが出たようで、トロッコ車両の前に移動して、インタビュー開始。これ以降、子供が来ることはありませんでした。帰りに小豆島のフェリー待合室で見たテレビには、この子供連れがきっちり映っていました。

 トロッコ乗車区間は宇多津からなので、キハ185系に乗ります。車内は当然アンパンマン一色で、放送もアンパンマンの担当ですが、乗っているのはもちろん、マニアばかりです。なんとか系がどうのこうの、とか、新居浜今治間だけ指定取れなかったから、しおかぜ何号で先回りして今治からまた乗る、と言っているバースデーきっぷ旅行者とか、そういう会話が聞こえてきます。添乗職員と、唯一の子供連れが、結構引いてました。。

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2020_09280030 (車内)
 それはともかく、私は、新居浜まで乗り通します。トロッコ乗車区間は、宇多津から新居浜です。今日は天気も良いので、観音寺までは、瀬戸内海がよく見えました。観音寺で、列車名が変わります。マニア御一行は、半分ほどが降り、本来のお客様が乗ってきました。

2020_09280028 (晴れの瀬戸内海)
 時刻表上では、新居浜まで無停車ですが、伊予土居で運転停車したときは、ドアが開き、ホームに降りられました。他の運転停車駅でもドアを開けている駅がいくつかありました。伊予土居の次の関川でも対向の普通列車と交換待ちで停車しましたが、副本線にしかホームがなく、こちらは本線で停車し、もちろんドアは開きませんでしたが、近くの幼稚園(保育園かもしれません)の子どもが先生に連れられて、ホームで見学していました。

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 新居浜到着後は、9分後の特急「しおかぜ」で折り返しました。で、きっぷですが、列車名が「アンパンマントロッコ四国一周〇〇」(〇〇は始発駅名)と長いので、券面は、「アンパンマン高松」「アンパンマン観音寺」と略されています。高松から新居浜まで偶然同じ席でした。

 

 

2020年10月19日 (月)

マリン・パノラマ

2020_09280005 (岡山にて)
 瀬戸大橋を渡る快速「マリンライナー」には、2階建てのグリーン車、普通車指定席合造車があります。JR他社であれば、クロハ223とかにでもなるところ、JR四国は、4桁の私鉄風の形式ですので、カタカナは付かず、223系と全く同じ5000系です。普通車は223系そのものですが、グリーン車はJR東日本のE217系グリーン車を参考に作ったようで、車内もそれによく似ています。このグリーン車は、1階部分が普通車指定席、2階と運転士後ろの1列がグリーン車になっています。

21600005 (「マリン・パノラマ」)
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 このうち、運転士後ろの1列については、以前は「マリン・パノラマ」として別列車扱いでしたが、今年の8月1日から、2階席と同じ扱いになり、「パノラマ」の名称は、マルス上の列車名として消滅しました。

_190924_0085 (瀬戸大橋)
 マリンライナーに乗るときは、いつもギリギリに指定を取るので、なかなかD席を取れることがないのですが、運転士背後のAB席は1段高くなっているなど、どこに座っても眺望は良いです。

 

 

 

2019年12月15日 (日)

ラ・マルことひら

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 2016年4月の岡山DCにあわせて、213系2両を改造した観光列車が誕生しました。最近のJR西日本で流行っているフランス語の愛称で「La malle de Bois」(旅するかばん)と名付けられました。全車グリーン車指定席扱いで、岡山~宇野間の「ラ・マルせとうち」として走り始めました。

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 現在は、曜日によって以下のように運行されています。

 土曜日 岡山~宇野 「ラ・マルせとうち」
 日曜日 岡山~尾道 「ラ・マルしまなみ」
 祝日   岡山~琴平 「ラ・マルことひら」

 この列車の車内には、サイクリング用の自転車をそのまま積み込めることが売りにされており、岡山駅のホームには、自転車を組み立てるスペースが設けられています。しかし、岡山駅の改札を通るときは輪行用の袋に収納しておかねばならず、また、しまなみ海道サイクリングで有名な尾道からの上り列車では、解体したまま持ち込まねばならないなど、制約は多いです。

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_190924_0027_20191215145301 (カウンター席のiPad)
 車内は、山陽本線基準で海側がカウンター席とされ、山側はリクライニングシートが並んでいます。自転車固定スペースは、運転士後ろのデッキにあります。

 また、カウンター席には、iPadが置いてあり、沿線の観光案内等が見られます。車内Wi-fiを使って普通にインターネットに接続しているので、URLを直打ちすれば、別のページにも行けるかもしれません。やってないのでわかりませんが。観光案内は結構充実していました。

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 9月の祝日に琴平行きに乗りました。この列車が瀬戸大橋を渡るのは、祝日限定の琴平行きのみです。213系は元々、快速「マリンライナー」用として登場しています。

 台風一過の朝だったこともあるのか、車内は閑散としていました。私はカウンター席にしました。こうした観光列車には珍しく、e5489で予約時に座席表から座席を指定できました。

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 宇野行き、尾道行きは乗車時間がともに1時間弱ですが、琴平行きは2時間ほどあります。車内では、岡山のタルトか、ばら寿司の食事が楽しめるプランがあります。ともに事前予約のみで、タルトを申し込んでいました。窓口等での発売はなく、製造元のケーキ屋さんに直接申し込む方式です。

 ネット予約ができたので、そこから申し込み、支払いは、「当日支払い」を選択しました。そうすると、翌日電話がかかってきて、乗車列車の確認をされ、そのときに、「お支払いは店舗でお願いします」と言われました。車内での支払いはできない、と言っていました。

 それで、当日岡山駅構内の店舗に行きました。発車が1011で、開店は10時でした。全速力で支払いを済ませて乗り込みました。ですが、電話がかかってこなければ、当然、支払いは車内だと思い、なにもせずに乗り込んでいたと思います。せめてネット決済対応にしてほしいものです。

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 乗車してから、カウンターで予約番号を伝えて、タルトの箱を受け取りました。予約していたのは私一人だったようです。支払いの有無は聞かれなかったので、もし支払わずに乗り込んでいたらどうなったのかは少々気になります。

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 それはともかく、5個入りのミニタルトはおいしかったです。瀬戸大橋に差し掛かる前に食べ終わってしまいました。茶屋町での停車時間を利用して、ホームでクイズ大会をしていました。参加者は全乗客10名ほどでしたが。景品もあります。地元の子ども連れが当てていました。

_190924_0038_20191215145301 (瀬戸大橋)
 瀬戸大橋は徐行しながら渡りました。強風の影響とかではなく、通常速度のようです。

_190924_0051 (琴平駅)
 多度津から琴平まで30分かかるので、どこかで運転停車かと思いましたが、善通寺で15分ほど停まっていました。終点の琴平には1200丁度の到着です。これから金刀比羅宮参拝、と行きたいところですが、あいにく今日は時間がないのでまたいずれ。

 

2019年2月13日 (水)

ホームライナー中津川

  中央西線名古屋口の「ホームライナー」について、グリーン車の設定がある列車のグリーン券は全国のマルス設置駅で購入できる、という記事を紹介したことがありますが、今回はその続編です。

 

 ホームライナーのライナー券(グリーン車を含む)は、発車番線のホーム上自動券売機、又は乗車駅の改札外にある券売機で購入することができます。普通車のライナー券に関しては、ここでしか発売していないので、割当座席の管理もこの券売機相互間でのみ行なえば事足ります。

 

 しかしながら、グリーン車については、マルスにも口座があるため、重複する恐れがあります。そこで、当該重複を避けるため、マルス発売分と駅での発売分の2つに分けて管理がなされているようです。どこまでがマルス管理なのかはわかりませんが、2、3列分に過ぎない、という話を聞いたことがあります。
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 マルス発売分以外は、自動券売機のほうで座席管理を行なっているようで、普通車ライナー券を購入できる券売機であれば、「グリーン席」のボタンを押すだけで、グリーン券が出て来ます。このグリーン券は、オレンジ色に地紋の入った、ごく普通の券紙ですが、85mm券で出てきます。

 

 そのレイアウトも独特で、マルス発券のものに似せようとはしていますが、到着時刻が書いてなかったり、文字のフォントが違っていたりします。
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 仕事を終えて、品川駅に直行し、「のぞみ」で名古屋入りした私は、中央西線のホームに上がって、ホーム上の券売機でグリーン券を購入しました。名古屋2058発の「ホームライナー中津川21号」は、特急「しなの」の折返しなので、383系のグリーン車付の列車です。グリーン車は、3割程度の乗車率でした。

 

 

2018年11月11日 (日)

ホームライナー瑞浪

 中央西線の名古屋近郊は、東京の中央快速線と似て、乗客の多い区間です。東海道本線の快速列車系統が最長8両編成なのに対し、中央西線の快速電車は、211系オールロング10両編成などといった輸送力列車が多数運転されています。

 その中央西線には、着席定員制のホームライナーが運転されています。朝の上りが「多治見」2本(多治見始発)、「瑞浪」1本(瑞浪始発)、夕方から夜にかけて「瑞浪」3本、「中津川」(中津川行き)2本が、この順番で走っています。夕方の「瑞浪」3本は、もともと「セントラルライナー」に使われていた313系8000番台の6両編成、それ以外は383系での運転です。383系列車は、特急「しなの」の間合い運用のため、「しなの」の編成両数にあわせて編成は変化しますが、8両でも10両でも、増結車両は締切の回送扱いとし、6両で営業しています。

 313系使用列車については、全車両普通車ですが、383系の列車には、グリーン車が付いており、締切でも普通車扱いでもなく、グリーン車として営業をしています。このグリーン車は、首都圏の「湘南ライナー」などとは異なり、グリーン指定席です。乗車するには、グリーン「指定券」が必要となります。

 東京の中央快速線を走る「中央・青梅ライナー」にもグリーン車指定席がついていますが、こちらは、普通列車用グリーン券(通称「Bグリーン」)料金ではなく、720円のライナー料金とされ、発売駅も普通車と同じく、乗車可能駅に限定されています。時刻表にもその旨の記載があります。

 その一方で、JR東海のホームライナーのグリーン車には、そのような記載はありません。そうすると、通常のBグリーン料金が適用されると考えるのが妥当です。

 その次に、発売駅はどこか、という疑問が湧いてきました。普通に考えれば、ホームライナーなのだから、停車駅に限られるのではないか、と考えられます。

 しかし、①通常の普通列車用グリーン券であること、②指定席であること、を考えると、普通車の乗車整理券とは違って、マルスに収容されているのではないか、と思いました。すると、停車駅だけでなく、全国のみどりの窓口で買えることになります。その一方、ライナー列車という、いわば特殊列車であることから、JR東海では買えても、たとえば首都圏で購入しようとすると、なんらかの制限がかかっているのではないか、とも思いました。

 そこで、7月下旬に首都圏で試してみることにしました。8月初旬に、瑞浪0845発→名古屋0929着の「ホームライナー瑞浪2号」に乗ることとし、まずは、指定席券売機の時刻検索で、「瑞浪→名古屋」、出発時刻「8時45分」を指定しましたが、「ホームライナー瑞浪2号」は候補に出て来ませんでした。ここまではある程度想定の範囲内です。
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 その次に、窓口に行きました。申込書に記入して、窓口氏に渡すと、「自由席グリーン券でよろしいですか」と聞かれました。首都圏の湘南ライナーはそうなので、これも自由席だと思ったのでしょう。私が「指定席で」と言うと、列車名の検索を始めました。「ホ」で検索をかけると、グリーン車のある、名古屋圏のホームライナー列車が全て出てきました。その中から「瑞浪」を選択し、発信ボタンを押すと、いとも容易く出て来ました。
2018_08040007(瑞浪にて)

 よって、普通にマルス収容されており、全国どこでも買えるようです。

 瑞浪から名古屋まで実際に乗りました。きっぷ券面の列車名は、「(ホ)瑞 浪」となっており、これまた、めずらしい表記です。この日は10両編成で、前4両は回送扱いです。グリーン車の乗客はさほどおらず、終点の名古屋まで快適に過ごせました。名古屋到着後は、一旦留置線に引き上げて、折り返し特急「しなの」になるようです。

 ホームライナーのグリーン車には、もう一種類、興味深いきっぷがあるので、それは追い追い紹介したいと思います。

2018年3月 1日 (木)

快速「お座敷外房」(ニューなのはな)

 千葉県内を中心に使われていたお座敷電車「ニューなのはな」は、平成28年7月限りで引退しました。「ニュー」とついていることからもわかる通り、初代「なのはな」が存在します。初代「なのはな」は、165系急行電車を改造した車両で、3+3の6両編成を組んでいました。この車両は国鉄初のお座敷電車で、1998年まで活躍していました。この後継車両として、同年、交流区間も走れる485系の「ニューなのはな」が登場しました。485系を名乗ってはいますが、これは走行機器類に同系のものを使っているためで、車体は、新製です。同時期に登場した「宴」「華」「やまなみ」「せせらぎ」とほぼ同じ外観です。
2016_07030680(安房鴨川にて)

 「ニューなのはな」が、他のお座敷車両と異なる点は、お座敷と座席の両方に転換できる設備を持っていることです。お座敷の時は、掘りごたつになり、座席の時は、4人掛けボックスシートになります。ボックスシートの背もたれ部分に、パネル状の畳が貼ってあり、座席の上に倒して、フルフラットにするような構造になっているそうです。
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 千葉県内や中央東線のお座敷列車などで運転され、内房線の「リゾートあわトレイン」として運行していたこともありました。今回の引退記念列車は、新宿発着で、館山、安房鴨川、銚子へ向かう3方面の列車で、それぞれ、お座敷内房、お座敷外房、お座敷水郷として運転されました。これまでは、5月のGWを中心に、これらの列車は運行されていました。団体専用ではなく、一般枠の発売もある臨時列車として運転されましたので、普通列車用グリーン券を買えば、乗車可能でした。
2016_07030634(仁右衛門島に行っていました。。

 私は、安房鴨川発新宿行きの快速「お座敷外房」に乗車しました。安房鴨川駅にはマニアとおぼしき人達が結構いて、乗り込むと一様に車内の写真を撮っていました。私もその一人ですが、、、

お座敷列車は快適です。途中の大原で、ドアを開けての長時間停車がありました。大原を出ると、次は千葉まで停まりませんが、茂原で、ドアを開けず、大分長い間停車していました。
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 満席との案内でしたが、実際にはそんなことはなく、半分強の乗車率でした。鉄道マニアに加えて、一般の親子連れなども乗っていました。日帰りでちょっとお出かけするには丁度よい距離ですし。外房線は、内房線とちがって、海の見える区間はそこまで多くありません。東京へ通勤する人たちのベッドタウンが広がっている、という印象です。勝浦始発、京葉線経由の通勤快速東京行きなどという電車が毎日運転されていたりします。

 千葉に到着してからは、外房線各駅で乗り込んで来た乗客がぽつぽつ降りて行き、それと入れ替わりで、新たに乗り込んで来て、ちょっとだけ乗ってみる、という感じの人が、総武快速線内の駅から乗って来たりもしました。

 安房鴨川を出てから、およそ3時間で東京都心部へ入り、中央線を走ると、終点の新宿です。

 「ニューなのはな」の後継となるお座敷電車は導入されていません。お座敷電車を走らせるのであれば、近隣から借りてくればいいですし。代わりに自転車を積込める「B.B.BASE」という、209系改造の列車が毎週末に、館山、安房鴨川、銚子方面へ走っています。