カテゴリー「指定席券」の41件の記事

2022年8月13日 (土)

袋井風鈴まつり号

 JR東海のさわやかウォーキング参加者輸送の臨時列車は快速「さわやかウォーキング」という名前がほとんどですが、6月4日に袋井市で開催されたときは、「袋井風鈴まつり号」という名前で運転されました。袋井市で、遠州三山風鈴まつり、というのが開催されているからです。川越の氷川神社がおそらく一番有名ですが、寺社の境内に風鈴をたくさん吊って、集客を図るイベントです。インスタ映えねらいの人たちがやって来ます。

2022_06040006(沼津にて)
2022_06040017(車内の百合と風鈴)
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 さて、「袋井風鈴まつり号」は三島発袋井行きの片道運転でした。朝が早いので前日に沼津入りして駅前に泊まっていました。沼津から乗る人も結構多く、さわやかウォーキング参加者とオタクが半々くらいでした。普通に373系3両編成ですが、さわやかウォーキングの目的地である袋井市の「可睡斎」というお寺では、百合園があって、丁度見ごろらしいです。それにちなんで、車内のコンパートメントには、百合の鉢植えと風鈴が吊ってありました。この列車に乗ってさわやかウォーキングに参加すると、ゴールで、百合の鉢植えがもらえます。2022_06040027(搬出された百合)
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 静岡を出て記念乗車証と百合鉢植え引換券が配られました。記念乗車証はD型硬券でなかなか良いデザインでした。

2022_06040078(可睡斎の風鈴まつり)
2022_06040092(百合園)
 袋井に到着すると、車内から百合を降ろしていました。さわやかウォーキングをします。たぶん初参加です。歩行距離は約9kmです。これくらいなら余裕です。「可睡斎」の風鈴は綺麗でした。隣の百合園も見学して、駅に戻ります。梅雨時ですが晴れていて暑かったです。

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 駅のゴールで鉢植えをもらいました。このときもらった白い百合は、家のべランダで今も元気に育っています。球根なので、数年は花を咲かせてくれると思います。

 

 

2021年9月16日 (木)

新快速Aシート指定席

 2019年3月16日のダイヤ改正により、新快速に有料座席「Aシート」が登場しました。223系1000番台4両編成の下り方先頭車両を改装し、車内はリクライニングシート、中間扉は埋め込み、ドアと客室に仕切りを設けたものです。外装は、Aシート車両とわかるように、青色の帯を巻いています。2両が改造され、同日以降、1日2往復の運用に就いています。

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2021_08010009 (草津にて)
 乗車には500円の乗車整理券が必要で、事前購入はできず、乗車後、車内で車掌から購入します。満席の場合は、デッキで立ち、空席が出れば500円を払って座ることができます。立っているのであれば乗車整理券は不要です。

 Aシート連結列車の運転区間は、網干~野洲間で、それ以外の区間には行きません。1年半ほどこの形態で運転されていましたが、昨年の12月から、一部が指定席になりました。一応指定席の設置は期間限定ですが、現在まで継続して延長されています。指定席料金は840円ですが、チケットレスを使えば、600円になります。指定席設置の理由は定かではありませんが、おそらく乗るまで座れるかどうかわからないのであれば、Aシートにわざわざ乗る理由がない、というところだと思います。首都圏の普通列車グリーン車と似た方式ではありますが、首都圏グリーン車は全列車にグリーン車がありますので、座れそうになければ次の列車、ということができます。新快速Aシートは、1日2往復なので、それができません。

2021_08010011(Aシート車内)
 ちなみに京阪神の快速電車にもグリーン車が1両連結されていた時代があります。1961年から80年までですが、最初から乗車率は低かったそうで、117系新快速の運転開始とともに廃止されています。

 今年の7月から指定席の座席数が、それまでの12席から20席に増え、「新快速(A)3号」(野洲発夜の下り列車)は、チケットレスが450円に値下げされました。京都大阪の発時刻が土休日で20時前後、平日は21時半過ぎと遅く、利用が少なかったのだと思います。

 乗ろう乗ろうと思いつつ、運転時間が微妙で全く乗っていませんでしたが、先々月末に乗ってきました。東京からの新幹線を京都で降り、草津へ引き返して、夜の3号に乗りました。チケットレスを発券すると、なぜか120mmの本体券と指のみ券になりました。600円チケットレスの本体券は85mm券なので、値段が違うから120mmなのでしょうか。謎ですが、自動改札に入れるものではなく、そもそもチケットレスなので発券するものですらないので、特に困ることはありません。趣味的には面白いですが。

 列車名は、「新快速(A)3号」と結構適当です。期間限定のつもりだからでしょう。

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 野洲か守山から乗ってきた人は数人だけでした。車内は683系と同様のリクライニングシートです。指定券を持っている場合の検札は省略されるようです。京都と大阪で若干乗ってきて、三ノ宮で降りる直前には、窓側が4割ほど埋まっていました。

 乗ってみた感想ですが、わざわざ500円払って座れる保証のないAシートに乗る必要性はほぼ感じませんでした。指定席を取ったとしても15分毎(ラッシュ時ピークは大阪始発が増えます)に来る新快速の特定列車を待つ、という行為がただ面倒です。高校生のとき塾の帰りに、大阪から三ノ宮まで新快速を使っていましたが、座席争奪戦にはなるものの、がんばれば座れます。転換クロスなので、そこそこ快適です。JR西日本としては利用状況を見て、全列車への展開を考えていたのでしょうが、2年近く経って増える気配もないですし、そもそも223系4両編成は、新快速だけでなく、快速や湖西線、草津線でも普通に使っています。末端区間は4両単独で走ります。それらの列車にAシートを連結するかと言われれば、快速はともかく、その他は否でしょう。致命的なのは、運転本数が少ないにもかかわらず、着席保証がない点です。ここを改善すれば、常に混んでいる新快速ですから、車両を改造せずとも、300円くらいなら払う人はいると思います。立ち席エリアに立っている限り乗車整理券は要らず、別に着席するつもりがなく立ち席エリアにいても特に咎められることもないので、その他の混み合う車両を嫌って、わざわざAシート車両に立っている人が、着席している人と同じかそれ以上いました。他人のことは言えませんが、頭の回る関西人です。せっかく改造したAシート車両ですが、この先このサービスが展開されることはないと思っています。

 

 

2021年6月15日 (火)

桜海里

 上越市(旧高田市)の高田城は、夜桜で有名な桜の名所です。夜桜鑑賞に便利な臨時の快速列車「高田お花見号」が運行されていて、485系から「いなほ」E653系に変わって今も運転されています。

 この列車は以前からありましたが、「海里」が誕生してから、昨年、初めて快速「桜海里」が設定されました。土休日は、「海里」が庄内方面へ行くためか、水曜日2回の設定です。しかしながら、昨年は新型コロナの影響で運休とされました。

2021_04070064 (高田にて)
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2021_04070044 (新潟にて)
 今年も設定され、いつもは金曜日か月曜日にしか有給を取らない私が、週まん中の水曜日に1日だけ怪しい休暇を取得して乗ってきました。指定席券は、平日とはいえ激戦区となることが予想されたので、0530のえきねっと事前受付で、50番の順番で往復ともに仕込んでいましたが、当てにはできないので、10時打ちを決行することにしました。1ヶ月前はの3月7日は、日曜日です。ちょうどそのときは長期休暇を取って北海道にいました。朝少し早く旭川の常宿を出て、「ライラック」で深川に降り立ちました。ここで10時打ちをお願いします。なお、高田は、えちごトキめき鉄道に移管されているため、「桜海里」の指定席券は、当該鉄道と連絡運輸のある会社でしか発券できませんが、JR北海道は設定があります。

 深川は、申込書を当日の朝から預かってくれるようで、申込書を預けて、10時前に窓口へ行きました。なお、来駅は必須だそうです。よく見ると、掲示がありました。一旦、窓口を締切にして、時報とともに、打ってくれました。往路の高田行きは取れましたが、復路はダメでした。あとでえきねっとを見ると、復路は、コンパートメントが取れていましたので、往復とも乗車確定です。ちなみに、10時打ちをしたあとは、深名線代替バスで、幌加内から名寄に行っていました。乗客は名寄まで私だけでした。

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 怪しい有給の前日、新幹線で新潟へ行き、越後線の駅を少しめぐったあと、新潟から「桜海里」に乗りました。ツアー団体が半分を占め、それ以外にも普通の観光客が多い印象です。いつもは羽越本線を走る「海里」は、羽越線基準で海側にコンパートメントや、フリースペースの大窓が来るようになっていて、信越線内では逆側になっていました。
2021_04070061 (青海川駅を通過)
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2021_04070120 (高田百万人観桜会)
 高田に着き、高田城へ行きましたが、今年は暖かくなるのが早く、4月7日時点で桜は散り始めていました。夜桜まで見たかったのですが、真っ暗になるまでいては帰りの「桜海里」に乗れなくなるので、ぎりぎりまで粘って撤収です。

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2021_04070140 (コンパートメント車両)
 帰りはコンパートメントです。列車名は「桜海里コンパートメント」と別列車扱いになっています。見知らぬ鉄オタと3人同室でした。往路は高田まで走り続けましたが、復路は、直江津と柏崎で少々停車時間がありました。新潟まで行くと帰れなくなるので、長岡で降りました。

 

 

2021年2月23日 (火)

青梅線臨時快速

 最近、青梅線で指定席の付いた臨時快速がよく走っています。青梅線の青梅~奥多摩間に「東京アドベンチャーライン」なる愛称を付けるなど、八王子支社では、青梅線の活性化に取り組んでいます。

 この区間は、もともと私鉄だった区間で駅数が多く、その辺のローカル線も顔負けの山岳路線のため、急曲線の連続で、距離の割に時間がかかります。沿線には、御嶽山や奥多摩湖など、都民が気軽に出かける観光地が点在しています。

 臨時快速は、立川、又は川崎、三鷹等から奥多摩まで走っています。車両は、豊田常駐のE257系5両が多いですが、時折、「リゾートやまどり」やお座敷電車「華」も来ます。

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 家から近いので、ときどき夕方の上り列車に乗りに出かけています。E257系の「青梅奥多摩新緑号」や、「やまどり青梅奥多摩号」「お座敷青梅 奥多摩号」などに乗りました。

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 いつ乗っても、車内は空いています。「リゾートやまどり」の時は、列車目的の人が結構いましたが、レジャーの人がいつも少ないのは気になります。今期も「青梅奥多摩梅の里号」が走っています。

 ちなみに、いつも御嶽から立川までしか乗っていません。この区間の乗車券は、480円ですので、指定席券やグリーン券の方が高いです。

 

 

2021年2月 9日 (火)

谷川岳紅葉号

2020_10170005 (新潟にて)
 昨年10月に、新潟~水上間で、快速「谷川岳紅葉号」が運転されました。紅葉を見に行く列車にしては、車両は115系3両編成です。新潟支社は、115系使用の臨時快速をよく走らせていて、これは面白そうだな、と思ったので乗りに行くことにしました。指定は、えきねっと事前予約で普通に取れました。全車指定席ですが、ボックスシート部分のみ発売していたようです。

 新潟の発車が7時台と早いので、前日の金曜日、仕事を終えてから上越新幹線で新潟入りしていました。当日の天候は雨です。高架化された新潟駅には、明るい水色と白色の「三次新潟色」をまとった115系がいました。ちゃんと「指定席」と号車のサボも入っています。えきねっとでの指定発売状況は、「満席」でしたが、新潟から乗っていたのは、1ボックスに1~2人です。

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 特急並みの停車駅で長岡まで走り、長岡はすぐに発車し、なぜか宮内で10分ほど停まっていました。長岡では、東京発の新幹線から乗り換えてきたと思われる人がちらほら乗ってきましたが、宮内停車時点でも乗車率に変化はありません。ちなみに、乗客ほぼ全員が鉄道マニアで、谷川岳に紅葉を見に行きそうな人はほぼ乗っていませんでした。私は見に行くつもりでしたが、ロープウェイが、先日の大雨による停電の影響で運休したことを車内で知ったので、止めにしました。ツアーが設定されていたとしたら、中止になったのかもしれません。それだと指定券発売状況と一致しませんが、、。宮内停車中に乗務員が話しているのが聞こえました。曰く「満席のはずなんですけどね」「新潟の車掌も、新潟からずっとこんなんだった、って言ってましたし」「どういうことなんでしょうね」と。

 上越線に入ってからは、土樽で長時間停車があります。近くに石積みの「毛渡沢橋梁」があり、そこまで歩いて見学に行けるようになっています。停車時間は25分ほどで、片道徒歩10分なので、「見学したらすぐ戻ってください」とパンフレットにも書いてありました。

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2020_10170093 (土樽にて)
 雨なのでどうしようか、と思っていましたが、車掌氏から放送が入り、「新潟県から、熊警戒特別警報が発令されています。先日このあたりでも熊の出没が確認されており、お客様の安全が確保できないため、毛渡沢橋梁の見学には行かないでください」と言われました。結構な山中ですので、確かに熊は出てきそうです。雨はともかく熊は御免被りたいので、大人しくしていることにしました。

 土樽に到着すると、橋梁まで引率するはずだったと思しき新潟支社の職員が3人おり、「行かないでください」と言っていました。することがないので撮影会が始まり、気を利かせた運転士が、幕回しを始めました。「通勤快速」とかありました。側面方向幕にカメラを向けて、1枚ずつシャッター音がするのには苦笑しました。

 上越国境を抜けて土合でも少し停まり、水上に着きました。ロープウェイも運休しているので、私はそのまま上越線に乗って東京方面へ向かいました。

 今年の春臨でも115系使用の列車が1本走るようで、もっと面白いのがGV-E400系のロングシート指定席「只見線新緑満喫号」ですが、去年は全て中止になっていて、今年はどうなるでしょうか。

 

 

2020年8月31日 (月)

「海里」スタンパー

 前々回に、「海里」のコンパートメント車両を紹介しましたが、その前の週にも庄内新潟地方を訪れていました。庄内空港に降り立って、日本海に浮かぶ孤島の飛島へ行き、翌日、羽越線の普通列車で村上へ行きました。

2020_08020011 (鬼百合の咲く飛島)
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2020_08020249 (笹川流れ)
 レンタサイクルを借りて、笹川流れまで片道15kmほどのサイクリングを楽しんだ私は、村上から快速「海里」に乗りました。ちなみに、新潟支社管内では通常レンタサイクルをやっていますが、今は休止中です。観光案内所で、他の貸し出し場所を聞いた私は、「どちらへ行かれますか」と聞かれ、笹川流れまで、と言うと、全力で止められました…飛島と笹川流れと、計2日間、夏の日差しの下で、自転車を漕ぎ続けていた私は、真っ黒に日焼けし、次の日会社に行くと、どうした?と言われました。
2020_08020296 (村上にて)

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 この時は、1号車の座席に座っていました。車掌氏は検札をしないので、スタンパーがほしければ、申告して押してもらわなくてはなりません。昨年11月とは絵柄が変わっていて、海里のロゴマーク入りになっていました。

 この海里スタンパーは、絵柄が細かいので、持ち帰るのに失敗します。前回も、今回も失敗しました。せっかく綺麗な絵なので、そのまま持ち帰りたいのですが、、、

 

 

2020年8月22日 (土)

海里(コンパートメント)

 
2020_08100016 (新潟にて)

 快速「海里」の2号車は、半個室のコンパートメント車両です。1室の定員は4名ですが、6名分ほどの広さがあります。これまでこの車両を指定するには、マルスのフロア指定機能で、「B室」を指定する必要があり、知らない係員氏だと、悪戦苦闘してしまいます。マルスから空席照会をかけると、2号車のみに空席がある場合でも、空席あり、になりますが、そのまま発券しようとしても、エラーで弾かれてしまいます。
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2020_08100022 (2号車通路)

 それが、今年の3月1日から、えきねっと上で「海里(コンパートメント)」という列車が出てくるようになりました。えきねっと公式の告知によると、2号車も予約可能になります、ということでした。恐らく、B室のフロア指定ではなく、別列車扱いで管理するようになったのだと思います。
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 先々週の3連休、新潟まで上越新幹線に乗り、あとは北海道&東日本パスを使って、北海道に渡っていました。新潟から鶴岡までは、快速「海里」に乗りました。空席を見たとき、2号車にしか空きがなく、窓側指定で予約すると、取れたので(窓側通路側の指定はできます)、コンパートメントに乗ることになりました。
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 列車名は、「海里 コンパートメント」になります。 最初からこうしておけばよかったのでは?と思いますが。
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2020_08100023(室内)

 この3連休からお盆休みにかけて、さすがに長距離移動需要は回復するだろうと、東海道新幹線の「のぞみ12本ダイヤ」をはじめ、JR各社は例年通りの輸送力を確保していました。しかしながら、東京都内で新型コロナウイルスの「陽性者」が急増し、小池都知事が、政府見解とは正反対に、帰省旅行の取りやめを要請するなどした結果、前年比80%減という惨憺たる状況になってしまいました。

 3連休初日とは思えない閑散ぶりの新幹線に乗り、新潟から「海里」に乗ります。同室の3名は結局乗って来ず、座席をフルフラットにして、寛いでいました。この個室は、リゾートしらかみなどと同じく、フルフラットにすることができます。テーブルには、仕切りが立てられていました。
2020_08020218(笹川流れ)
 この日の天気はあまりよくなかったですが、この1週間前に笹川流れをレンタサイクルで走った時は、青空に日本海の映える夏の景色が広がっていました。

 

 

2020年7月 5日 (日)

快速「あいづ」

2020_04250009 (快速「あいづ」)
 磐越西線の郡山~会津若松間には、特急列車こそ走っていないものの、指定席付きの快速列車がこれまで運転されていました。その最後は、485系6両編成の快速「あいづライナー」で、1日3往復走っていましたが、5年前の2015年3月をもって廃止され、単なる快速列車となりました。

 会津若松まで指定席付きの優等列車が運転されていたのは、福島県の特殊事情によるのではないかと思います。その歴史は戊辰戦争にまで遡り、「勝てば官軍」の新政府軍を迎え撃った旧幕府軍の会津藩は、時代は明治になると、薩長の明治政府から、旧幕府方として冷遇されることになります。廃藩置県に伴う県の設置と、県庁、県知事の新設をするにあたり、後の福島県となる地域最大の都市であった会津若松は、本来であれば、県庁所在地となるはずでしたが、明治新政府内に、会津に左様な名誉は与えられん、という風潮があり、結局、片田舎だった、今の福島市が県庁所在地になりました。

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2020_04250007 (郡山にて)
 そういう経緯で、福島市より会津若松市の方が栄えている時期が長く続いていました。今でこそ福島市は、新幹線も通り、単純に人口比較をすると、会津若松市の倍以上ありますが、古くは会津若松行きの特急「あいづ」が上野始発で走っており、郡山~会津若松間の特急「ビバあいづ」がなくなってからも、快速列車が運転を続けています。

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2020_04250006 (指定席車内)
 3月改正以降、E721系の1両半分をリクライニングシートの指定席に改装した、快速「あいづ」が走っています。期間限定で郡山方には会津若松高校の生徒が図案を描いたヘッドマークが掲出されています。このヘッドマークは期間限定でしたが、絵柄を変えて今も付いています。

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 郡山1041発の快速「あいづ1号」は、4両編成でした。最後尾の1両のうち半分が指定席です。車体には桜のラッピングと、「指定席」の文字で、そこが別料金の必要な指定席であることが強調されていました。4両編成に全部で10人乗っているかどうか、という程度の乗車率で、指定席は計2人でした。

 南東北の春は、やっと来たばかりで、沿線の磐梯山はまだ雪を被っており、桜が満開でした。

 

 

 

2020年6月27日 (土)

リゾートみのり

2018_12240125 (鳴子温泉にて)
 陸羽東線の観光列車「リゾートみのり」は、平成20年の宮城DCにあわせて登場したキハ48形のリゾート列車です。車内や外観は、「リゾートしらかみ」などとよく似ています、というよりほぼ同じです。仙台~新庄間の温泉地帯を3両編成で運転していましたが、今年の6月末をもって運転を終了することが決定しています。この列車も、新型コロナウイルスによる観光需要減退の影響を受けて、4月から運休が続いており、運転が再開されることはありませんでした。

 4月にJR東日本管内の観光列車運休の報知が出たとき、「リゾートみのり」だけは当初、なぜか運休対象から外されていました。真偽のほどは不明ですが、仙台支社が「みのりは生活需要がある」として運休を拒否したという噂があります。というのも、「リゾートみのり」の運転開始時、1本定期列車を間引いて、この列車に置き換えた、という経緯があるからです。「みのり」は金曜と週末のみの運転のため、一部平日には、ほぼ同時刻で臨時普通列車が走っていました。

 しかしながら、結局運転したのは1週だけで、翌週からは、他の観光列車と同じく運休となりました。

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2018_12240136 (「みのり」車内)
 「リゾートみのり」が登場する前のキハ58系「おもいで湯けむり」には乗っていましたが、この列車に乗る機会は中々無く、一昨年の12月暮れに鳴子温泉から仙台まで初乗車しました。冬期間はは中間1両を抜いて2両編成での運転でした。鳴子温泉から乗る乗客は少なく、多くが新庄方面から乗ってきているようでした。観光客に加えて、古川や小牛田などから仙台へ向かう地元客の姿がそれなりにあったのが印象的です。

2018_12240138 (記念撮影プレート)
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 秋や冬に、同じくキハ48形の「風っこ」を併結して4両編成で運転していたり、年末年始は磐越西線に出張して快速「あいづ」として走っていたりするなど、仙台支社管内での観光列車として活躍していましたが、さよなら運転などもなく、このまま引退するものと思われます。

 陸羽東線は、沿線に温泉地が点在し、一定の観光需要が見込めることから、HB-E300系の観光列車が後継に登場するものとばかり思っていましたが、今のところ、そういった発表はありません。後継列車は、快速「湯けむり」で、小牛田のキハ110系にラッピングを施した車両となるようです。指定席連結なので、盛岡からキハ1100番台のリクライニング車両を持ってくるのかと思っていましたが、仙台支社のプレスリリースによると、一般形のキハ110系のボックス席を指定席として発売し、ロングシート部分は自由席として運転するようです。「リゾートみのり」からは大幅なグレードダウンになりますが、来年夏の東北DC時に新たな観光列車が誕生するのでしょうか。

 

 

2020年5月 4日 (月)

「海里」

 羽越本線の新型観光列車「海里」は、昨年の10月5日に運転を開始しました。「きらきらうえつ」の後継で、HB-E300系4両編成のハイブリッド気動車です。特筆すべきは、「きらきらうえつ」がリクライニングシートの通常座席車両主体だったのに対し、「海里」は、1号車がリクライニングシート、2号車が半個室のコンパートメント、3号車は車販カウンターとフリースペース、4号車はダイニングカーと多種多様になっている点です。

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2019_11040093 (鶴岡にて)
 このうち、1号車と2号車は、一般発売の指定席券で乗れますが、4号車のダイニングカーは、食事付きのびゅう旅行商品専用です。こちらは例によって、2人以上でないと申し込みができません。海側が4人掛け、山側が2人掛けで、1人当たり13800円(新潟発酒田着の片道)です。メニューは季節毎に変わります。ちなみに、旅行商品の申込者以外は、4号車への立ち入りは禁止されていました。

 運行開始して約1ヶ月後の11月3連休に、鶴岡から乗車しました。指定席券は、実家に頼んで、10時打ちをしてもらいました。私もえきねっとで打つつもりでしたが、瞬殺されたので、さっぱり間に合いませんでした。申込用紙を見た窓口氏は「おっ、海里だ」と言っていたそうです。

 「きらきら日本海観光パス」を使って、出羽三山神社に参拝し、温泉に浸かったあと、鶴岡駅に戻ってきました。駅前のビルに、「海里」旅行商品申込者専用のラウンジがあります。鶴岡から4号車に乗車する人はここで待てるようです。お茶くらい出てくるのだとか。「海里」は鶴岡で20分ほど停車するので、酒田からの場合も、一度改札を出てここを使えるようです。私は通常の指定席なので、もちろん使えません。

 みどりの窓口で「『海里』Debut記念入場券」なるものを購入し、列車にのります。紅赤と白のグラデーションが綺麗な車両です。

2019_11040115 (車内のロゴマーク)
 1号車のリクライニングシートは、「リゾートしらかみ」などとほぼ同じです。2号車のコンパートメントは、暗くなると雰囲気が良いそうです。このときは、えきねっと申込だと、1号車か2号車か、発券してみないとわからない、という状況でしたが、今現在は、「海里」(コンパートメント)という別列車扱いになっています。

2019_11040089 (1号車)
2019_11040116 (2号車通路)
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 指定席券は、840円です。最近のJR東日本の観光列車はこれが主流になっています。それでも安いとは思いますが。「海里」専用のチケッターがあり、この列車専用の制服を着た車掌氏に頼むと、押してくれます。車内改札は省略なので、頼まないと押してくれません。列車の絵が入ったデザインでしたが、かすれてしまいました。ロゴマークの入った別デザインのものもあるようです。乗務員の制服もそうですが、車内メロディーやらチケッターやら、この列車のためだけにデザインされたものが多く、新潟支社の気合の入れようがよくわかります。

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2019_11040118 (3号車)
2019_11040120 (3号車は窓が開く)
 3号車の車販カウンターに行ってみました。ここで食べ物を買うと、3号車フリースペースで食べる場合は、店内飲食扱いで、税率10%、自席に持ち帰ると8%だそうです。支払い金額は同じですが、納入消費税額が変わるようです。海側のカウンターに立っていると、丁度笹川流れに差し掛かり、「日本海の風をお楽しみください」と、3号車海側の窓を開けにきました。11月初旬とは言え、夕暮れ時の風は冷たかったです。さすがに冬はやらないと思います。

2019_11040122 (「海里」仕様の桑川駅)
2019_11040129 (桑川駅前からの日本海)
 桑川で長時間停車します。桑川駅には、道の駅が併設されていて、ここで買い物ができるほか、目の前の国道を渡れば、すぐ日本海に降りる階段があります。あいにく曇っていましたが、晴れていれば丁度夕陽が沈む時刻です。なお、「海里」には、もう1本、「冬ダイヤ」があり、こちらは鶴岡停車10分、桑川での停車時間はわずか、という走り続けるダイヤです。このときも、桑川に停車している間に真っ暗になってしまいました。

 このときの車内には、新潟支社の事務方が添乗していて、観光列車全般に関するアンケートを行なっていました。これまで乗ったことのある観光列車(JR他社含む)を書かされ、今後どのような列車を望むか、というものでした。個人的に「音楽を楽しめる列車」というのが気になりました。「海里」の予行演習として1年前の冬に運転された快速「リゾート美食旅(ガストロノミー)」では、ビオラの生演奏というのをやっていたので、なにかそういう企画でもあるのでしょうかね。

 ちなみに、私は申し込みませんでしたが、「海里」の車内では、上り下りとも、びゅう旅行商品として、特製弁当の注文ができます。上り下りで内容と値段が異なり、2000円前後です。

 個人的に、気に入ったので、今度は4号車の食事つきで乗ってみたいと思っています。5月末までは運休で、6月以降は申込停止中なので、いつになることやらわかりませんが。