羽越本線の新型観光列車「海里」は、昨年の10月5日に運転を開始しました。「きらきらうえつ」の後継で、HB-E300系4両編成のハイブリッド気動車です。特筆すべきは、「きらきらうえつ」がリクライニングシートの通常座席車両主体だったのに対し、「海里」は、1号車がリクライニングシート、2号車が半個室のコンパートメント、3号車は車販カウンターとフリースペース、4号車はダイニングカーと多種多様になっている点です。
(鶴岡にて)
このうち、1号車と2号車は、一般発売の指定席券で乗れますが、4号車のダイニングカーは、食事付きのびゅう旅行商品専用です。こちらは例によって、2人以上でないと申し込みができません。海側が4人掛け、山側が2人掛けで、1人当たり13800円(新潟発酒田着の片道)です。メニューは季節毎に変わります。ちなみに、旅行商品の申込者以外は、4号車への立ち入りは禁止されていました。
運行開始して約1ヶ月後の11月3連休に、鶴岡から乗車しました。指定席券は、実家に頼んで、10時打ちをしてもらいました。私もえきねっとで打つつもりでしたが、瞬殺されたので、さっぱり間に合いませんでした。申込用紙を見た窓口氏は「おっ、海里だ」と言っていたそうです。
「きらきら日本海観光パス」を使って、出羽三山神社に参拝し、温泉に浸かったあと、鶴岡駅に戻ってきました。駅前のビルに、「海里」旅行商品申込者専用のラウンジがあります。鶴岡から4号車に乗車する人はここで待てるようです。お茶くらい出てくるのだとか。「海里」は鶴岡で20分ほど停車するので、酒田からの場合も、一度改札を出てここを使えるようです。私は通常の指定席なので、もちろん使えません。
みどりの窓口で「『海里』Debut記念入場券」なるものを購入し、列車にのります。紅赤と白のグラデーションが綺麗な車両です。
(車内のロゴマーク)
1号車のリクライニングシートは、「リゾートしらかみ」などとほぼ同じです。2号車のコンパートメントは、暗くなると雰囲気が良いそうです。このときは、えきねっと申込だと、1号車か2号車か、発券してみないとわからない、という状況でしたが、今現在は、「海里」(コンパートメント)という別列車扱いになっています。
(1号車)
(2号車通路)
指定席券は、840円です。最近のJR東日本の観光列車はこれが主流になっています。それでも安いとは思いますが。「海里」専用のチケッターがあり、この列車専用の制服を着た車掌氏に頼むと、押してくれます。車内改札は省略なので、頼まないと押してくれません。列車の絵が入ったデザインでしたが、かすれてしまいました。ロゴマークの入った別デザインのものもあるようです。乗務員の制服もそうですが、車内メロディーやらチケッターやら、この列車のためだけにデザインされたものが多く、新潟支社の気合の入れようがよくわかります。
(3号車)
(3号車は窓が開く)
3号車の車販カウンターに行ってみました。ここで食べ物を買うと、3号車フリースペースで食べる場合は、店内飲食扱いで、税率10%、自席に持ち帰ると8%だそうです。支払い金額は同じですが、納入消費税額が変わるようです。海側のカウンターに立っていると、丁度笹川流れに差し掛かり、「日本海の風をお楽しみください」と、3号車海側の窓を開けにきました。11月初旬とは言え、夕暮れ時の風は冷たかったです。さすがに冬はやらないと思います。
(「海里」仕様の桑川駅)
(桑川駅前からの日本海)
桑川で長時間停車します。桑川駅には、道の駅が併設されていて、ここで買い物ができるほか、目の前の国道を渡れば、すぐ日本海に降りる階段があります。あいにく曇っていましたが、晴れていれば丁度夕陽が沈む時刻です。なお、「海里」には、もう1本、「冬ダイヤ」があり、こちらは鶴岡停車10分、桑川での停車時間はわずか、という走り続けるダイヤです。このときも、桑川に停車している間に真っ暗になってしまいました。
このときの車内には、新潟支社の事務方が添乗していて、観光列車全般に関するアンケートを行なっていました。これまで乗ったことのある観光列車(JR他社含む)を書かされ、今後どのような列車を望むか、というものでした。個人的に「音楽を楽しめる列車」というのが気になりました。「海里」の予行演習として1年前の冬に運転された快速「リゾート美食旅(ガストロノミー)」では、ビオラの生演奏というのをやっていたので、なにかそういう企画でもあるのでしょうかね。
ちなみに、私は申し込みませんでしたが、「海里」の車内では、上り下りとも、びゅう旅行商品として、特製弁当の注文ができます。上り下りで内容と値段が異なり、2000円前後です。
個人的に、気に入ったので、今度は4号車の食事つきで乗ってみたいと思っています。5月末までは運休で、6月以降は申込停止中なので、いつになることやらわかりませんが。
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