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2022年12月 3日 (土)

連載企画:開示請求から連絡運輸範囲を知る(3)

 では、実際に運輸局に対して、開示請求をかけてみます。そもそも運輸局が連絡運輸範囲の改訂についてまでの届出を受けているのか、直近で、連絡運輸範囲の拡大がなされた(らしい)近鉄とJR東海に照準を合わせました。

 令和4年4月1日から、JR東海会社線内から近鉄への連絡運輸を取り扱う範囲が、JR東海全駅に拡大されたらしい、という話を聞きました。近鉄からJRへの連絡運輸となる場合は従来通りだそうです。

 ここでまず1点疑問に思ったのは、本件の場合、JR側の連絡運輸範囲を拡大したわけではなく、現場の実務上の取り扱いとして、全駅から取り扱うようになってだけなのでは?という点です。マルス端末上は、発券しようとする連絡乗車券が連絡運輸範囲に収まっているかの判定は行っておらず、定期的に誤発券の事例が挙がってきます。りんかい線通過連絡などが典型例です。このように社線運賃がマルスに登録されている区間であれば、規則上の整合性はさておき、実務上は発券できてしまうので、それならば、これまで誤扱いだったものを、正式に認めて、誤発券となる事例を減らそう、という意図は理解できます。とりあえず自社管内各駅から運賃登録のある近鉄線の駅まではすべて発売可、としておけば、誤発券となる事例は大幅に減らせます。

 近鉄側からの連絡運輸となる場合は、長距離の場合は、そもそもASAK端末が対応していないこともあるなど、誤発券となることが少ないことから据え置きとしたのだと思います。

 それはさておき、開示請求です。開示請求の宛先は、中部運輸局長となります。開示請求の手続きとしては、国土交通省所定の書式に、開示請求者の氏名住所連絡先を記入し、開示請求対象文書を特定するに足りる事項を書き、開示方法を選択した用紙を書くことから始まります。

 対象文書の特定として、次の通り書きました。

「東海旅客鉄道株式会社が、近畿日本鉄道株式会社と、鉄道事業法第18条に基づき締結した 、 連絡運輸に関する協定に係る届け出のうち、令和4年6月12日現在有効なものに関する一切の 文書。なおここでいう一切の文書とは、当該届出書本紙のみならず、それに付属する書面等を含む 。」
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 開示請求書を中部運輸局総務課に郵送してもいいですが、国土交通省は、電子申請ができます。e-govという専用サイトから提出します。初期登録を済ませて、開示請求者の情報を入力します。開示請求専用のページなので、ここに必要事項を入力するだけでいいと思っていたところ、どうも入力するのは、宛先と請求者の情報だけで、文書の特定などは、添付ファイルでするようです。これは想定外だったので、上の書面を別途作成しました。なかなか出来の悪いサイトです。紙による行政の事務をそのまま電子化したように見受けられます。デジタル庁には、このあたりも改善していただきたいな、と思いました。余談ですが、e-govのマイページには、「公文書」というボタンがあります。たぶん申請に対する行政庁の回答文書が見られるのだろうと思いますが、「公文書」という名前はなんとかならなかったのですかね。

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 話が逸れましたが、所定様式に必要事項を記入してPDF化したうで添付し、申請ボタンを押しました。郵送したり、開示請求手数料(300円/件)の印紙を購入したりする手間はないので、着実に行政の電子化は進んではいます。ちなみに手数料は後で電子納付することになります。

 開示請求は、以前別件で人事院に対してかけてことがありますが、数週間かかるので、気長に待ちます。

 忘れかけたころに、中部運輸局総務課の担当係官から電話がかかってきました。

 曰く、「対象となる文書がありませんでした」とのことです。要するに、不存在です。不存在の旨を記した文書が必要であれば、手数料300円を納めていただいて、発行しますが、この段階で取り下げれば手数料は不要です、とご親切に教示してくださったので、取り下げにしました。

 e-govから、取り下げ手続きをして、本件は終了です。

 本件は、上述した通り、連絡運輸に関する協定を変更したわけではなく、あくまでJR東海側の運用が変更になっただけなのか、あるいは、連絡運輸範囲を変更した場合でも都度届出が必要になるわけではないのか、そのいずれなのか判然としないので、失敗に終わりました。

 そこで、連絡運輸に関する届出には、一体どういうものがあるのかを、まず探って行くことにしました。無暗矢鱈と鉄道会社名を書いて全国の運輸局に開示請求をかけることも方法としてはあり得ますが、時間と労力がかかりすぎますし、運輸局の係官に多大な負担をかけるのは本意ではありません。文書の特定方法が悪かったのかもしれませんし、考察を進めて行くことにします。次回に続きます。

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