新快速Aシート指定席
2019年3月16日のダイヤ改正により、新快速に有料座席「Aシート」が登場しました。223系1000番台4両編成の下り方先頭車両を改装し、車内はリクライニングシート、中間扉は埋め込み、ドアと客室に仕切りを設けたものです。外装は、Aシート車両とわかるように、青色の帯を巻いています。2両が改造され、同日以降、1日2往復の運用に就いています。
(草津にて)
乗車には500円の乗車整理券が必要で、事前購入はできず、乗車後、車内で車掌から購入します。満席の場合は、デッキで立ち、空席が出れば500円を払って座ることができます。立っているのであれば乗車整理券は不要です。
Aシート連結列車の運転区間は、網干~野洲間で、それ以外の区間には行きません。1年半ほどこの形態で運転されていましたが、昨年の12月から、一部が指定席になりました。一応指定席の設置は期間限定ですが、現在まで継続して延長されています。指定席料金は840円ですが、チケットレスを使えば、600円になります。指定席設置の理由は定かではありませんが、おそらく乗るまで座れるかどうかわからないのであれば、Aシートにわざわざ乗る理由がない、というところだと思います。首都圏の普通列車グリーン車と似た方式ではありますが、首都圏グリーン車は全列車にグリーン車がありますので、座れそうになければ次の列車、ということができます。新快速Aシートは、1日2往復なので、それができません。
(Aシート車内)
ちなみに京阪神の快速電車にもグリーン車が1両連結されていた時代があります。1961年から80年までですが、最初から乗車率は低かったそうで、117系新快速の運転開始とともに廃止されています。
今年の7月から指定席の座席数が、それまでの12席から20席に増え、「新快速(A)3号」(野洲発夜の下り列車)は、チケットレスが450円に値下げされました。京都大阪の発時刻が土休日で20時前後、平日は21時半過ぎと遅く、利用が少なかったのだと思います。
乗ろう乗ろうと思いつつ、運転時間が微妙で全く乗っていませんでしたが、先々月末に乗ってきました。東京からの新幹線を京都で降り、草津へ引き返して、夜の3号に乗りました。チケットレスを発券すると、なぜか120mmの本体券と指のみ券になりました。600円チケットレスの本体券は85mm券なので、値段が違うから120mmなのでしょうか。謎ですが、自動改札に入れるものではなく、そもそもチケットレスなので発券するものですらないので、特に困ることはありません。趣味的には面白いですが。
列車名は、「新快速(A)3号」と結構適当です。期間限定のつもりだからでしょう。
野洲か守山から乗ってきた人は数人だけでした。車内は683系と同様のリクライニングシートです。指定券を持っている場合の検札は省略されるようです。京都と大阪で若干乗ってきて、三ノ宮で降りる直前には、窓側が4割ほど埋まっていました。
乗ってみた感想ですが、わざわざ500円払って座れる保証のないAシートに乗る必要性はほぼ感じませんでした。指定席を取ったとしても15分毎(ラッシュ時ピークは大阪始発が増えます)に来る新快速の特定列車を待つ、という行為がただ面倒です。高校生のとき塾の帰りに、大阪から三ノ宮まで新快速を使っていましたが、座席争奪戦にはなるものの、がんばれば座れます。転換クロスなので、そこそこ快適です。JR西日本としては利用状況を見て、全列車への展開を考えていたのでしょうが、2年近く経って増える気配もないですし、そもそも223系4両編成は、新快速だけでなく、快速や湖西線、草津線でも普通に使っています。末端区間は4両単独で走ります。それらの列車にAシートを連結するかと言われれば、快速はともかく、その他は否でしょう。致命的なのは、運転本数が少ないにもかかわらず、着席保証がない点です。ここを改善すれば、常に混んでいる新快速ですから、車両を改造せずとも、300円くらいなら払う人はいると思います。立ち席エリアに立っている限り乗車整理券は要らず、別に着席するつもりがなく立ち席エリアにいても特に咎められることもないので、その他の混み合う車両を嫌って、わざわざAシート車両に立っている人が、着席している人と同じかそれ以上いました。他人のことは言えませんが、頭の回る関西人です。せっかく改造したAシート車両ですが、この先このサービスが展開されることはないと思っています。
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