JR・おれんじぐるりんきっぷ
JR九州と肥薩おれんじ鉄道では、「JR・おれんじぐるりんきっぷ」という周遊券タイプの企画券を発売しています。このきっぷは、「福岡ワイド版」「熊本エリア版」「鹿児島エリア版」「熊本・鹿児島ワイド版」の4種類が発売されており、発駅と、フリー区間がそれぞれ異なります。
まず、「福岡ワイド版」と「熊本・鹿児島ワイド版」の2種類は、フリー区間が、八代~川内間のおれんじ鉄道線全線です。一方で、「熊本エリア版」は、八代~水俣間、「鹿児島エリア版」は、出水~川内間のみがフリー区間です。フリー区間に加え、九州新幹線利用区間が、「福岡ワイド版」「熊本・鹿児島ワイド版」は、博多又は熊本~鹿児島中央間の片道、鹿児島中央~川内間の折返し乗車、及び八代(新八代)~熊本又は博多間の片道、「熊本エリア版」は、熊本~新水俣間、及び八代(新八代)~熊本間の片道、「鹿児島エリア版」は、鹿児島中央~出水間、及び川内~鹿児島中央間の片道が利用できます。なお、九州新幹線は、フリー区間ではなく、いずれかの方向に片道ずつしか利用できません。ちなみに、並行在来線にも乗れます(差額は返金されません)。
(きっぷ本券) (追加の指定料金券)
要するに、例えば博多から新幹線で鹿児島中央へ行き、復路は、川内まで新幹線に乗って、おれんじ鉄道のフリー区間、八代からはまた新幹線で戻る、もしくはその逆、という使い方ができる(それしかできない)ということです。おれんじ鉄道を利用しない方の片道乗車区間は途中下車禁止です。
まとめると次の表のようになります。(発売価格は令和3年9月現在)
|
往路 |
復路 |
発売価格 |
福岡ワイド版 |
新幹線(博多~鹿児島中央間) |
・新幹線(鹿児島中央→川内間) ・新幹線・鹿児島本線(八代→博多間) |
14980円 |
熊本・鹿児島ワイド版 |
新幹線(熊本→鹿児島中央間) |
・新幹線(鹿児島中央→川内間) ・新幹線・鹿児島本線(八代→熊本間) |
8380円 |
熊本エリア版 |
新幹線(熊本~新水俣間) |
・肥薩おれんじ鉄(水俣~八代間)フリー区間 ・新幹線・鹿児島本線(八代→熊本間) |
5240円 |
鹿児島エリア版 |
新幹線(鹿児島中央~出水間) |
・肥薩おれんじ鉄道(出水~川内間) ・新幹線(川内→鹿児島中央間) |
4200円 |
なお、上述した通り、往路復路は逆順も可能で、新幹線と鹿児島本線が並行する区間では、在来線の利用もできます。
このきっぷの福岡ワイド版を使って、観光特急「36ぷらす3」の木曜日コースに乗ろうかと思いましたが、そこは上手くできていて、「特急『36ぷらす3』には乗車できません」と書かれていました。
大分駅でこのきっぷを買う時、熊本までの乗車券提示を求められ、おれんじ鉄道に乗るのは往路か復路か聞かれました。窓口氏は分厚いタリフを読みながら質問をし、発券作業をしていました。それによると、おれんじ鉄道を往路復路いずれに利用するかで企画券コードが別のようです。
(出水にて)
(おれんじ鉄道車窓より)
新幹線で一気にフリー区間の端まで行って、帰りはのんびり途中下車しながら2日間観光をするにはもってこいのきっぷだと思いました。使い方が少しややこしいとは思いますが。きっぷは自動改札に通らない120mm券で、券面にフリー区間と注意事項が書かれています。新幹線利用は自由席利用とされていますが、指定料金券、グリーン料金券と併用ができます。
(長島の東シナ海)
(不知火海。針尾展望台より)
私は「熊本・鹿児島ワイド版」を購入して、川内で折り返しました。夏の東シナ海を眺めながら出水まで引き返し、そこでレンタカーを借りました。鹿児島県の長島に行きたかったからです。2回ほど行っていますが、この島から見る東シナ海はエメラルドグリーンで、遠くに甑島列島を望み、反対側の不知火海は、天草に続く静かな多島美を望めます。この日は日奈久温泉に泊まりました。
翌日八代まで少しフリー区間を使いました。
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