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2020年2月 2日 (日)

相鉄直通線その1

 昨年11月30日に、相鉄JR直通線が開業し、接続駅として、羽沢横浜国大駅が設置されました。相鉄本線の西谷~羽沢横浜国大~鶴見間の直通線を介して、相鉄本線の海老名から、埼京線方面へ相互直通運転が開始されました。東京都心への直通は相鉄の悲願とも言われており、JR線への直通を見据えて、JR東日本のE231系と全く同じ10000系や、E233系そのものの11000系を導入したりしていた相鉄ですが、漸く念願叶ったり、というところです。

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2020_01110037 (羽沢横浜国大)駅
 羽沢横浜国大駅は、東海道貨物線上の貨物駅、横浜羽沢駅に隣接して設置されており、営業キロも横浜羽沢駅のものを用いているようです。新線として建設されたのは、西谷~羽沢横浜国大~東海道貨物線との分岐点で、当該分岐点より都心方面は、東海道貨物線を通り、鶴見、いわゆる品鶴線を走り、新川崎(貨物線を通過)、武蔵小杉、あとは湘南新宿ラインと同様、西大井、蛇窪信号場、大崎、山手貨物線と走ります。

 相鉄車両が乗り入れるのは、新宿までで、新宿以北、大宮方面の直通電車はJRのE233系が運用に就いています。直通運転開始に伴い相鉄は、新車の12000系を導入しました。当初の開業予定は、今より早かったため、E233系そのものの11000系を直通させる予定でしたが、埼京線に新型保安装置のATACSが導入されたことで、同系列の直通は取りやめになり、12000系が投入された、という経緯だそうです。

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 今のところは、定期券の切り替え時期ではない、ということもあり、直通線の乗客は朝ラッシュ時でもまばらだそうです。本格的に旅客が流入してくるのは、4月以降でしょうか。昼間は30分間隔です。相鉄線内は、各駅停車と特急があります。E233系が、「特急」表示で走るのは中々新鮮です。

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 直通運転から1ヶ月ほど経った今年の1月三連休に乗りに行ってきました。新宿駅2番線で待っていると、入ってきたのは、ネイビーブルーの12000系です。車内はE235系に似ていますが、同社独自の雰囲気が入っています。

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 首都圏のJR通勤路線は、スタフを使っていませんが、この列車は、東海道貨物線を走るためか、紙の乗務員用時刻表を差し込んでいました。武蔵小杉までは通常の湘南新宿ラインと同様ですが、同駅を出てしばらくすると、右に分岐し、貨物線に入ります。新鶴見信号場の傍をかすめ、鶴見で東海道本線や京浜東北線を越えると、そのまま地下トンネルに入ります。これが東海道貨物線です。長いトンネルを抜けると、最徐行で横浜羽沢駅構内に入ります。スタフにも「横浜羽沢」の記載がありました。貨物駅を見ることなく、地下に入ると、羽沢横浜国大駅です。ここから先、東急直通線方面への工事中のトンネルを見ることができました。ちなみに、武蔵小杉~羽沢横浜国大間は16.6kmあります。E233系は100km/h以上でポイントばかりの貨物線を走り続けますが、15分ほどかかります。なお、異常時には、そのまま東海道貨物線を西に走り、30分以上無停車で藤沢まで行くことも検討されていると思われています。(今のところ実績はありません)

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2020_01110016 (相鉄12000系 新宿にて)
 羽沢横浜国大駅の周辺は、まだあまり開発されていない印象で、駅前にはコンビニすらありません。要は、「貨物駅」の雰囲気です。少し離れたところには住宅地が見えましたが。管理は相鉄が行なっています。入場券も買ってみましたが、相鉄のものでした。

 後続のE233系直通電車に乗って、西谷から相鉄二俣川方面に向かいました。

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 さて、きっぷの話です。羽沢横浜国大駅を接続駅とする相鉄連絡乗車券が発売されています。ただし、相鉄側では自動券売機での発売はありません。JR側の連絡運輸範囲は、首都圏一円、といったところです。

 相鉄線の運賃は、同一運賃帯の最遠となる駅のみマルスに登録されており、それ以外は金額入力操作が必要になります。豊田で購入した際、自動経路入力で、運賃が出てきたのをみた窓口氏は、iPadの連絡運輸別表を見て、発売可能範囲か確認したうえで、さっと発券してくれました。二俣川からのいずみ野線も連絡運輸範囲内です。接続駅では途中下車ができるので、下車印をもらいました。

2020_01110040 (横浜羽沢駅)  

 普通に平和に使っている分には、ここまでで十分な情報ですが、ここから先は旅客営業規則(以下「規則」といいます)関連の話になります。まず、横浜羽沢国大駅は、横浜市内の駅に含まれました。電車特定区間にも含まれています、ところが、東京近郊区間を定めた規則156条1項2号イには、同駅が含まれていませんでした。少なくとも開業時には、含まれていませんでした。

 その一方で、JR東日本以外の一部旅客会社のHP、及びJR時刻表では、近郊区間に含まれる、とする図が掲載されていました。

 そうすると、羽沢横浜国大は、東京近郊区間に含まれるのか否か、というと、公告されている規則に明記されていない以上、含まれない、ということになります。これに気付いた規則に詳しい人たちの間でTwitterが賑やかになりました。

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2020_01110020 (相鉄12000系の表示)
 ちなみに、マルスは、近郊区間として運賃計算、及び効力の判定を行なっています。従って、例えば、横浜羽沢国大~新宿経由~大月まで(100kmを越える)は、近郊区間外、かつ100kmを越えるので経路通りの発売、かつ2日間有効、途中下車可能、ということに、規則上はなる一方で、マルスは、最短経路となる南武線経由、近郊区間内で1日間有効、途中下車不可、と回答します。さて、どちらが正しいのでしょうか、という問題が発生していました。

 個人的には、マルスがどう回答しようが、規則は規則(ただし解釈は可)なので、マルスが間違っているものと思います。誰かがJR東日本公式に問い合わせたところ、「羽沢横浜国大は、貨物駅の横浜羽沢駅と同一視しており、東海道貨物線上にある。同線は、東海道本線と同一視していることから、同駅は、規則156条1項2号イにいう、『東海道本線 東京・熱海間』に包含されると解釈され、従って、東京近郊区間に含まれる」との回答が返ってきたようです。

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 この解釈は無理があるようにも思いますが、一方で東海道貨物線を走る「湘南ライナー」は、間違いなく近郊区間を走っているので、藤沢~横浜羽沢間の扱いも考えると、合理的な解釈でもあるような気がします。

 この方が問い合わせたからか、JR各社に通達されたようで、実際、規則に詳しいJR東海の東京駅でも同様の回答が返ってきました。

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 さて、問題はこれで鎮静化するようにも思われましたが、今日新たな動きがありました。旅客会社各社が、1月23日付で旅客営業規則を改定し、当該改定を公告しました。内容は、持ち込み禁止の危険物を定めた規則別表の改定で、特段大した改定ではありません。しかし、JR東日本の旅客営業規則のページを見てみると、羽沢横浜国大が、156条1項2号イにしれっと追加されていました。他社の規則には入っていません。

2020_01110018 (12000系車内)
 憶測ですが、JR東日本が、他社と調整をせずに、自社だけでしれっと同駅を追加したのではないかと思います。これで、近郊区間に同駅を追加し忘れていただけ、ということが判明しました。しかし、改定時に誰も気付かなかったんですかね。

 現状、156条2項イ号に関しては、JR東日本とそれ以外で内容が異なっていることになります

。運送条件を定めた規則を改定の公告もせずに、しかも他社とも協議することなく、勝手に直すのはどうなのか、と思いますが。3月改正に合わせて公告される、とかですかね。

 それはともかく、ある旅客会社に属する路線に関する規則は、当該旅客会社の規則による、という規定がありますので、これで規則上の疑義はなくなりました。にしても、東大法学部出のわが先輩らが多くいるであろうJR東日本の旅客営業規則所管部署はどうなってるんですかね。

*2022年1月2日追記*
JR他社の旅客営業規則156条2項イ号についても、2020年3月14日以降乗車分から施行とする改正旅客営業規則において、「・羽沢横浜国大」が追加され、本件は決着がつきました。また、この部分にかかる改正については、「第156条の羽沢横浜国大駅に係る改正は令和元年11月30日から施行」の附則が付いており、相鉄直通線開業時に遡及することが明記されました。JR東日本本社は無理な解釈をしていましたが、要するに改正漏れだったことになります。

 

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