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2019年9月14日 (土)

風っこそうや

 JR北海道では、今年の7月27日から9月8日までの土休日、宗谷本線で「風っこそうや号」を運行していました。列車名からわかる通り、JR東日本仙台支社からキハ48形の「風っこ」を借りてきての運転です。7月27日から8月12日までの前半は音威子府~稚内間、8月17日から9月8日までの後半は、旭川~音威子府間の運転でした。

 この列車の運転が発表されたのが今年の4月で、運転区間が発表されて私は、これは前半の宗谷北線一択だな、と思いました。音威子府以北はサロベツ原野の中をひたすら走る区間であり、北海道らしい車窓を走るからです。
2019_07280412 (「風っこそうや」 豊富にて)
 この列車が企画されたのは、平成30年に国土交通省鉄道局から、旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律第13条第2項の規定基づく「事業の適切かつ健全な運営に関する監督命令」を受け、当該命令において、観光列車の充実を求められた、という経緯があります。JR北海道には、リゾート車両がありますが、これとは別に、「風っこそうや号」、及び伊豆急行の「IZU ROYAL EXPRESS」を用いたクルーズ列車の運行が計画された、という次第です。ロイヤルエクスプレスはともかく、「風っこ」であれば、JR北海道にも多数在籍するキハ40系列であり、扱いに慣れている、ということもあったと思います。

 前者については、一般の指定席券を発売する多客臨として運転されることが発表されました。そこで、運行開始初日の列車に乗ろうと、私は、午前休を取って、朝0915に豊田駅の窓口に並びました。昨年の10月末で事前受付は終了していますが、こうして並んだのは久しぶりです。「えきねっと」事前予約も済ませて気合を入れておきました。

 結果、どちらも取れました。実家の母にも協力してもらっていましたが、これも上下取れたそうなので、都合4席取れてしまいました。本命の列車以外はすぐに乗変をかけましたが。

 往復航空機の予約も済ませ、7月25日(木)の仕事終わり、羽田空港から新千歳へ飛びました。以前に紹介した「AIRDOきた北海道フリーパス」を使って、翌日は富良野美瑛を周り、旭川の定宿に泊まりました。

 翌日、音威子府まで特急「宗谷」で移動して、稚内行きの「風っこそうや1号」に乗ろうと計画しており、7時に起きました。外は大雨でした。朝ごはんを食べてTwitterを見ると、幌延におられた今出川さんが「お陀仏になったきっぷ」と、風っこの指定券を上げているのをみて、慌てて運行情報を見ると、宗谷本線名寄以北は全面運休のお知らせが。勿論「風っこ」も運休です。はっきりと書かれていました。テレビをつけると、宗谷海峡付近に爆弾低気圧がいると、天気予報が告げていました。

 宗谷北線が全面運休かつ代行輸送もなし、かつ名寄まで行く列車も1130発までないとなっては旭川から動けないので、ホテルにいました。1100を過ぎて駅に向かうと、先ほどの大雨が嘘のように止んでいました。

 途中剣淵に寄り道をして、名寄まで行きました。1431発の特急「サロベツ1号」に乗り継ぎます。名寄以北、本日の1番列車です。「風っこそうや」の指定券を持っていたと思われる人が大勢乗車していました。音威子府付近では晴れ間も見えていましたが、北上するにつれ、分厚い雲が広がり、薄暗くなりました。幌延到着前の牧草地は水没しているところもありました。これはやはり相当降ったようです。幌延は70mmの降雨だったそうです。

 車内でえきねっとを見ていると、「豊富→雄信内」と「雄信内→天塩中川」間の区間だけ翌日の上り「風っこそうや2号」の空席が出ていました。即時確保しましたが、区間が微妙です。豊富の発車時刻までに稚内から行こうとすると、0636発の特急に乗る必要があります。日曜日にそれはさすがにしんどいので、「風っこ」は諦めて、予定通り天北線代替バスに乗って帰ろうと思っていました。このために北海道へ来たのですが、潔く諦めようと思いました。
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 稚内到着は1723です。改札を出たところで、今出川さんに会いました。お話をしていると、明日の「風っこそうや2号」の指定券を確保されていて、私と全く同じ区間でした。私は、上記の通り、たぶん乗らないです、とか言っていました。すると、今出川さんは、今日レンタカーを借りて、明朝、南稚内を出庫するところを撮って、豊富まで車を走らせて、そこから乗車される予定にしているそうで、乗っていく?と言われました。こんなありがたいことはないので、ご厚意に与かることにしました。うれしくて仕様がなかったです、、

 ホテルまで送っていただき、翌朝、稚内の街中で拾ってもらいました。今日も曇り空です。40分かそこらで豊富駅に着きました。

2019_07280346 (南稚内の跨線橋から)

2019_07280364 (豊富駅)  
「風っこそうや」は、「風っこ」の2両を、北海道のキハ40系「花の恵み」と「流氷の恵み」の2両で挟み込んだ4両編成です。よって「風っこ」は、2号車と3号車になっていました。豊富で団体が下車した車内は満席のはずですが、ちらほら空いていました。私の窓側も来なかったので、そちらに座っていました。

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2019_07280393 (ヘッドマーク)
 普段「風っこ」が走るのはJR東日本管内なので、北海道の原野を車窓に眺めることはまずありません。しかし、今日は、牧草地や、携帯も圏外の原野をゆっくり走っています。こんな機会はおそらく最初で最後だと思います。

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 幌延には、トナカイ牧場からトナカイも来ていました。到着後、すぐに窓口に並び、18きっぷとご当地入場券を買いました。私は2番目でしたが、窓口にはすぐに長蛇の列が出来ました。
2019_07280398 (豊富にて)
2019_07280424 (幌延にて)

 車内では旭川支社の社員氏も多く同乗していて、どこから来たかアンケートを取っていました。私の向い側の2人は、埼玉、千葉、私は東京、今出川さんは神奈川、首都圏ばかりです。

 雄信内は無人駅、かつ周辺にある人家は全て廃屋、という駅です。私の指定券はひとまずここまでで、座席移動です。次のボックスは誰もいませんでした。この雄信内は、下りの稚内行き普通4323D列車と交換のための停車です。従って交換のない下り「風っこそうや1号」は停まりません。この4323Dは旭川発稚内行きなので、この列車から「風っこそうや号」に乗り換えてくる人がざっと10人はいました。

2019_07280446 (雄信内駅)
2019_07280452 (キハ54形と「風っこ」)
 6分停車で雄信内を発車すると、宗谷線唯一のトンネルに入りました。天塩川と接近する橋梁から、対岸の河原から撮影する方を見つけました。川は昨日の大雨で増水し、茶色く濁っています。道路もない森としか接していなそうだったので、森を歩いたか、あるいは川を下ってきたのでしょうか。いずれにしても撮り鉄の気合には参りました、、

2019_07280463 (天塩川)
 問寒別は通過ですが、地元の方がホームで手を振っていました。手前の問寒別橋梁には、カメラの大砲列と北海道警察がいました。警官も手を振っていましたが。沿線で畑作業中のおじいさんも、お、風っこだ、といった風でこちらを見ていました。

2019_07280437 (北海道の牧草地と「風っこ」)
 天塩中川では20分ほど停車し、下りの特急「宗谷」と交換します。残念ながら私の指定券はここまでです。列車は音威子府行きですが、ここから先は取れませんでした。

 駅のホームでは、中川町内の弁当屋さんが弁当を販売していましたが、瞬殺されました。お店の方が驚いていました。恐らく来週からはもっと作ってくるのだと思います。


2019_07280486
2019_07280501 (天塩中川でキハ261形と交換)
 昨日剣淵で見かけた方にお会いしました。この方も昨日、えきねっとの空席を拾ったそうで、幌延→音威子府で取れたそうです。特急「宗谷」で豊富に戻り、下りの「風っこそうや1号」を撮影される今出川さんとはここでお別れです。お世話様でした、、、。またどこかで。。

2019_07280524 (音威子府へ)
 このあと私は、1234発の名寄行き普通列車に乗り、美深と和寒に寄り道をしたあと、一路、新千歳空港へ向かい、その日のうちに東京日野の自宅へ帰りました。

 北海道の夏にトロッコ列車はもってこいなので、余剰気動車を改造して北海道版の「風っこ」を作ってもいいような気がしています。「風っこ」が北海道を走ることは二度とないと思うので、乗れてよかったです、、、 

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