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2019年8月26日 (月)

山陰めぐりパス

 昨年の7月~9月に、山陰ディスティネーションキャンペーン(以下「山陰DC」)が開催されました。これに合わせて、観光列車「あめつち」がデビューし、鳥取~米子間に臨時特急「大山」(キハ189系使用)が運転されるなど、JR西日本も相当な気合を入れていました。

 「山陰めぐりパス」もこの一環で発売されました。京阪神地区から、「スーパーはくと」、又は「やくも」を使って山陰に入り、東浜~津和野間の山陰本線と、因美線の那岐まで、境線、木次線の油木まで、伯備線の上石見までの特急列車自由席が乗り放題となるきっぷです。往路と復路の経路は行きが「スーパーはくと」、帰りが「やくも」、及び新幹線経由、若しくはこの逆に限られ、同一経路での往復は認められていませんでした。

 これらの往復列車の指定席とフリーエリア、及びレンタカー特典、出雲の古代米プレゼント特典がついて、神姫ゾーン(立花~姫路間)発着で11000円(e5489利用時)という破格の価格設定でした。ちなみに、新神戸~米子間の通常料金が9950円、三ノ宮~鳥取間が6440円なので、これだけで十分に元が取れるというものでした。

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 さきほど、「e5489利用時」と書いたのは、駅の窓口やみどりの券売機でも発売されていますが、e5489で購入すると、500円引きになったからです。JR西日本の企画きっぷは、結構な数がe5489専用になっていたり、駅での購入より割安になっていたりしますが、このきっぷがその先駆だったように思います。

2018_11180002 (三ノ宮にて)
 山陰DCが開幕した直後の7月下旬に、未曽有の大水害を引き起こした「平成30年西日本豪雨」が西日本を襲いました。大きく報道されたように、山陽本線が3か月近く運休したり、芸備線が今でも運休しているなど、鉄道も大きな被害を受けました。当時の上司が水没した真備町の出身で、1週間以上会社を離れて救援に駆けつけていたのを覚えています。

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 各地で寸断された鉄道も、少しずつ復旧していきましたが、陰陽連絡を担う伯備線も長期間にわたり運休していたので、このきっぷも発売見合わせになりました。それまでに購入していた人には、新山口経由の迂回も認められていたようです。

2018_11180002 (三ノ宮にて)
 9月末になり、各地の復旧も進んできたところで、このきっぷの12月末までの発売期間延長が発表されました。観光客誘致のために政府が大盤振る舞いをした「西日本ふっこう周遊割」もあわせて、被災地域への観光客送客により、地域経済の活性化を狙ったものと考えられます。

2018_11180018 (浦富海岸)

2018_11180033 (美保神社)
 余談ですが、「西日本ふっこう周遊割」は、2泊以上、かつ2県以上に宿泊した場合に1泊あたり4000円の補助金を受け取れるものでしたが、利用要件がきつすぎたこともあり、利用が低迷していたため、制度開始1ヶ月後の10月1日から2県以上の縛りが外れ、新たに高知県、及び徳島県が対象地域に加わりました。補助金を受け取るには、最初から割引された旅行商品を購入するか、事後に個人で申請するか、の2通りがあり、後者は用意する書類が多く、かつ各県で様式が異なっていたり、と非常に手間が掛かりました。私は、岐阜県(2泊)、鳥取県、島根県、福岡県(2泊、JTBの宿泊のみ割引を利用)と計6泊分(24000円)の補助金を受け取りましたが、その手間は相当なものでした。それもあり、その後の北海道ふっこう割、新潟山形ふっこう割は旅行会社経由の割引とされています。

2018_11180046 (鳥取大学前にて)
 私はこれらの施策に乗っかり、11月に山陰への旅行を計画しました。会社終わりに、もはや恒例となった羽田2015発の神戸行きANA412便で実家に飛び、翌日、三ノ宮から朝一番の特急「スーパーはくと1号」に乗りました。何気にこの列車に乗るのは、めちゃくちゃ久々な気がします。新快速が走っているので、特急を普段使いすることはほぼありませんでしたので。

2018_11180136 (泣き浜の琴ヶ浜)
 鳥取で降りた後は、レンタカー特典を利用して、浦富海岸と美保関へ行ってきました。2日目は」「あめつち」に乗ったりして浜田へ。今度はトヨタレンタカーを借りて、益田の方へ行っていました。

2018_11180179 (米子にて)
 そして最終日の3日目、レンタカーを松江で返却し、米子(実際は安来)から特急「やくも」、「のぞみ」を乗り継いで、神戸の実家に帰りました。古代米のプレゼントは松江駅の観光案内所でいただいてきました。配布予定数に達し次第終了でしたので、もう無いかと思っていましたが、まだ普通にあるようでした。

 結局、特典と往復くらいしか使っていませんが、山陰本線は特急が高速化されているので、自由席に乗り放題なのはよかったように思います。破格の設定なので、再発売されることはないと思いますが。

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