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2019年8月の5件の記事

2019年8月28日 (水)

北常盤

2018_07290166 (北常盤駅)
 北常盤駅は、奥羽本線の川部から青森方に1駅行ったところにあります。南津軽郡の旧常盤村(現在は藤崎町)の中心駅で、1983(昭和58)年以降、簡易委託駅として、乗車券、指定券の発売が行なわれています。

 駅は、コミュニティ施設と同居しており、改札口の右手にきっぷ発売窓口と事務室があります。駅舎の大半はコミュニティ施設で、駅の待合室も兼ねています。

2018_07290167 (窓口は右手)
 弘前発青森行きの5両編成普通列車から降りた私は、跨線橋を渡り、窓口に向かいました。窓口には、津軽弁を話す委託のおばちゃんがいました。帰省に使う東海道新幹線の新幹線特急券と、通勤用の自由席特急券をお願いしました。

 「のぞみ」号の指定券は取り扱ったことがないらしく、時刻表を見ながら、「5030円で合ってるかい?」と聞かれました。たぶん合ってる、と答えると、POSをたたきながら、ん?値段が違うべ、と言いました。4820円にしかならんべ、と言っていると、もう一人、おばちゃんが戻ってきました。2人で時刻表のピンク色のページを見て、5030円だ、と。

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 お兄さん、この機械わかるかい?と聞かれ、画面を見せてくれました。券種のところが「ひかり・こだま」になっていたので、「のぞみ指定席かなんかあります?」と言いました。あったべ、値段も合ってる、と言って、やったことないから、と料補を書き始めました。こちらは手慣れたもんで、ささっと書き上げてくれました。

 このあとどこ行くん?と聞かれ、田舎館村の田んぼアート見に行きます、と言うと、あれは見事なもんだよ、と教えてくれました。ちなみに、どっかこのあたりで昼ごはん食べられるところは、駅のコミュニティ施設があるけれども、日曜だから休み、田舎館に行った方がよい、と言われました。

 駅を出て、すぐ右手に藤崎タクシーの営業所があります。1台いいですか、と声をかけると、ドアを開けたままこちらへ走ってきました。 田舎館村の村役場までは15分、1400円ほどでした。暑い青森の夏空の下を歩かずに済みました、、

2019年8月26日 (月)

山陰めぐりパス

 昨年の7月~9月に、山陰ディスティネーションキャンペーン(以下「山陰DC」)が開催されました。これに合わせて、観光列車「あめつち」がデビューし、鳥取~米子間に臨時特急「大山」(キハ189系使用)が運転されるなど、JR西日本も相当な気合を入れていました。

 「山陰めぐりパス」もこの一環で発売されました。京阪神地区から、「スーパーはくと」、又は「やくも」を使って山陰に入り、東浜~津和野間の山陰本線と、因美線の那岐まで、境線、木次線の油木まで、伯備線の上石見までの特急列車自由席が乗り放題となるきっぷです。往路と復路の経路は行きが「スーパーはくと」、帰りが「やくも」、及び新幹線経由、若しくはこの逆に限られ、同一経路での往復は認められていませんでした。

 これらの往復列車の指定席とフリーエリア、及びレンタカー特典、出雲の古代米プレゼント特典がついて、神姫ゾーン(立花~姫路間)発着で11000円(e5489利用時)という破格の価格設定でした。ちなみに、新神戸~米子間の通常料金が9950円、三ノ宮~鳥取間が6440円なので、これだけで十分に元が取れるというものでした。

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 さきほど、「e5489利用時」と書いたのは、駅の窓口やみどりの券売機でも発売されていますが、e5489で購入すると、500円引きになったからです。JR西日本の企画きっぷは、結構な数がe5489専用になっていたり、駅での購入より割安になっていたりしますが、このきっぷがその先駆だったように思います。

2018_11180002 (三ノ宮にて)
 山陰DCが開幕した直後の7月下旬に、未曽有の大水害を引き起こした「平成30年西日本豪雨」が西日本を襲いました。大きく報道されたように、山陽本線が3か月近く運休したり、芸備線が今でも運休しているなど、鉄道も大きな被害を受けました。当時の上司が水没した真備町の出身で、1週間以上会社を離れて救援に駆けつけていたのを覚えています。

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 各地で寸断された鉄道も、少しずつ復旧していきましたが、陰陽連絡を担う伯備線も長期間にわたり運休していたので、このきっぷも発売見合わせになりました。それまでに購入していた人には、新山口経由の迂回も認められていたようです。

2018_11180002 (三ノ宮にて)
 9月末になり、各地の復旧も進んできたところで、このきっぷの12月末までの発売期間延長が発表されました。観光客誘致のために政府が大盤振る舞いをした「西日本ふっこう周遊割」もあわせて、被災地域への観光客送客により、地域経済の活性化を狙ったものと考えられます。

2018_11180018 (浦富海岸)

2018_11180033 (美保神社)
 余談ですが、「西日本ふっこう周遊割」は、2泊以上、かつ2県以上に宿泊した場合に1泊あたり4000円の補助金を受け取れるものでしたが、利用要件がきつすぎたこともあり、利用が低迷していたため、制度開始1ヶ月後の10月1日から2県以上の縛りが外れ、新たに高知県、及び徳島県が対象地域に加わりました。補助金を受け取るには、最初から割引された旅行商品を購入するか、事後に個人で申請するか、の2通りがあり、後者は用意する書類が多く、かつ各県で様式が異なっていたり、と非常に手間が掛かりました。私は、岐阜県(2泊)、鳥取県、島根県、福岡県(2泊、JTBの宿泊のみ割引を利用)と計6泊分(24000円)の補助金を受け取りましたが、その手間は相当なものでした。それもあり、その後の北海道ふっこう割、新潟山形ふっこう割は旅行会社経由の割引とされています。

2018_11180046 (鳥取大学前にて)
 私はこれらの施策に乗っかり、11月に山陰への旅行を計画しました。会社終わりに、もはや恒例となった羽田2015発の神戸行きANA412便で実家に飛び、翌日、三ノ宮から朝一番の特急「スーパーはくと1号」に乗りました。何気にこの列車に乗るのは、めちゃくちゃ久々な気がします。新快速が走っているので、特急を普段使いすることはほぼありませんでしたので。

2018_11180136 (泣き浜の琴ヶ浜)
 鳥取で降りた後は、レンタカー特典を利用して、浦富海岸と美保関へ行ってきました。2日目は」「あめつち」に乗ったりして浜田へ。今度はトヨタレンタカーを借りて、益田の方へ行っていました。

2018_11180179 (米子にて)
 そして最終日の3日目、レンタカーを松江で返却し、米子(実際は安来)から特急「やくも」、「のぞみ」を乗り継いで、神戸の実家に帰りました。古代米のプレゼントは松江駅の観光案内所でいただいてきました。配布予定数に達し次第終了でしたので、もう無いかと思っていましたが、まだ普通にあるようでした。

 結局、特典と往復くらいしか使っていませんが、山陰本線は特急が高速化されているので、自由席に乗り放題なのはよかったように思います。破格の設定なので、再発売されることはないと思いますが。

2019年8月20日 (火)

宮古駅三鉄みどりの窓口

 宮古駅は、JR山田線と三陸鉄道リアス線の結節点です。駅前からは、盛岡行きの「106急行バス」が頻発運転しています。本数が極端に少ない山田線より、このバスを利用して盛岡に出るのが現実的な手段となっています。

2019_03240076 (宮古駅)
 それはともかく、今年の3月24日にリアス線が全線開業しました。その模様は、前回の記事で紹介しましたが、リアス線開業に伴って、宮古駅の管理が、JR東日本から三陸鉄道に移管されました。宮古駅には、みどりの窓口がありますが、この窓口業務も三鉄が引き継いでいます。

 では、北陸三セクのように、旅行会社扱いかというと、その点は、他のJR駅と変わりはなく、発売できるきっぷにも制限はありません。「みどりの窓口」の営業を三鉄が行なっているに過ぎません。クレジットカードも普通に使えます。営業形態としては、えちごトキめき鉄道に移管された直江津駅と同様です。

2019_03240078 (大混雑の窓口前)
 開業初日、リアス線に乗りに来た私は、久慈からの列車が宮古に着くと、すぐに窓口の列に並びました。宮古駅発行のきっぷを買おうと、大勢が並んでおり、5人目くらいでした。その後、列は長くなりました、、、

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 マルス端末を扱う窓口氏は、「三鉄」の名札を着用していて、まだ扱いに慣れないのか、ぎこちない手で操作していました。私が買ったのは、通勤用の特急券です。ビューカードを使うと、「東C」になります。

 隣には、三鉄の窓口があり、こちらでは硬券や補充券を普通に扱っていました。「片道途中下車きっぷ」を持っていたので、なにも買いませんでしたが。

 宮古駅の窓口販売の手数料も少しは、三鉄に入るでしょうし、JR山田線の列車よりもリアス線のほうが多い実態に鑑みると、この運営も効率的だと思いました。

2019年8月14日 (水)

三陸鉄道リアス線

 東日本大震災の津波被害で、長らく運休していた山田線の釜石~宮古間ですが、今年の3月24日に全線復旧し、三陸鉄道リアス線として開業しました。同じく津波被害を受けた大船渡線や気仙沼線がBRT化された一方で、沿線自治体がBRTを拒否し、あくまでも鉄道での復旧を求めたといいます。JR東日本としては、BRT化を提案していましたが、最終的に、鉄道設備の復旧は、JR東日本が行い、その後の運営は、三陸鉄道がこれを行う、という案で決着がつきました。

2019_03240086 (宮古発釜石行き)
 同じく被害を受けた三陸鉄道の南北リアス線が、比較的早期に復旧したのとは対比的に、JR東日本の路線が復旧するまでに、実に8年もの時間がかかったのは、国の災害復旧支援制度が関係しているとされています。

 当時の制度では、国の支援を受けられるのは、赤字の会社に限られており、それ故に黒字のJR東日本に財政支援は出来ませんでした。今は制度が改変され、一定の支援は受けられるようになっていますが。

2019_03240082 (宮古にて)
 全線復旧後の運行は、宮古、及び釜石で接続する三陸鉄道の北リアス線、及び南リアス線と一体化され、路線名称も久慈~盛間を通しで「リアス線」とされました。形としては、山田線の「復旧」ですが、地元では、三陸鉄道リアス線「全線開業」と言っていました。

 運行開始は、3月24日ですが、その前日には、関係者、及び招待客のみが乗車できる記念列車が運転されました。沿線では大漁旗などで盛大な出迎えが行われたそうです。その模様を、私は青森のテレビで眺めていました。

2019_03240089 (閉伊川橋梁)
 翌日、八戸から八戸線、久慈、北リアス線と乗り継ぎ、宮古駅に降り立ちました。駅舎内は、遠方から乗りに来た鉄道マニア、地元の人で溢れかえっていました。改札口前には、次の釜石行きを待つ人が長い列を作っていました。

 みどりの窓口で用事を済ませた私は、(これは次回記事にします)その列に並ぶ前に、隣の三鉄ショップで記念品を買いました。AirPayが導入されていて、クレジットカード、Suicaまで何でも使えました。

2019_03240091 (対向の久慈行き)
 改札に戻ると、さきほどの長蛇の列は、列車内に移動したようでした。列車は、一般形と、レトロ車両の2両編成でした。ちなみに、前日の記念列車は、4両編成だったようです。

 先頭車両の一番前に陣取って、宮古を出発です。津波被害を受けたところは、真新しい白いバラストと真っ白なPC枕木が敷かれた線路で、駅も綺麗に作り直されていました。それでは、被害の無かったところは以前のままかと言うと、そういう区間もありましたが、特に曲線を中心にレールの交換などがなされていました。

 中間駅の各駅で乗降が多く、ワンマン運転のこの列車は運転士がその度に運賃三角表を見ながら精算していました。沿線の人たちも、列車が来れば、手を振ったり、オ、列車が来たぞ、みたいな顔でこちらを見ていたり、と開業初日らしい雰囲気でした。8年も錆びつくばかりの鉄路に列車が走ってきたのですから、そうなるのもよくわかります。特に印象的だったのが、降りるときに、おばさんが、「これからもよろしくお願いします」と言っていたことでした。

2019_03240090 (陸中山田駅)
 途中の主要駅、陸中山田では、地元客のほぼ全員が入れ替わりました。簡易委託で、硬券やら補充券やらを発売しているようです。実際、硬券のきっぷを持った人も多く乗ってきました。

 陸中海岸は、言わずと知れたリアス式海岸で、リアス線も、海辺を走ったかと思えば、山奥を走ったりします。並走する国道の車が、列車に速度を合わせて走り、中から子どもが手を振っていました。運転するお父さんも、こっちを指差したりしていました。


2019_03240094 (大槌→鵜住居)
 特に被害の大きかった地域では、町ごと造成中で、新興住宅地かと見紛うような整然とした町並みが広がっていました。その一方で、まだまだ空き地も多く、復興は遠いような気がしました。阪神大震災を受けた神戸ですら、20年以上経った今でも、時々震災の爪痕を見かけるくらいなので、息の長い事業です。

 釜石までは1時間半で、表定速度は40km/h前後です。旧山田線時代は、盛岡直通の快速「はまゆり」が宮古発釜石経由で片道1本のみ走っていましたが、今はすべて普通列車で、朝の岩手船越→宮古の区間列車を除いて、釜石⇔宮古の通し運転(上下11往復)で、一部の列車は、盛、又は久慈まで直通しています。

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 この日のきっぷは、企画きっぷの「片道途中下車きっぷ」を使いました。名称からわかる通り、途中下車可能な片道券で、値段は、通常のきっぷと同じです。ただし、設定区間は限られています。三陸鉄道は全線乗りとおすと、163kmもあり、日本最長の第三セクター鉄道ですが、線内のきっぷは途中下車不可です。100km以上のJR連絡券を買えば、連絡運輸規則に基き、途中下車可能になりますが。

 久慈で八戸線から乗り換える合間に窓口へ行って購入しました。車内での発売はありませんので、必ず乗車前に買う必要があります。

 その後は行っていませんが、これからもがんばってほしいと思います。

2019年8月12日 (月)

AIRDOきた北海道フリーパス

 北海道を拠点にする地域航空会社のAIRDOは、昨年20周年を迎えました。それを記念して、JR北海道とタイアップして、「AIRDO20周年ひがし(きた)北海道フリーパス」というフリーきっぷを発売することが発表されました。発売期間は、今年の3月末まででした。

 「ひがし」と「きた」の2種類があり、新千歳空港‐南千歳‐追分のライン以北(小樽、及び富良野を含み、札沼線を除く)から、「きた」は、旭川から宗谷本線稚内までと留萌線、「ひがし」は、道東方面の、いわゆる「石勝石北線」と根室までが含まれた範囲の特急列車自由席が乗り放題のきっぷでした。

 値段は、「きた」が12500円で、「ひがし」は15500円です。更に、25歳以下の場合は、「U25」と称して、それぞれ10000円、12000円になりました。

 発売条件は、「きた」が、新千歳、旭川空港到着、「ひがし」が、これに加えて、帯広、釧路、女満別空港到着のAIRDO便に搭乗し、到着当日に、みどりの窓口で、ピンク色の「ご搭乗案内」を提示することでした。新千歳着のLCCを対象にした同様のフリーパスは発売されていますが、フルサービスキャリアの航空会社とタイアップするのは一部の例外を除いて初めてなのではないかと思います。
(補足[元.08.13]:ANAとJR北海道のタイアップで、「北遊きっぷ」という企画きっぷが15年前くらいに発売されていたそうです。ANAの超割を利用し、搭乗半券を提示すると、道央の特急列車自由席が1日乗り放題で、3000円だったようです。)

 今年の2月に道東へ行こうとしていた私は、これを使おうと思い立ち、ANAの予約サイトから、旭川行きのAIRDO運航便を予約していました。ちなみに、AIRDOとANAは、共同運航、いわゆる「コードシェア」をしており、AIRDO運航便でもANA便名での予約が可能で、ANAのマイルが溜まります。

 発売条件に、コードシェアのANA便名で予約の場合を除く、とは明記されていなかったので、なにも考えず、ANA便名で予約をしていました。出発前にふと気になって、JR北海道にメールで問い合わせてみたところ、「コードシェア便でANAから予約された場合は対象外です」と返答されました。今更言われても遅い感が否めませんが、聞いてダメと言われてしまった以上、その時は利用を諦めました。空港から駅までのバス割引券やら、レンタカー割引、行く予定はありませんでしたが、旭山動物園の入場料込み、などとなかなか魅力的なきっぷでした。

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 その後、発売終了かと思いましたが、4月から、「20周年」の文字と旭山動物園の特典を抜いて、再発売されました。そのプレスリリースを見ると、今度は、共同運航便は、AIRDOから購入された場合のみ、と明記されていました。

2019_07280598 (特急「サロベツ」美深にて)
 つい先日、7月末から運転を開始した「風っこそうや号」に乗るため、道北旅行を計画していた私は、「AIRDOきた北海道フリーパスU25」を利用することにしました。有効期間4日間、というのも丁度良かったです。なにより、北海道内、特に宗谷本線の名寄以北は、普通列車の本数が、朝、昼、夜、くらいにまで減らされていること、しかも、その内記事にしますが、台風並みの前線が宗谷管内に大雨を降らせていて、行程変更を余儀なくされ、特急列車を自由に乗り降りできる、というのはとても重宝しました。強いて言うなれば、道内の長距離特急は自由席が少なく、しかも混み合う傾向にあるので、指定料金追加か、回数制限で指定席の利用ができると、なお良いように思いました。まあ、これだけ乗れて、10000円なので、文句は言えませんが。新千歳空港から旭川まで特急で往復するだけで十分元が取れます。

 このきっぷを使って、夏の道北を満喫してきました。天気は悪かったですが。

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