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2019年7月の4件の記事

2019年7月21日 (日)

おうめ

 今年3月のダイヤ改正まで、東京~青梅間を結んでいた「青梅ライナー」に変わり、改正後は、特急「おうめ」が走っています。「青梅ライナー」時代は、朝の上り1本、夕方から夜の下り3本でしたが、「おうめ」は、上下とも1本になっています。

 ダイヤは、「青梅ライナー」時代とほぼ同じです。

[上り]2号

青梅0616発→東京0731着

[下り]1号

東京2230発→青梅2347着

Img_4265 (立川にて)
 下りは、ちょっと遅い気もします。改正前はこの時刻で「中央ライナー7号」が走っていましたが、金曜日や年度末を除くと、基本的にがらがらでした。「おうめ」がどうなのかはよくわかりません。

 中央線特急は、全車指定席化と同時に料金改定がなされ、東京・新宿から、立川・八王子、拝島、河辺までは750円ですが、東京から青梅まで乗ると、1000円に跳ね上がります。これまで510円だったのが、倍になったので、青梅から乗る人は減ったのかもしれません。

 しかしながら、朝の上りは、10分後に、八王子からの「はちおうじ4号」が続行しているにも関わらず、常に満席です。それも、えきねっとチケットレスの事前予約をしている通勤客が大半のようで、1ヶ月前10時の発売開始と同時に瞬殺されます。

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 朝の出勤時間は、大体決まって、いつも同じでしょうから、乗ると決めれば、さっさと事前予約をしてしまうのだと思います。えきねっとチケットレスの事前予約では、最大2ヶ月間、一度の操作で予約ができます。しかも、曜日のボタンを押すと、当該曜日を全部選択可能、そのあとで特定の日だけを外すことも可能、という優れものです。かく言う私も、毎朝「はちおうじ2号」をまとめて確保しています。ちなみに、「はちおうじ4号」も同じく瞬殺されています。2号は少し早いので、瞬殺、ということはありませんが、毎朝ほぼ満席です。

 よって、上りの「おうめ2号」は、ふと思い立って、座って乗れる列車ではありません。たまたまえきねっとを見ていて空席を見つけたときに、乗ってきました。立川からの乗客もかなり多いです。このときは出勤時間に比して早すぎました。今は晴海に出向していて、かつ朝早いので、「はちおうじ2号」で丁度良いのですが。乗ってしまえば、「はちおうじ」も「おうめ」も同じです。

 朝の上り通勤特急は、増発すれば幾らでも乗る人はいると思いますので、日常的な利用者としては、増発を望んでいるところです。「はちおうじ4号」の前身の「中央ライナー4号」は最近増発された列車ですが。

2019年7月15日 (月)

まる得ひかり・こだま

 東海道新幹線の「こだま」利用時に限り通常料金より割安となる「ぷらっとこだま」という旅行商品が、JR東海ツアーズから発売されていますが、山陽新幹線にも同じような旅行商品が設定されています。片道から利用可で、利用列車は「こだま」と一部の「ひかり」に限定されています。

 九州新幹線の全線開業時に、山陽「ひかり」は、そのほぼ全てが「さくら」に移管されましたので、一部の「ひかり」、と言っても、利用できるのは、上り下りとも2本のみで、そのうち1本はほぼ各駅停車の「ひかり」です。速達列車は、下りの「ひかり491号」と、上りの「ひかり444号」の各1本のみとなっています。

 この旅行商品は、私が調べたところ、日本旅行、JTB、阪急交通社の3社から発売されていて、区間は、新大阪、又は新神戸~小倉、又は博多間、と同じであるものの、価格が若干異なります。更に言うと、効力も微妙に違っています。

 日本旅行は、「バリ得こだま・ひかり」、JTBは、「トク得ひかり・こだま」、阪急交通社は、「まる得こだま・ひかり」という商品名です。

     新大阪  新大阪  新神戸  新神戸
     小倉   博多    小倉   博多
日旅   6,900      7,500      6,700      7,300
JTB   6,700      6,900      6,100      6,300
阪急   7,100      7,500      6,900      7,100

 こうして見ると、JTBが一番お得です。なお、日本旅行には、西明石、及び姫路発着のプランもあります。ここでは、小倉、博多発着のみ掲載していますが、各社とも、九州新幹線の「つばめ」に乗り換えて、熊本、鹿児島中央、又は九州新幹線各駅までのプランも発売しています。なお、九州新幹線内各駅までの設定があるかどうかは各社で異なります。

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 通常料金ですと、新神戸~小倉間で13,810円なので半額近いです。しかしながら、安いものには訳があるもので、この旅行商品は、「指定列車以外利用不可」、更に阪急交通社以外は、「券面指定区間以外での乗降不可」という条件が加わります。

 指定列車以外利用不可なのはいいとして、指定区間以外での乗降不可、というのは、つまり、いわゆる「内方乗車」禁止ということで、例えば、小倉まで買っておいて、新下関で降りたりすると、当該きっぷは無効となり、全区間の普通運賃・料金を請求する、ということです。あくまでも九州発着に限る、という趣旨なのでしょう。

 ところが、先述の通り、この「内方乗車」禁止、という文言は、阪急交通社のプランには記載がありませんでした。「途中下車はできません。途中下車されると前途無効になります」とは書いてありますが、これは内方乗車を禁止するものではありません。そうすると、内方乗車は、推奨はしませんが、禁止ではない、ということになります。

Img_4486 (新神戸にて)
 先週、下関から山陰本線で出雲方面へ行く際、新下関で新幹線を降りようと画策していた私は、何気なく阪急交通社のページを見ていて、これを見つけました。書いてないならいいだろう、ということで申し込みました。申し込み後、出発の1週間前に簡易書留できっぷと、小倉駅、又は博多駅構内の指定店舗で使える200円分のクーポンが自宅に送られて来ました。新下関で降りてしまうので、このクーポンは使わなさそうです。1ヶ月間有効なのですが、その間に九州へ行くことはなさそうですし、、、

Img_4487 (新下関駅)
 7月6日土曜日、実家から新神戸まで車で送ってもらい、名古屋始発の「ひかり491号」に乗り込みます。満席近い乗車率で、通路側しか取れていませんでした。どうせ寝るのでどこでもいいですが。この列車は、途中、姫路、岡山、福山、広島、新下関、小倉のみ停車の速達ひかりです。

 梅雨の真っ只中でしたが、下関は快晴の青空でした。券面に「指定区間以外乗降不可」等の文言もなく、改札で「乗車記念」のスタンプを捺してもらいました。この先の2日間、山口県、島根県とも青空が広がっていました。

2019年7月 9日 (火)

にちりんシーガイア

 日豊本線の特急列車は、概ね次の3つの区間に分かれています。

 1 博多~大分間 「ソニック」

 2 大分~宮崎(宮崎空港)間 「にちりん」

 3 宮崎~鹿児島中央間 「きりしま」

 「ソニック」が毎時2本のほかは、毎時1本が原則です。しかしながら、これらはあくまでも原則であり、延岡~宮崎空港間の「ひゅうが」や、霧島神宮発着の「きりしま」、小倉発の「にちりん」があります。

2019_01280101 (宮崎にて)
 特急「にちりんシーガイア」は、博多~宮崎空港間を通しで運転する列車で、大分で系統分離される前、博多~宮崎間を結んでいた「にちりん」の後継列車といえます。783系、又は787系で運転されており、振り子機能はないものの、博多~大分間の所要時間は、「ソニック」とさほど変わりません。この列車が存在すること、及び従前は大分での乗り継ぎがなかったことに鑑みて、大分で「ソニック」と「にちりん」を乗り継ぐ場合は、特急料金、及びグリーン料金を通算することになっています。

2019_01280103 (787系)
 大分以南と福岡県内を直通する旅客は結構多くいるようで、私は1月下旬に宮崎から行橋まで乗りましたが、指定席の乗客は、殆ど動きがありませんでした。小倉か博多まで行くのでしょう。

 福岡~宮崎間は、航空路線もありますが、列車での移動需要も高いようです。JQカード会員限定にはなりますが、JR九州ネット予約「eきっぷ」を使えば、特急券のみで1650円、九州ネットきっぷ(乗車券つき)であれば、5660円と、かなり安くなります。正規料金は8220円です。

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 なお、特急「にちりんシーガイア」は上り2本、下り1本が運転されています。私が乗ったのは、上りの2本目で、787系の運転でした。行橋に着いたのは、2211で、駅前のビジネスホテルに泊まりました。このときは、西日本周遊ふっこう割を使うために、福岡県内まで行って宿泊しようと思い、宮崎から「にちりんシーガイア」でギリギリ福岡県内の行橋まで向かったのでした。

 余談ですが、ネットきっぷの値段を調べようと、JR九州のネット予約サービスにログインしてみると、いつの間にか予約画面が変わっていて、これまでは、一度で、特急券のみか乗車券つきか、はたまた通常料金かeきっぷかを選べていたところ、「支払い」のフェーズまで行って初めて乗車券付き、不要、を選択できるようになっていました。フェーズが「支払い」になるので、クリックするのを一瞬躊躇いました。特急の乗車区間ごとに乗車券を分割させよう、という意図なのでしょうか。よくわかりませんが、前のほうが使いやすかったような気がします。

2019年7月 2日 (火)

「令和」ゆかりの地、太宰府市坂本八幡宮

 新元号「令和」は、日本の歴史上初めて、日本の古典を出典とする元号として平成31年4月1日に菅官房長官が発表しました。古来より元号は中国古典から採られていたため、「元号所縁の地」は、中国大陸にはあれど、日本国内には存在し得ませんでした。それが「令和」は、万葉集を典拠にしているため、国内に、「令和所縁の地」が生まれました。

 その地は、福岡県太宰府市にあります。太宰府市は、その名の通り、太宰府天満宮のある街ですが、新元号令和ゆかりの地も、その大宰府天満宮のすぐ近くにあります。7世紀後半、奈良の大和朝廷は、九州の統治、及び防衛のため、太宰府政庁を設置しました。その規模は、平城京に次ぐものであり、一説によると、南北22条、東西24条の都市計画があったとも言われています。万葉集には「遠の朝廷」と詠まれています。

 天平2(730)年正月13日、大宰師(大宰府長官)であった大伴旅人の邸宅で、いわゆる「梅花の宴」が披かれました。当時、梅は唐から渡来した珍しい植物であったそうです。九州各地から官人が集まってきて、梅の花を愛でながら宴に参列しました。ちなみに、「太宰府」は、「大宰府」との表記もされますが、「点」の無い「大宰」は、官名を指し、地名の場合は「太宰」と書くのが一般的だそうです。

 当時の宴には、歌が付き物でした。多分にもれず、「梅花の宴」でも計32首の歌が詠まれました。これらの歌を記した書簡をもって大伴旅人は帰京します。帰京後、これらの32首は、万葉集の巻五に収録される運びとなりました。

 これらの歌の序文として、「初春の令月にして」で始まる一文が書かれています。原文は漢文ですが、書き下しても美文中の美文だと思います。

「初春の令月にして 気淑く風和らぎ

梅は鏡前の粉に披き 蘭は珮後の香を薫る」

 序文はまだ続きますが、この格調高い一文の「令」と「和」をとって、「令和」の新元号は生まれました。元号発案の学者名を政府が明かすことは絶対にないですが、これは、当該学者の権威が著しく高まるのを懸念してのことだとも言われています。個人的にこの元号は、綺麗な元号だ、と思いますが、周りも同意見の人が多かったです。

 今上天皇のご退位に伴う改元、というのは憲政史上初めてのことで、改元前後は祝賀ムードでした。日本史を学んでいるときに、世相が悪くなってくると、時の政府は「改元」という措置をとった、とありますが、この祝賀ムードを見ていると、改元するというだけで、言ってしまえばなにが変わる訳でもないのに、なんとなく新しい時代が来るのだから、という気になるのはよくわかる気がしました。「上皇」という字を見て、平安時代か、と思いましたが、日本史が大きく動く時代に生きていたことは嬉しく思っています。

2019_04280110 (都府楼前駅)
 さて、漸く本題です。本題とは言いつつも、今回はきっぷブログにあるまじく、きっぷはあくまでも「従」で、「主」は、令和の旅です。

「梅花の宴」が披かれた大伴旅人の邸宅がどこにあったのかは、これまた諸説ありますが、太宰府政庁のすぐ北西にある「坂本八幡宮」のあたりにあったとする説が有力だそうです。よって、この「坂本八幡宮」が新元号令和ゆかりの地、ということになります。

2019_04280111 (天神行き)
 改元に伴う10連休の前半に、福岡県を旅していた私は、天神から西鉄に乗って、都府楼前で降りました。太宰府市内の住宅地を10分ほど歩くと、太宰府政庁跡に着きます。一見すると広い公園のように見えますが、建物の基礎部分が出土しています。


2019_04280106 (太宰府政庁跡)
 改元に伴い観光客増が見込まれることを理由に、一部車両通行止めとされており、当該告知の看板には、「令和元年」の文字がありました。その道を少し歩くと、坂本八幡宮です。小さな神社で、普段は地元の人でも行かないような神社だったそうですが、この日は境内の外まで列が出来ていました。氏子会の方がテントを張って、観光案内をしていたり、「令和」の額縁を持たせて記念撮影をしていたりしていました。あまりの観光客の多さに、年配の氏子会の方が体調を崩されて改元直後から休止となったようですが。
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2019_04280103 (坂本八幡宮)
 神殿も小さく、一度に参拝できるのは2人まででした。改元を機に脚光を浴びるまでは、静かな社だったのだと思います。参拝後、多分に漏れず、私も「令和」の記念撮影をしていただきました。来年の年賀状写真はこれで決まりですかね、、、

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 資料館に立ち寄ると、どこから来ましたか、と聞かれました。来館者の統計を採っていたようです。圧倒的に首都圏が多かったように思います。

 雨がぱらついてきたこともあり、「令和」の幟がはためく都府楼前駅から、天神行きの普通電車に乗り込みました。

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