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2019年5月の7件の記事

2019年5月25日 (土)

糸島高校前

 今年3月のダイヤ改正で、筑肥線の波多江~筑前前原間に、新たに「糸島高校前」駅が開業しました。当駅の周辺には、名前の通り、福岡県立糸島高校が立地しています。

2019_04280118 (北口)
 福岡県の糸島合同庁舎が位置し、駅の南側では、区画整理事業が進み、市街地化が見込まれることから、糸島市の請願駅として設置されました。総工費は、およそ25億円で、全額を糸島市が負担しています。

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 筑肥線のこの区間は、福岡市営地下鉄空港線(姪浜~福岡空港)と一体化した運行が行われており、JR車両だけでなく、地下鉄車両もそのまま乗入れて来ます。福岡中心部の天神まで約30分と、通勤には丁度良い立地です。

 昨年の夏に糸島へ行って、すっかり気に入ってしまった私は、長距離きっぷを持って、史上初の10連休となった改元GWに、また天神から地下鉄に乗っていました。ただし、残念ながらこの日は曇りがちな天気でした、、、

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 きっぷは筑前前原まででしたが、一駅手前の糸島高校前で降りてみました。駅の南側は、まだ区画整理中の土地が広がっており、所々住宅が建築中でした。代わって、北側に出ると、駅前にホテルとスーパーがあり、昔からの街並みが続いています。

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 駅は、白基調の小奇麗な雰囲気で、駅名のローマ字はカラフルな細字で書かれています。改札横には、みどりの窓口が設置されています。筑肥線の姪浜~筑前前原間は、地下鉄管理の姪浜を除き、全駅、窓口があります。 筑前前原までのきっぷは持っていましたが、その先の筑前深江まで買いました。窓口氏は、改札も兼務しているようです。
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 この10連休は、どこに行ってもスーツケースを運ぶ人を目にしましたが、糸島高校前から西唐津行きに乗る人は多くはありませんでした。

2019_04280124 (西唐津行き)
 晴れていれば、筑前前原からレンタサイクルでも借りて、また糸島観光に行く積りでしたが、それはまた今度の機会にしようと思います。

2019年5月19日 (日)

3月16日「かいじ123号」

  また続けて中央快速線特急列車の話題です。いつも使っている路線だけあって、いろいろとネタがあるもので、、、

 ダイヤ改正の際に、日付を跨いで運転される列車には、いわゆる「補充券案件」が数多く存在します。例えば、改正による時刻変更で、前日の列車(指定席あり)が、深夜、日付を超えて走っている区間を、翌日の列車が日付変更前に通る、というような場合、同一区間を、同一列車名の列車が走ることになるので、マルスにエラーが生じます。これが広範囲に渡るのであれば、号数を臨時に変更するなどして対処することもあります(定期列車時代の快速「ムーンライトながら71号」等)が、深夜の、そこまで利用客の多くない時間帯であれば、前日の列車の一部区間に発売制限を掛けて、都合の悪い区間は、発売不可という措置が取られることもあります。とはいえ、列車は走っているのですから、もし仮に、当該区間だけの指定券を購入しようとする旅客が現れた場合、指定券を発売しないわけにはいきません。そこで、前後の区間の席を押さえる等して、座席を確保したあと、補充券による発券がなされることが多いです。

 

 3月の中央線特急列車でも、似たような現象が生じました。日付を超えて運行されるのは、改正前日の2245に東京駅を出発する「かいじ123号」甲府行きです。大月0005発で日付を超えます。翌日の列車は時刻変更もなく、更に列車名が「かいじ23号」に変わります。しかしながら、全車指定席になり、自由席の設定がなくなります。

 自由席特急券は、任意の区間、即ち仮に特急列車の走っていない区間であっても発券は可能、という話を聞いたことがありますが、その真偽はともかくとして、マルスでは、少なくとも中央線の特急運行区間に関しては、3月16日以降、自由席特急券は発券不可、の設定になっているようでした。

 そのため、3月15日東京駅発の「かいじ123号」に、大月から自由席利用で乗車する場合、日付は3月16日となっていることから、マルスは、当該区間の自由席特急券につき、発売不可、を返答しました。こうなると、補充券による発券となります。

 自由席ですので、車内発売が可能です。Twitter等を見ていると、車内に誘導された、窓口では発券しないことになっている、と言われた、などといった書き込みがありましたが、わざわざ事前に補充券で発売する意味は余りないので、確かにこれも一理ある気がしました。

 そこで、私は、立川駅の窓口に行き、「3月16日 かいじ123号 大月→甲府 自由席」と記入した申込書を黙って出しました。窓口氏は、ささっとマルスを叩き、「再考」が返って来たのをみて、「前日15日に東京駅を出るかいじ123号に大月から乗る、ということでよろしいでしょうか」と私に確認を取った上で、奥に下がり、料補を持って来ました。

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 5分くらいで出来上がりました。券面を見ると、記事欄に、「3月15日東京駅始発の「かいじ123号」大月~甲府に限り有効」と書かれていました。どうもこれを記入するよう、通達で定められていたようです。紙を見ながら書いていたので。。

 私は、買っただけで、実際に乗りには行きませんでした。甲府に深夜1時前に降ろされてもどうしようもないですし、、、いつも通りがらがらだったようです。

2019年5月15日 (水)

「はちおうじ」

 中央快速線の特急列車が全車指定席化されたことは、たびたび記事にしていますが、これと同時に、通勤ライナーの「中央ライナー」「青梅ライナー」も特急化されました。

 東京~八王子間が、特急「はちおうじ」、東京~青梅間が特急「おうめ」という名称になりました。「中央ライナー」が、東京~高尾間(一部八王子)だったことを考えると、若干運転区間が短縮されていますが、これは、特急料金制度と関係していると思います。

 中央快速線の特急料金体系は、50kmまで750円、100kmまで1000円ですが、東京~八王子間が47.4kmなのに対し、高尾まで行くと、53.1kmと、わずかに50kmを越え、1000円になります。これまでのライナー券が510円だったことを考えると、倍になり、需要が見込めない、という判断なのでしょうか。ちなみに、東京~青梅間も50kmをわずかに越え、1000円です、、、

 朝の上り「はちおうじ」は、2号、4号とも、旧「中央ライナー」2号、4号とほぼ同時刻で運転され、八王子始発です。下り列車は、東京発18時以降で、これまで新宿基準で、特急は、00分、30分発、ライナーは、15、45分発で固定されていたところ、運転間隔の平準化、という観点から、この法則はあてはまらなくなっています。

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 例えば、これまで20時台は、00分「スーパーあずさ33号」、15分「青梅ライナー3号」の次、2100発「あずさ35号」まで45分空いていた(金曜のみ、30分「かいじ187号」あり)のが、改正後は、以下のようになりました。

20 00 あずさ33号
   16 かいじ87号(金曜のみ)
   
30 はちおうじ5号
21 00 あずさ35号

 その一方で、19時台は、これまで、00分「あずさ31号」、15分「中央ライナー3号」、30分「かいじ119号」だったのが、かいじ119号が、東京始発になり、

19 00 あずさ31号
   30 かいじ19号(東京始発)
20 00 あずさ33号

と、1本減便されました。1930発の「かいじ119号」は、割と空席の目立つ列車だったので、利用率を考えると、当然の結果だとは思います。ところが、その結果、東京始発の「かいじ19号」は、東京発車時刻の大体8分前には、満席になってしまい、新宿発車時刻間際には、ほぼ取れない、という状況になりました。

 これ以外にも、3本あった「青梅ライナー」が1本の「おうめ」になり、1本は「はちおうじ」、1本は19時台減便の影響で、実質的に廃止となりました。

 全車指定席化されたことで、中央快速線内は、実質的に値上げがなされましたが、通勤客の需要は根強く、ちょっとやそっと高くなったくらいでは、結局、乗客数は減らず、全列車が、毎日、ほぼ満席で走っています。列車にもよりますが、7、8分前には満席になっていたライナーと同じような状況です。また、通勤客は、ほぼ全員がチケットレスで乗っています。

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 個人的に、この全車指定席化は、値上げがなされたとはいえ、携帯から予約ができ、ライナー券を買いに、新宿駅を走ることもせずに済むので、有難いです。ただ、発車30分前に満席になってしまうのと、(特に金曜日)さらに、一番の問題点は、前にも書きましたが、チケットレスが列車限定、かつ未指定のチケットレスが存在しないことではないかと思っています。

 そう言えば、ライナー時代にも、駅で「ライナー券をお持ちでない方は、デッキ、通路を含めてご利用になれません」と言っているにもかかわらず、強行乗車する人が、多い時だと、各デッキ7、8人いて、車掌氏も、何も言わず、立席ライナー券を発売していました。車掌氏が1人、新宿発車後に先頭から順番に回っていました。一番面白かったのが、新人の車掌氏でしょうが、「ライナー券をお持ちでない方は、今すぐに降りて下さい。ルールを守ったご利用をお願いします」と新宿停車中に言っていたことです。ここまではっきり言う人は後にも先にも、これ1回きりでした。

 また、車内料金が導入されたこともあり、車内精算をする人は、ほぼいなくなりました。発車直前にホーム上の券売機で購入していると、「券売機対応中。」と放送を入れて、発車を遅らせてくれています。それから、階段を走っていても、「前寄り乗車中」と待ってくれます。駅員氏が、いつも階段を見張っています。

 先に全車指定席化された常磐線や高崎線がどうなのかはわかりませんが、中央快速線に限っては、JR東日本の目論見どおり、毎日大盛況で、かなりの増収になっていると思います。

 問題点としては、前述の未指定チケットレスがないことと、八王子までの通勤客が、チケットレスの事前予約で席を早々と押さえてしまい、長距離客が取れないことでしょうか。八王子から先の空席をみてみると、だいたい5割を切っています。

2019年5月11日 (土)

分倍河原発行の片道補充券

 京王線と南武線の乗換駅である分倍河原は、京王電鉄が管理する駅です。朝の通勤ラッシュ時には、乗換客が殺到して、狭い階段、通路がいつも渋滞しています。JRの改札はありますが、JRの駅員はいません。改札も京王がやっています。時刻表等では、みどりの窓口も無いことになっています。実際、ありません。JRの自動券売機はありますが、指定席券売機もありません。

 しかし、京王の定期券売り場で、当日、当駅発の乗車券、及び回数券については発売しています。マルスもPOSも無いので、補充券による発行です。だいぶん前に、分倍河原発行の往復補充券を紹介しましたが、今回は、片道補充券(片補)です。

 運賃を確認するために、府中本町へ電話をしているそうで、一旦、手作業で運賃を調べてから、電話をしています。この日、行った時は、「なかなか電話が繋がらないので、いつ出来上がるかわからないですけど、いいですか」と予め確認されました。もう一人待っている人がいて、出来上がるまでの間、暫く話していました。昨年3月限りで廃線になった三江線経由の乗車券を頼んだようでした。30分かそこら待って、ようやく出来上がりました。
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 発駅、発行駅が分倍河原で固定された補充券です。ちなみに、区間、経路の制限は無いそうです。100kmまでの区間は、券売機で買えるので対象外ですが、、、

 私は、このきっぷを持って、あしかがフラワーパークに行ってきました。まだ、「あしかがフラワーパーク」駅が出来る前だったので、隣の富田から歩きました。藤祭りが有名ですが、冬期間は、イルミネーションをやっています。

 

 京王分倍河原の定期券発売窓口は、4月12日で閉鎖されました。3月20日付で、プレスリリースが出ていました。なお、同プレスリリースの中で、「JR線の定期券以外の乗車券類につきましては、引き続き発売いたします」との記載があることから、補充券による乗車券の発売は、継続されるようです。聞いた話では、改札で申し出れば、対応してくれる、とのことでしたが。

 余談ですが、旧桜菊観光(京王観光大阪支店等)が、指のみ機能を悪用して、JRから1億8000万円の賠償請求された事件で、京王観光とJRとの発券委託契約が解除になりました。京王観光では今後一切JR券が発券できなくなるようです。この問題が発覚したのが今年の1月で、処分が決まったのが先月4月暮れでした。分倍河原の本件がこれと関係があるのか無いのかはよくわかりません。JR券の発券はこれま通り続ける、としているので、単なる偶然なのでしょうか、、、

2019年5月 8日 (水)

DLばんえつ物語

 新津のC57-180号機は、磐越西線の「SLばんえつ物語」などの運用に就く機関車で、新津小学校で静態保存される際、国鉄線から当該小学校の敷地内まで、仮設の線路を敷き、保存場所まで自走していったことでも有名です。

 この機関車に、昨年7月13日、不具合が見つかり、長期の修繕がなされています。原因は、炭水車の車輪にあったようで、8つある車輪のうち、不具合が見つかったのは、1つですが、一から部品を製作する必要があり、また、同年10月以降は、保安装置更新を含む大規模な定期検査が控えていたことから、同日以降、平成30年度の運転が断念されました。修繕は、今年、令和元年度の初夏には終わる予定で、夏以降の復帰が見込まれています。

 そのSL修繕期間中、客車を遊ばせておくわけにはいかず、新津~会津若松間に、「SLばんえつ物語」の所定時刻で、快速「DLばんえつ物語」が運行されています。「X‘masトレイン」なども例年通り運行されました。牽引機は、同じく新津のDE10です。

2018_08190263 (新津にて)

 去年の8月、鶴岡の花火を見て来た私は、新潟市内のホテルに宿泊していました。それで当日、新潟駅万代の窓口へ行き、新津からの当列車の指定券を頼みました。ボックス一つ空いているところを探してもらい、そこの窓側を取りました。幾らでも空いている状況でした。「DLばんえつ物語」としての運行が発表されたのが7月25日であったこともあるのだと思います。
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2018_08190269 (「DLばんえつ物語」のサボ)
 「ばんえつ物語」は、青色塗装時代に1回乗ったことがあったきりなので、相当ご無沙汰しています。SLではないので、子ども連れなどは少なく、同業者の姿が目立ちました。それでも、DL牽引の客車列車も、今では珍しく、窓を開けて、磐越西線の旅を楽しみました。

 私は、喜多方で降りましたが、列車は会津若松行きです。駅前で、喜多方ラーメンを食べて、そのあとの列車で郡山へ向かいました。

2019年5月 5日 (日)

広島~海田市間「折返し分岐の特例」適用除外

 旅客営業規則(以下「旅規」)において、新幹線は、並行する在来線と原則的に同一の路線として扱うこととされています。(旅規16条の2第1項)ただし、新幹線単独駅等の前後の区間については、別線扱いとすることが定められています。(同条2項)この規定により、例えば、芦屋→新大阪→新神戸、といった経路の乗車券について、片道として発売できるようになります。(図1)新幹線の単独駅のある区間を並行在来線と同一路線として扱うと、当該駅の取扱いに不都合が生じるからです。

1 (図1)
 また、並行在来線が第三セクター化、又は廃線となっている区間(九州新幹線の新八代~川内間等)については、単独路線として扱うことも定められています。(同16条の4)

 16条の2 第2項の規定により、新幹線単独駅を含む区間は、在来線と別線扱いにすることとされているので、当該区間の在来線から分岐する路線への乗車券について、明文の規定はありませんが、当該単独駅を発駅、又は経由して、当該分岐路線への片道乗車券を発売できることになります。つまり、例えば、さきほど例に出した、新神戸を含む区間について考えてみると、次のような乗車券を片道で発券できることになります。200km以上の場合に適用される特定都区市内制度については、とりあえず無視します。

 「新神戸→西明石→尼崎→福知山線方面」(図2)

2 (図2)

 次に、いわゆる「折返し分岐の特例」について、考察してみます。「折返し分岐の特例」とは、分岐駅が主要駅ではなく、その近辺の駅で、特急列車等の優等列車が、当該分岐駅を通過する場合に、当該分岐線方面へ乗り換える旅客について、当該分岐駅から当該主要駅までの区間を折返して乗車することを認める特例です。当該折返し区間の運賃は不要です。

 本来であれば、折返し部分が存在すれば、片道にならず、分岐駅~主要駅間を別途として往復の運賃を収受することになりますが、列車の停車駅の都合で通過しているので、折返しを認める、という趣旨です。ただし、折返し区間内での途中下車はできません。

 これが認められる区間は、旅客営業取扱基準規程(以下「基準規程」)151条に列挙されており、この区間以外は認められません。大体、特急の走っている区間が該当しています。

 例:「米原→山科(通過)→京都→福井」(図3)

3 (図3)

 この2つが、組み合わさるとどうなるか、というのが、この記事での話題です。組み合わさ区間は、例えば、徳山~岩国間(新岩国駅があるため、別線になり、かつ、櫛ヶ浜~徳山間の折返し特例が存在する)などがこれに該当します。例に挙げた、徳山~岩国間などは、この2つの規定が競合して、ややこしい問題が発生する、ということはありません。なぜなら、新岩国駅を経由する場合は、山陽本線(又は岩徳線)と別線扱いとする、という旅規16条の2第2項の規定が適用されて、それで終了となるためです。(図4参照)

4 (図4)
 ところが、これら2つ、すなわち、「別線扱い」と「折返し分岐の特例」が競合する区間、というのがあります、三原~広島間です。

 なぜ、このような競合が発生するのか、というと、基準規程151の2、という規定が存在するからです。条文を引用すると、

「矢野以遠(坂方面)の各駅と三原以遠(糸崎方面)の各駅相互間を乗車する旅客が、新幹線に乗車(広島・東広島間を除く。)する場合は、規則第16条の22項の規定にかかわらず、三原・広島間を同一の線路とみなして、広島・海田市間において、途中下車をしない限り、別に旅客運賃を収受しないで当該区間について乗車券面の区間外乗車の取扱いをすることができる。」

 この規定が意味するところは、東広島という新幹線単独駅が存在するので、本来であれば、旅規16条の2第2項の規定どおり、東広島経由の場合は、山陽本線と別線扱いとしなければならないところ、山陽本線と同一の線路とみなすことができる、ということです。

 ただし、同一路線とみなしてよいのは、海田市で分岐する呉線内各駅と、三原以遠(糸崎方面)とを新幹線、及び広島経由で乗車する場合に限る、としています。(図5参照)

5 (図5)

 なぜ、このような規定が存在するのかを考えてみます。結論からいうと、「折返し分岐の特例」との兼ね合いで出て来た規定です。海田市~広島間はこの適用があります。

 ここで、この規定が無かった場合を考えてみると、さきほど、徳山~岩国間の例でみたように、新幹線単独駅、ここでは東広島駅、を経由し、広島駅を通って、山陽本線海田市、そこから呉線に入り、安芸幸崎まで行く、という場合、新幹線と山陽本線は別の路線なので、海田市~広島間の「折返し分岐の特例」は、関係がないことになります。単に順路通り、片道乗車券になるだけだからです。

 しかし、東広島駅は、後から設置されました。(設置は1988(昭和63)年)同駅が設置されるまで、例えば、東京から、広島経由、安芸幸崎まで行く、という場合、「東京都区内→海田市→呉線」という片道乗車券を買い、新幹線で広島まで行って、折り返したとしても、海田市~広島間の折返し分岐の特例によって、同区間の運賃は不要でした。(図6)

6 (図6)
 ところが、東広島駅が開業したことにより、この区間を乗るには、「東京都区内→広島→海田市→呉線」の乗車券を買うことになります。「折返し分岐の特例」が適用されなくなり、海田市~広島間往復分が実質的に上乗せされた距離で運賃計算をすることになり、区間によっては、従来より高くなります。(図7)

7 (図7)
 これでは不都合が生じる、ということで、いわば「特例の特例」として、基準規程151条の2が規定されました。この規定があると、東広島駅は無視して、新幹線と山陽本線を同一路線とみなすことができるので、「東京都区内→海田市→呉線」という片道乗車券で、三原~広島間も新幹線に乗れ、海田市~広島間は、実際には新幹線経由なので通っていませんが、同条の規定に明記されているとおり、同区間の山陽本線に経由したものと擬制されます。「折返し分岐の特例」も適用され、同区間の運賃は不要です。よって、東広島駅の設置前と、設置後で、運賃が変わることはありません。(図5参照 )

5 (図5再掲)    

 しかしながら、基準規程151条の2をよく読むと、最後に、「できる」とあります。これは文字通り、「できる」のであって、必ず「しなければならない」わけではありません。このあたりの条文解釈は、行政法を学ぶとよくわかりますが、「できる」とある場合、同条を適用「しなくても」、なんら問題はありません。

 この条文を適用すると、1つだけ不都合があります。それは、条文内に明記されているとおり、「途中下車しない限り」という制約があることです。つまり、これを適用すると、例えば、広島では途中下車できなくなります。

 一方で、別線扱いを規定した旅規16条の2第2項だけを適用すると、広島は、経路上の駅なので、当然、途中下車できます。そうすると、広島で途中下車したい場合、基準規程151条の2は、適用したくありません。先述の通り、同条は、「できる」だけなので、適用しないことも可能です。そすると、「東京都区内→東広島経由→広島→海田市→呉線」という片道乗車券が買えることになり、広島でも、当然、途中下車ができます。(図8)

8 (図8)

 そういうわけで、条文の解釈を終えたところで、みどりの窓口へ行きました。「東京都区内→安芸幸崎(広島経由)」を申し込むと、海田市経由、基準規程151条の2を適用した乗車券が出て来ます。なぜなら、マルスは、自動的に同条を適用するからです。しかし、これでは困ります。

 そこで、「海田市~広島の特例を適用せずに」と言って、申し込みました。

 立川駅の窓口氏は、わかりました、と言うと、「東京都区内→西条(広島経由)」と、「東京都区内→安芸幸崎(広島経由)」の2枚を出して、経由を見比べました。前者は、「広島」が明記されます。なぜなら、基準規程151条の2の適用対象外(西条は、呉線ではないため)だからです。しかし、後者は、「海田市」までしか入りません。

 マルスの自動補正を解除してみたり、(いわゆる「補正禁止」)いろいろやっていましたが、マルス指令に問合せ、となりました。窓口氏は、「そんなことできません」とは言いませんでした。それで戻って来て、「規則上は、やはり発売できますが、機械でできないので、時間がかかります」とだけ言いました。それで、夜遅かったのもあり、できたら、電話してくれることになり、翌日受取りに行きました。

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 で、出て来たのがこのきっぷです。マルスではできないので、補充券です。JR西日本のPOS端末だと、補正禁止で対応できるようですが、それは試していないので、よくわかりません。呉線内の駅では、「広島で途中下車する」旨を伝えれば、さっと発券してくれるようですが、東京ではそうも行かず、という感じでした。

 このときは、「瀬戸内マリンビュー」に乗って、しまなみ海道に行ってきました。その記事は、こちらでご覧ください。

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2019年5月 1日 (水)

「令和時代」の幕開け。あきたクルーズ号。

 平成が終わり、新時代「令和」を迎えました。天皇陛下が譲位され、上皇となるのは、日本の憲政史上初めてのことであり、近世史を紐解いてみても、江戸時代の1817(文化14)年に光格天皇が譲位され、上皇となって以来、約200年ぶりのことです。

 平安時代以降の譲位は、政治的意図を持っていたことが多いのですが、今回の譲位に関しては、高齢化が進んだ現代日本において、陛下自身が述べられている通り、「象徴としての務めを果たすことが難しくなった」ためであり、政治的意図は、全くありません。むしろ、「天皇は国政に関する権能を有さず」、と定めた日本国憲法に抵触しないよう、お言葉を選びに選ばれての御発言であると思いました。そのため、皇室典範特例法(退位特例法)は、あくまでも主権者たる国民の同意を得て、天皇陛下のお言葉の意を汲んで制定した、という形式を取っています。譲位の儀式においても、最初に発言したのは、国民の代表である内閣総理大臣でした。200年間一度もなされなかった譲位の儀式では、光格天皇の時に執り行われた儀式、平安時代の故事を参考にした、とされていますが、現行憲法との整合性を取るために、細かいところで様々な形式が整えられています。また、同法において、譲位は、「一代限り」と明記されていますが、個人的には、今上天皇も、いつか「上皇」となられるのではないか、と思っています。

 2019年5月1日をもって、元号が「令和」と改められることは、事前に発表されていたので、国内のあちこちで、改元記念の特需が発生しています。鉄道各社も例外ではありません。それは追って記事にすることにします。

 令和時代も、このブログは続けていく所存ですので、なにとぞ、よろしくお願い申し上げます。

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 昨年の7月末に、秋田港駅を訪れました。秋田県は、外国籍をはじめ、クルーズ船の誘致に力を入れていて、昨年4月18日には、クルーズ船専用の旅客ターミナルが開業しました。その成果もあって、今年は、4月から11月までの間に、延べ23隻が寄港する予定になっています。

2018_07290050 (あきたクルーズ号)
 秋田県では、これを県内観光と結びつけるため、JR東日本と共同で、秋田港への旅客列車の運行を企画しました。その結果、JR貨物の秋田港駅に、JR東日本が「秋田港駅」を設置し、「あきたクルーズ号」が、クルーズ船の寄港にあわせて、団臨として運行されることとなりました。初運行は、平成30年4月18日でした。なお、その前の平成29年8月には、キハ40系一般型を使用して、試験的な運行が実施されています。このときの秋田港駅は、タラップ式だったそうです。

 「あきたクルーズ号」は、キハ48形の「リゾートしらかみ橅編成」を改造した列車で、外観は、白と青を基調としたクルーズ船のイメージに変更されましたが、内装はほとんど変わっていません。秋田港と秋田を結ぶシャトル列車としてのほか、県内各地の観光地を直通する列車としての運用に就いているようです。

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2018_07290054 (秋田にて)
 基本的にこの列車は、クルーズ船客のために設定されており、一般開放はされていませんが、平成30年7月28、29日に秋田港で開催された「秋田港 海の祭典 マリンフェスティバル」へのアクセス列車として一般客も乗れるようになりました。ただし、営業キロは設定されず、マルスの普通乗車券としては発売されません。びゅう旅行商品の扱いでした。

2018_07290058 (車内のボックスシート)

 秋田支社が当初出したプレスリリースでは、びゅう仙台予約センターでの電話受付、又は秋田県内、及び弘前のびゅうプラザ店頭での発売で、電話予約分は、後日、びゅうプラザでの受取、と記載してありました。しかしながら、電話予約分の受取は、どこのびゅうプラザでも可能なのか、言うなれば、首都圏の店舗でも可能なのか、など不明な点が多くありました。

 それで問い合わせが殺到したのか、一旦プレスを取り下げて、しれっと内容を大幅に修正したものが再度発表されました。URL等も変らず、です。変更したなら変更した、とリリースすればいいような気もしましたが、いつの間にか変わっていた、という状況でした。

 それはともかく、びゅう仙台予約センターでの電話予約分は、後日、レターパックで郵送(又は秋田県内、又は弘前のびゅうプラザ店頭での受取)、との扱いになりました。プレスリリースには2名縛りの文言はありませんでしたが、秋田支社管内のパンフレットがTwitterに挙がり、「2名様以上でお申し込みください」と記載してあるのが発見されました。

 予約開始は、6月22日(金)1400からでした。平日なので、私は業務中でしたが、ちょうど1430頃に電話をする機会を得たので、仙台予約センターに掛けてみましたが、話し中で、一向に繋がる気配がありませんでした。電話ばかりしているわけには行かなかったので、10分ほどで止めましたが、回線すら捕まえられませんでした、、、

 翌々日の日曜日、10時から家で掛けてみると、今度は1回目で、「ただいま混み合っております。そのままお待ちいただくか…」と回線を捕まえられたので、そのまま繋ぎっ放しにしておきました。待つこと約25分、ようやくオペレーターが出ました。「7月28日の」とだけ言うと、「秋田港ですね」と即答され、2名以上だということだったので、とりあえず2名で申し込んでおきました。カード決済を終えるまでの所要時間は、およそ5分です。この数日間、おそらく仙台予約センターは秋田港ばかり扱っていたのだと思います。。。

 旅行商品の内容としては、往復分の乗車券と、秋田駅の駅ナカで使える500円分、及び道の駅秋田港セリオンで使える500円分、2種類のクーポンがついて、1人1400円でした。なお、往路の列車については、時間指定で、1列車あたり150人分の発売で、一応乗車人数の管理はされているようでした。

 当日、私は朝一番のJAL機で秋田入りし、夕方までレンタカーで、田沢湖や乳頭温泉を回っていました。それで車を秋田駅で返し、秋田1650発の「マリンフェスティバル5号」に乗車しました。列車は、「あきたクルーズ号」の4両編成で、乗車時に、ドアのところで、係員氏に乗車券の確認をされました。がらがらだったので、空いているボックスを1つ使っていました。

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2018_07290068 (秋田港駅)
 列車は、土崎で一旦停車し、奥羽本線を右に見て、貨物線に入ります。途中の第4種踏切(遮断機も何もない踏切)には、係員がいて、交通整理をしていました。貨物線内は、25km/h程度の徐行運転で、秋田港駅構内に入るところで、また一旦停車しました。信号取扱が手動のようで、ポイントの切り替えも含めて、詰所の係員がやっているようでした。秋田を出てから10分少しで秋田港に到着です。

 ホームが綺麗に整備され、駅名標もありました。改札口はなく、出口でJR東日本の係員がきっぷの確認をしていました。

2018_07290084 (秋田港セリオンタワーより)

2018_07290098 (マリンフェスティバル)
 マリンフェスティバルの1日目のこの日は、花火があるということだったので、それまで時間を潰し、最後まで見て来ました。規模としてはそこまで大きなものではなかったですが。
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2018_07290148 (秋田港にて)   
 帰りは、2058発に乗ります。この列車は、キハ40系一般型の4両編成で、花火帰りの客を一度に捌けるよう、定員の多いロングシート車を充当していました。しかし、車内は拍子抜けするほどがらがらで、同業者しかいないような状況でした。

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 きっぷの券面に、「秋田港」の印字はなく、あくまでも「土崎」駅までの扱いでした。ご案内券に、「秋田港発着」で利用できる旨の記載があっただけでした。営業キロの設定がないためであると思います。

 乗ってみた感想としては、びゅう旅行商品にしたが故に、一般客への周知が不十分であったことも理由でしょうが、鉄道マニアしかいないように思いました。JRの意図としては、マリンフェスティバルへの観客輸送を目的としていたのでしょうが、道路の大渋滞と比して、その意図は全く外れています。この状況を見るに、今後、秋田港の列車が、この形で一般開放されることは無いのではないかと思いました。しかし、9月中旬に、今度は、仙台臨海鉄道に乗入れ、仙台港へ「リゾートみのり」が走りました。こちらの一般枠は、30名限定で、仙台駅からバスで仙台港へ行き、「みのり」に乗って、松島まで、そのあとは解散して、各自仙台へ戻って来るというもので、4500円ほどしていました。即完売したそうです。秋田港の旅行商品が設定されるとしても、こういう形なのかな、と思います。

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