流鉄
常磐線の馬橋から、流山市の流山までを結ぶ流鉄は、全線5.7kmの私鉄です。首都圏にある路線ながら、ICカード利用不可、自動改札の導入はなし、という一昔前の鉄道風景が見られます。各駅に自動券売機はありますが、着駅では、駅員が集札を行なっています。そのため、全駅が有人駅です。
(小金城趾にて)
自動券売機での乗車券発売がなされていますが、出札窓口に行けば、硬券が普通に発売されています。
(鰭ヶ崎駅)
そんな流鉄ですが、昨年(平成29年)3月4日までは、JRとの連絡運輸を行なっていました。現在は、連絡定期券のみの発売で、普通旅客の連絡運輸は廃止されています。接続駅は、馬橋で、連絡運輸範囲は、東京都区内と横浜市内、及び武蔵野線の一部となっていました。
流鉄各駅の券売機上には、古めかしい運賃表が掲げられ、券売機でも連絡券を発売していました。券売機で連絡運輸範囲内各駅までの連絡乗車券を購入できましたが、窓口でも発売していました。こちらで買うと、補充券となります。発駅は印字されていますが、着駅は判子捺し、又は手書きです。
平成28年のクリスマスに、馬橋から硬券を買って、まず、小金城趾まで行きました。あたりはごく普通の住宅街です。小金城趾では、両矢印式の硬券を購入し、隣の鰭ヶ崎まで。大根を植えた畑を見つけたりする、本当に郊外の住宅地、という雰囲気です。終点の流山まで乗って、折り返します。また小金城趾で降りて、今度は出札窓口に赴き、東京までの連絡乗車券を頼みました。
(鰭ヶ崎駅)
「こっちで買うと、自動改札通れないけどいい?」と聞かれただけで、年配の駅員氏は、ええっと、東京、東京、と呟きながら判を捺し、運賃を調べて、ササッと書いてくれました。
小金城趾の次は幸谷です。武蔵野線、常磐線の新松戸駅がすぐ近くにあるので、常磐線に乗り換える乗客の大半はここで降りてしまいました。幸谷-新松戸接続の連絡乗車券はないので、私は馬橋まで行きます。
馬橋の改札は流鉄と常磐線で分れているので、乗車券を2回見せて通りました。常磐線各駅停車と快速を乗り継いで東京駅まで。丸ノ内地下中央改札で、この乗車券を見せて無効印をお願いすると、若い駅員氏は、なんだこれ、という顔をして、ポンと無造作に判子を捺してくれました。
流鉄の連絡運輸が廃止になったのは、接続駅が幸谷ではなく、馬橋に限られていたことが一因ではないかと思います。連絡乗車券を購入して、幸谷で降り、新松戸から常磐線、武蔵野線に乗り換える誤乗が後を絶たなかったのでしょう。券売機、運賃表ともに、「JR連絡は、馬橋のりかえです。新松戸へは行けません」と大書きされていましたので。
ちなみに、連絡定期券は、今でも買えますが、こちらも手書きの補充定期券となるようです。
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