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2016年2月27日 (土)

南十勝・えりも とんがりロード散策きっぷ

 今回は、鉄道関係ではなく、バス関係のきっぷです。

 「南十勝・えりも とんがりロード散策きっぷ」は、十勝バスとJR北海道バスの共同企画乗車券です。JR日高本線(現在運休中)の様似駅からJR北海道バス日勝線、十勝バスの広尾線を経由して、帯広駅又は帯広空港まで、若しくはその逆方向の一方通行で、途中乗り降り自由、ただし、出発地点方向へ戻ってはならない、というものです。帯広駅バスターミナル、帯広空港内の十勝バス案内所、JR様似駅窓口で発売されています。

 大人3900円で、これに各地(襟裳岬周辺が中心)の施設の割引券がついて、2日間有効です。様似駅から広尾経由帯広まで行くと、一回も途中乗り降りせず、広尾で乗り継いで4290円しますので、単純に通り抜けるだけでもこのきっぷの方が安くなります。
Photo(バスのきっぷ。別に割引券付)

 十勝バスのHPを見てみると、このきっぷは、「試験発売」中だったそうです。平成27年11月29日で試験発売期間は終了していますが、十勝バスの「おとくなきっぷ」の所には「とんがりロード散策きっぷ」として現在も掲載されていますので、今でも発売していると思われます。ただ、当該きっぷのリンクを辿ると、当該ページの表記は「試験発売」中のまま変わっていませんので、ひょっとかすると、もう売ってないかもしれません。

 私は一昨年の8月に「試験発売」中のこのきっぷを使いました。日高本線の列車で様似に着き、さあこれから襟裳岬に向かおう、として様似駅前のバス待合所に入り、何気なく壁に貼られた広告を眺めていて、このきっぷを見つけたのでした。発車時刻までまだ少しあったので、駅舎に走って、窓口でこのきっぷを買いました。よくよく考えると、様似駅はみどりの窓口表示が無かったので、簡易委託だったのだろうと思いますが、JR線のきっぷ類は何も買いませんでした。
2014_080730_0454(JRバス日勝線)

 JRバス日勝線は、普通の路線バスでした。内浦湾沿いの国道336号線を走ります。海沿いを行くので、右側の車窓には、ずっと青い海が見えています。時折地元の方が乗り降りする他は、大半が襟裳岬に行く観光客なので、殆ど乗降はありません。1時間程乗って、襟裳岬に到着です。ここでは、観光センターの方が、「JRバスで来られた方、お土産、お食事の割引券どうぞ」と割引券をくれました。何回でも使えるそうです。
2014_080730_0487(襟裳岬の海)

 襟裳岬は風が強く、先端まで行ってみましたが、かなりの風圧でした。天気の移り変わりも激しく、着いた時、海上は霧が出ていたのに、30分もすれば晴れて来ました。岬の向うには岩礁が一列に並び、ラッコが見られることもあるそうです。「風の館」なる施設もあり、ここできっぷを見せると入館料が割引になりました。風速25m体験というのがあったので、興味本位で入ってみると、他に2、3人いたのですが、徐々に強くなる風圧に耐えかねて、結局25mまで体験したのは私ともう一人だけでした。

 襟裳観光に来た人たちはこのまま折り返して苫小牧方面へ帰って行くことが多いようで、広尾行きのバスを待っていたのは、私を含め3人だけでした。岬の周辺は一度植物がなくなり、丸裸になっていたそうで、今は植林がなされています。「風の館」に展示がありましたが、今では緑の広がる土地はかつて土色だったそうで、それを取り戻す苦労は「並大抵のものではない」という表現を超えたものだったようです。

 バスは黄金道路に入ります。国道336号線に変りはないのですが、波が高くなると、道路もがぶるそうで、やたらとトンネルがあります。4941mの「えりも黄金トンネル」を筆頭に、海側の道路を内陸トンネルに移したようで、建設費は馬鹿にならなかったそうです。晴れた今日は、非常に景色の良い道路なのですが、、、

 地元客の乗り降りも何回かあっただけで、結局様似から乗り通して来たと思われる人一人と、襟裳岬からの私達3人の計4人のまま広尾に着きました。広尾のバス停は広尾駅をそのまま使っていました。旧国鉄広尾線の終着駅だった所です。駅舎がそのまま残り、広尾線の駅スタンプも置いてありました。
2014_080730_0507(旧広尾駅)

 今度は真っ黄色の十勝バスに乗ります。終点の帯広まで2時間半掛かります。同行の2人と色々と話していました。どうも住んでいる所が私とすぐ近くのようで…廃止された広尾線の代替バスです。途中、忠類で休憩がありました。国道236号線を走ります。大樹、更別、中札内などの市街地では国道から離れて、町中までこまめに走ります。鉄道にはない点です。その土地がよくわかります。町の無いところは、ひたすら十勝平野の大農場が広がっていて、内地にはない、北海道らしい風景でした。
2014_080730_0522_2(夕暮れの帯広駅前)
 終着の帯広に着いたのは、18時45分でした。長いバスの旅もここで終りました。

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